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  2. 岸本葉子の 年をとるって、こんなこと?
暮らしの中でふと感じる「これってトシかも?」。困りごとや心配ごとだけでなく、大人ならではの楽しみも。おねえさん世代の岸本さんが送るリアルな「体験レポート」です。
1月28日 ヒップの下垂をくいとめる
体重は同じでも
 体重の数値はこのところずっとキープできている。ときにより二キログラム以内の増減はあるけれど、二十代と同じ水準を維持。
 でも! 経験から私は次のように言えます。体重は変化しなくても体型は変化する。
 バストが年とともに下がってくるとは、前々から聞いていた。かつての私は、それは胸の大きい人の話であり自分には関係ない悩みだと思っていた。  が、これについても言えます。小さくても垂れる。
 加齢による体型の崩れは肥満よりも下垂というのが、万人に共通の法則なのです。
バストの「落ち」にはこう対処
 私はいわゆる下半身デブで、ヒップは大きい。服装の基本は、ウエストのくびれていないAラインのワンピースにレギンスだが、Aラインでも裾幅が狭めだと、お尻が張って形があらわになってしまう。試着室の鏡に後ろ姿を映すとわれながら、ヒップの落ちを感じる。
 バストアップについてはあきらめている。いざとなればブラジャーで補正すればいいとの思いもある。バストの肉そのものは増やせないけどパッドで厚みを盛ったり、バストトップを一、二センチ上方修正したりはできるだろう。
 ヒップの方が深刻。ウエストを締め付けるのが苦手な私は、ガードルで補正することは考えられない。年とともに、より裾の広いワンピースを求めていくしかないのか……。
「ヒップメイクに凝っているの」
 数人の女性で話していたとき、同世代のひとりが言った。コンパクトなお尻を作っているという。
ちょっとしたエクササイズで
 方法は簡単。お尻引き締め体操として雑誌にふつうに載っているようなものを、日頃から行っている。例えば立っているときに、片足を伸ばしたままほんの少し後ろへ浮かせて戻す。あるいは片足を横へ少し開き、膝を軽く曲げて持ち上げ、閉じる。その繰り返し。どの動作も足をぶらつかせるのではなく「お尻の頬っぺたにえくぼを寄せる」イメージで縮めるのがだいじ。寝る前の習慣にし、電車で吊革につかまっているときや信号待ちのときも無意識にしていたら、ヒップが上がるだけでなく小さくなってきたそうだ。居合わせた彼女の同僚も「これ以上やると、お尻なくなっちゃいますよ」と笑っていた。
 驚いた。お尻って減らせるとは! お尻の肉の薄い人というのが彼女の第一印象だが、もともとではなくエクササイズで実現したものだった。
 ヒップアップの努力は私もしようと思います。


岸本さんの本 『ちょっと早めの老い支度』
『ちょっと早めの老い支度』
50代が近づいたとき、老後の準備を考え始めたという著者が、どんなときに老いを意識し、どんな支度を始めたかを率直に綴ったエッセイ。
1961年神奈川県生まれ。エッセイスト。保険会社に勤務後、中国・北京に留学。自らの闘病体験を綴った、『がんから始まる』(文春文庫)が大きな反響を呼ぶ。著書は、『ちょっと早めの老い支度』(小社)、『ためない心の整理術 』(佼成出版社)、『「和」のある暮らししています』(角川文庫)など多数。共著に、『ひとりの老後は大丈夫?』(清流出版)がある。 岸本葉子公式サイト>>
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イラスト/松尾ミユキ 人物写真/安部まゆみ
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