初夏だけのごちそう、〈
実山椒〉。5月から6月にかけて出回り、食卓にさわやかな香りとここちよい刺激を添えてくれます。
山椒の実(実山椒)って?

熟す前の若い実が房のまま出回るのは、ほんの短い初夏のあいだだけ。ピリッとした辛みとすがすがしい香りが特徴です。
ていねいに下ごしらえして冷凍保存しておけば、季節を越えて楽しめる常備の一品に。
今回は、基本の下処理をしたらぜひ作りたい3大自家製調味料【塩漬け・醤油漬け・オイル漬け】の作り方をご紹介。アレンジの幅も広く、さまざまな料理に活用できます。
「実山椒」の下処理のやり方
材料(作りやすい分量)
実山椒……適宜
やり方
(1)実山椒は小枝からはずす。
実に軸が少し残っていてもOK。
(2)鍋に湯を沸かし、(1)を入れる。指の腹でつぶせるようになるまで6〜8分ゆで、ざるに上げて水けをきる。
(3)2〜3回水を替えながら1時間ほど水にさらす。
(4)ざるに上げて水けをしっかりと拭き取り、保存袋に入れる。
保存期間冷凍庫で1年間
『実山椒の塩漬け』のレシピ

ぴりっとさわやかな辛味と香りの実山椒をシンプルでアレンジがきく塩漬けに。
材料 (作りやすい分量)
下処理した実山椒(下処理したもの・上記参照)……50g
塩(粒が粗めのもの)……5g
作り方
(1)煮沸消毒したびんに実山椒を入れ、塩を加える。ふたをして上下に振る。
(2)塩が溶けるまで2〜3日常温に置き、冷蔵庫で1週間〜10日なじませる。
保存期間冷蔵で1年間ほど。
【おすすめアレンジレシピ】実山椒の混ぜご飯

炊き上がったご飯に実山椒の塩漬けをさっくりと混ぜ合わせて混ぜご飯に。こんがり焼いた油揚げを刻んでのせてもおいしいですよ。
また、マリネや冷ややっこのアクセントにも。アイスクリームに合わせるのも意外性があっておすすめです。
『実山椒の醤油漬け』のレシピ

下処理した実山椒をしょうゆに漬けた、実山椒のしょうゆ漬け。山椒のさわやかな香りと辛みがGOOD。
材料 (作りやすい分量)
実山椒(下処理したもの・上記参照)……50g
しょうゆ……100ml
作り方

煮沸消毒したびんに実山椒を入れ、しょうゆを注いでふたをする。冷蔵庫に入れて10日ほどなじませる。
保存期間冷蔵で1年間ほど。
【おすすめアレンジレシピ】たこのカルパッチョ

ゆでたこをスライスし、刻んだみょうが、せん切りにした青じそ、いりごまをのせて、実山椒のしょうゆ漬けをかけてどうぞ。ほかにも、帆立やトマトスライスなどあっさりとした味わいの食材と相性よし。ちょっとかけるだけで一気においしくなりますよ!
『実山椒のオイル漬け』のレシピ

下処理した実山椒をオイルに漬け込むだけで、簡単に作れる実山椒のオイル漬け。
材料 (作りやすい分量)
実山椒(下処理したもの・上記参照)……50g
油※……100ml
※山椒の香りを妨げない油がおすすめ。太白ごま油や米油など。
作り方

煮沸消毒したびんに実山椒を入れ、油を注ぎ入れてふたをする。冷蔵庫に入れて10日ほどなじませる。
※冷蔵保存するとオリーブオイルが固まることがあるので、常温にもどしてから使ってください。保存期間冷蔵庫で半年ほど。
【おすすめアレンジレシピ】実山椒のあえそうめん

ゆでたそうめんをめんつゆと実山椒のオイル漬けであえて豚しゃぶをトッピング。さらに上から実山椒のオイル漬けをかけてどうぞ。冷たくてピリリとさわやか、夏にぴったりのメニューです。
毎日の一品に加えれば、季節の恵みがより身近に感じられるはず。
手に入ったときが仕込みどき。初夏の香りを、じっくり味わってみてくださいね。