山田分かります!我々が若手だったころって「これってさ〜、フライパンで手軽にできない?」っていう編集長からのリクエスト、なんか多かったですよね〜。
宮川そうなの。私が忘れられないのは入社2年目(1994年?)くらいのときに任された手作りパン企画。
山田「フライパンで作って」っていうリクエストだったんですか?パンを?
宮川じつはそうじゃなくて、企画を任される前から、自分でパンは焼いてたんだけど、そのころ自宅にあったオーブンが超旧式で温度管理が難しい直火タイプだったのね。だから、とにかく焼くのが大変で……。そんな中、ふと思いついたのが、「フライパン」を使うこと。
山田えっ。宮川さん自らの発案?それは実感こもりますね〜。
宮川最新鋭のオーブンがなくても、フライパンでおいしいパンが焼けたら、どんなに素敵!と思って。生地の配合や、焼き方の研究を重ねて、自分なりに満足いくものができたから、その成果を誌面に生かしたいって思いながら、企画を押し進めたという感じ。
山田それはすごい。なんかおぼろげに覚えてます、宮川さんのその企画。だってすごく本が売れただけでなく、読者アンケートの結果も断トツの1位でしたよね。
宮川そうそう。当時の編集長が、あんまり読者の評判がいいもんだから、アンケート結果を「号外・速報」的に編集部に自ら配るほど喜んでくれてね。今回紹介するイチ推しレシピは、この企画にまつわるお気に入り。今もときどき、懐かしくなって作るオリジナルです。
宮川のフライパンイチ推しレシピ
「ふわふわフライ・パン」の作り方はこちら
福島実は僕のイチ推しレシピ「フライパンドリア」も、自分が普段作って食べているものを、これいいんじゃないかと思って提案したら、編集長はじめ、えらい人たちに絶賛されて企画が採用になったという、思い出の一品なんだよね〜。
山田福島さんも、リアリティのある企画提案が功を奏したパターンですか?(笑)
福島そうそう(笑)。食べてもらうのが一番かなと思ってさ、ドリアを「作りながら」プレゼンしたのね、キッチンで。ピラフ作って、ソース作って、オーブントースターで焼いてっていう、ドリアならではの面倒くさい手間はいっさいなし。
山田思いきりましたね〜。
福島フライパンに材料をどんどん加えていくだけでできる手軽さが認められて、速攻で企画採用。「おいしい、おいしい」って、それはもう、食いつきのよさたるや。気持ちよかったな〜。
福島のフライパンイチ推しレシピ
「バターチキン風カレードリア」の作り方はこちら
山田福島さん、そのドリア企画の前に、フライパンで煮込む系のパスタ企画、担当してましたよね?
福島そうそう。煮汁でパスタを煮て、それで完成ってやつね。フライパンひとつでできる手軽さが大ウケで「もうこのやり方でしかパスタは作らない」とわざわざ報告にきてくれた同僚がいたほど(笑)。このパスタ企画の延長で「これもできるかも」と作ってみたのがドリア、ってわけです。
山田パンもドリアも、パスタも作れるなんて、フライパンってすごいですよね。しかも、香ばしく焼けたり、煮汁がうまく煮詰まったり、フライパンで作るからこそおいしくなるってところがいちばんすごい。
福島そうだよね〜。ほんとすごいよね。僕も平日はフライパンしか使ってないかもってくらい、毎回手にとるもの(笑)。焼く、炒める、煮る、蒸す……。なんだってできるもんね。
宮川ほんとにそう。私は自他ともに認めるパスタ好きなんだけど、パスタを作るときにはやっぱりフライパンがないとだし。なくなることが想像できない調理道具かも。
山田ですよね〜。なんだかお二人のお話がおもしろくって、山田イチ推しレシピについて語る時間が……(笑)。実はこれ、私が焼き野菜のうまさに目覚めた一品です。
福島というと?
山田ブロッコリーって、あんまり深く考えずにいつも鍋でゆでてたんですけど、料理研究家の大庭英子先生に「フライパンでいきなり焼きつけてもおいしいわよ」って教えてもらって、すっかりくせになっちゃって。「野菜って甘いんだ」ってしみじみ感激して以来、自分なりにアレンジして、なんべんも作ってます。
山田のフライパンイチ推しレシピ
「ブロッコリーと塩豚のフライパンソテーサラダ」の作り方はこちら
宮川オイルを使わずに、水だけ加えて蒸すのもおいしいよね。ゆでるのと違って、仕上がりが水っぽくならない感じ。私もよくやる。
山田さすが宮川さん。今回はオイルで焼いてから蒸し焼きにしましたけど、少ない水で蒸し焼きもさっぱりしておいしいですよね。それもよくやります。最近は蒸しものがほんとにおいしくできる高性能フライパンもありますしね。次、買おうと思ってるんです、わたし(笑)。
福島話は尽きないけど、要約するとフライパンはすごい。まだまだ未知の可能性を秘めてるんじゃないかってことでいい?オレぺの中の人としては、これからも「こんなのあったらいいのに」という実感から生まれるおいしい企画、考えていきましょう!
山田そうですね。ぜひ!
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