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馬田草織の塾前じゃないごはん
塾前じゃないごはん=お夕飯のこと。ポルトガル料理研究家で文筆家の母・馬田草織さんとJKこと女子高校生の娘さん。女2人で囲む気ままな食卓の風景をお届けします。さて今晩の「塾前じゃないごはん」は?

そうめんは、まとめてゆでて小分けして、ラップに包んで冷凍すべし。『カリカリ納豆そうめん炒め』のレシピ

2023.08.22

大葉がアクセント!「カリカリ納豆そうめん炒め」

[第12回]そうめんは、まとめてゆでて小分けして、ラップに包んで冷凍すべし

[第11回]夏休み、ランチ問題どうするよ。三食作って仕事はかどらず。

夏休みもそろそろ後半。それにしても暑さがおかしい今年は、いつにも増して食欲センサーがまひしがち。いつなんどきも、食い意地だけは見事にぱんぱんに張っている私なのに、こうも暑いとおなかはすいてるのに自分が何を食べたいのかさっぱりわからなくなってくる。

しかも家ごはんの場合、何を食べたいかはすなわち己が何を作るかでもあるので、こう暑いと余計に考える気にならない。自分が何を食べたいのかも不明なのに、ましてや家族おや。わかるわけがなかろう、とスーパーマーケットでひとりごちてみる。家に帰ってふとダイニングテーブルを見たら、夕飯の準備がすっかり整ってたYO! みたいな奇跡を起こしてくれる素敵な妖精はどこかにいないのだろうか。ぜひ雇いたい(妖精は雇えるのだろうか)

あまたの料理人に聞いた、麺料理の極意

こう暑いと、がぜん出番が増えるのが麺類。だって食べやすいし作りやすい。特にそうめんは夏が本番。しっかり冷えたそうめんをちゅるっとすすれば、じめっと湿度の高い日本の暑さも飛んでいく。気がする。しかもそうめんの素晴らしいところは、ゆで時間わずか1分ほどという短さ。火の前に立つ時間が短いと、それだけで助かる。ゆで上がったら冷たい流水で熱を取りつつ麺をしめ、さらに氷水で麺をしんからしめる。いかなる麺も、ゆでたら冷水で締める、これ大事。これまでも麺の取材で、あまたの料理人に何度きいたことだろう。「ゆでたら?」「しめる!」とコール&レスポンスさながらに覚えた唯一のコツ。

その冷たくしまった麺をつゆにつけ、大葉やみょうがや貝割れ大根にしょうがなどの薬味をどっさりのせて食べる喜びは、まさに食べるシャワー、お口の中が清涼感しかない。そして個人的そうめんの薬味の定番は、ひき割り納豆と揚げ玉、ちぎったのり。揚げ玉はつけつゆを吸ってしまうので、後半から入れることを強くおすすめします。

そうめんに塩対応のJC娘

と、こんなにも夏を涼しく彩るそうめんなのに、わが家では私とJC娘のそうめんへのリアクションにかなりの温度差がある。やっぱりティーンには薬味だけだと物足りないよねと天ぷらなどのボリューム系揚げものを添えたとて、彼女にさほどの高揚感は生まれない。あ、そうめん、的な。でも待てよ、私もはるか昔のティーン時代を振り返ると、そうめんに対するリアクションは今ほどに熱かっただろうか。否。そういえば、いつの間に好きになっていたんだろう、夏のそうめんを。大人の階段とそうめん好きの階段は、同じような勾配で上がっていくのだろうか。

例外の鉄板そうめんメニュー

ただし同じそうめんでも例外もある。分かりやすくJC娘が喜ぶわが家の鉄板そうめんメニュー。それは納豆そうめん炒め。以前は蕎麦で作っていたのだが、ある日ゆでて残ったそうめんで作ったらとてもしっくりきて、いつの間にかわが家の定番になった。この納豆そうめん炒めは、いちいち素麺を茹でるのではなく、まとめてゆでて冷凍しておくというのもポイント。夏のお昼や軽めの夕飯にもいい。焼きそばやパスタと同じ感覚で食べている。副菜が欲しいなら、たたききゅうりのにんにくごま油のりあえや、冷やしトマトのせん切り大葉ポン酢がけあたりがおすすめ。

夏休みって、家にいると3食マラソン状態で料理のことばっかり考えざるを得ない(そして仕事は進まない)。ということで、今回はわが家のそうめんについて語ってみました。お役に立てば。

今回の塾前じゃないごはん


「カリカリ納豆そうめん炒め」

そうめんを冷凍する、と話すと、けっこうな割合で驚かれる。が、世の中には冷凍うどんがあるように、冷凍そうめんも可能です。

そうめんは、ゆでてしめてしっかり水切りした後、1人分を目安にラップに包み冷凍します。わが家はいつも週末などにたくさんゆでて、食べて残ったそうめんを冷凍にまわします。わが家の冷凍そうめんは炒める前提なので、ごま油をからめておきます。そうすると炒めたときにほどけやすく、扱いやすい。炒めるときは、半解凍でフライパンに入れます。

刻んだにんにく、しょうが、ねぎ、付属のたれを混ぜたひき割り納豆、一口大に切った豚バラ肉をごま油でじっくり炒め、肉がしっかり焼けたら冷凍そうめんを電子レンジで半解凍して投入。

ゆずこしょうを酒に溶かしたゆずこしょう酒(小びんに用意しておくと炒めもの全般に便利)を加えて麺をほぐしつつ、さらによく炒める。仕上げに刻み大葉をたっぷりと加え、あればアクセントに黒七味。

香ばしい納豆がフレークのようになって、爽やかな大葉がアクセントになった、真夏のけしからんほど滋味深い一皿です。ビールもすすむよ。
馬田草織
馬田草織
文筆家・編集者・ポルトガル料理研究家。思春期真っ盛りの女子中学生と2人暮らし。最新刊「ムイトボン! ポルトガルを食べる旅」(産業編集センター)。料理とワインを気軽に楽しむ会「ポルトガル食堂」を主宰。開催日などはインスタグラムからどうぞ。
インスタグラム @badasaori

『馬田草織の塾前じゃないごはん』 毎月第2・第4火曜更新・過去の連載はこちら>>>

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