
2021.10.24
◆きのこならではの腸活効果は?
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があり、きのこにはこの両方が含まれていますが、とくに不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
「きのこに豊富な不溶性食物繊維には、腸内の脂質などをからめ取って排出したり、水分を抱き込んで便を柔らかくして出しやすくする性質もあるので、排便回数や排便量が増加したのではないかと推測できます」。(福田先生)
例えば、サツマイモを食べたときにおならが出やすくなるのは、サツマイモの不溶性食物繊維にでんぷん(糖質)がからまった状態で大腸に届くため。
「でんぷんは、めったに大腸まで届くことのない、腸内細菌にとって『ごちそう』のようなもの。大腸に棲む腸内細菌たちが『いいものが来た!』と一気に分解してしまうため、ガスが発生しておならが出てしまうわけです。腸内細菌を元気にするという意味で、食物繊維とでんぷんを組み合わせる方法は、有効な方法のひとつでしょう。季節的に考えると、きのこご飯なんかもいいかもしれませんね!」
あまり知られていませんが、「菌」という字は、訓読みで「きのこ」と読みます。食物繊維の宝庫であり、菌食材の王様でもあるきのこを1日1回以上食べると、菌活×腸活のダブル効果が得られます。
まずはまいたけやしめじなど、きのこ1パック(約100g)を家族3~4人で食べるところから始めましょう。少量ずつでも毎日食べることが肝心。無理なく、おいしく食べ続けることがポイントです。便秘や腸内環境の改善を目指すときは、1日あたり50~100gのきのこを食べると効果的です。
また、きのこで菌活・腸活すると、プラスアルファの嬉しい効果が!
うまみ成分にはグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸の3つがあります。これらを掛け合わせることで相乗効果が生まれ、さらに強いうまみを感じられるように。実はきのこは、グルタミン酸とグアニル酸の2つのうまみを合わせ持つ食材なので、きのこを使うだけでうまみの相乗効果が生まれます。例えば、エリンギのうまみの強さは、昆布だしの22倍にもなるのだとか!
きのこを使うと調味料が少なくてもおいしさをキープできるため、「減塩」したいときにもおぴったり。鍋物や汁物、煮物など、幅広く使ってみるといいでしょう。
さらに、きのこに豊富に含まれるビタミンDは、腸内でカルシウムの吸収を促進し、骨を強くする働きがあります。女性は骨粗しょう症のリスクが高いので、上手に取り入れたいですね。きのこ料理を食べて、菌活・腸活を始めましょう!
<きのこで菌活・腸活のポイント>
1. おいしく&継続することが大切!
2. 食べるタイミングはいつでもOK
3. 毎日少量から始めて、できれば毎日50~100gを目標に!
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