澄ましバターのこと
オランデーズソースでは、バターを溶かし、澄んだ部分だけを使いました。これは、澄ましバターといわれるものです。バターを溶かしてしばらく置くと、上に泡、中央に澄き通った黄金色のバター、底のほうに白い液体という3層になります。白い液体は、「乳漿(にゅうしょう)」といわれる水溶成分、たんぱく質などを含んでいます。だいたい全体の5分の1ほどで、100gのバターなら、20gほどが乳漿というわけ。実はこれがバターが焦げる成分で、澄ましバターはこれを除いた純度の高いものなのです。フランス料理では、「ブール・クラリフィエ」とよび、焦げにくいので、焼き色をあまりつけたくない料理などに使います。オランデーズソースもできれば、澄ましバターがおすすめですが、もちろんただ溶かしたバターでも大丈夫。ただしそのときは、ソースの仕上がりが少しゆるくなります。