下味
ふだん、何気なく使っている「下味」。どんな意味があるのか、ちょっとおさらいしてみましょう。下味とは、材料が生のうちに、しょうゆ、酒、塩などの調味料、あるいはこしょうなどの香辛料で、ある程度の味をつけておくこと。たとえば肉野菜炒めも、肉には塩、こしょうをふりますが、これは、この時点で味を決めるのではなく、あくまでも肉のうまみを引き立てるためのものです。こうしておくと、仕上げに調味料をからめたとき、肉と野菜それぞれのおいしさが生きて、味のバランスがとてもよくなります。このほか、下味には、材料の臭みを抜く働きもあり、炊き込みごはんに生の鶏肉を加えるときは、しょうゆと酒をまぶしておくと効果的。豚肉のゆずこしょう炒めで、肉に片栗粉をまぶしたのは、炒めるときに肉のうまみを逃がしたくないからで、これも中華料理ではおなじみの下味の手法です。