続いてはシンクやコンロがあるメインのキッチン収納へ。ダイニングと繋がる気持ちのいいオープンキッチンからは、逗子の海が見えます。

デッドスペースは逃さず使う!

「
見逃しがちだけど、便利なのが換気扇の上(笑)。パッと手が届くから、鍋敷きの定位置です。登場回数が多く、軽いお櫃もここ」。菜箸や木べら、塩、やかんなど火周りですぐ使うものはあえて出しっぱなしに。重さのある調味料や油のビン類は引き出し収納で。輪ゴムはオーブンにつけたマグネットフックにひっかけて、すぐ取れるようにしています。

「意外と気に入ってるの」と教えてくれたのがコンロ下。4口コンロにしたことで、魚焼きグリルがつけられなかったデッドスペースは細長いラップやホイルの収納に。かごに入れているから、引き出しやすいのもポイント。ちなみにこのかご、なんと娘さんの小学校の時の「お道具箱」!
引き出しは使う頻度で上→中→下に
引き出しは、使う頻度で上から順にテーマ分け。「
料理中、いかに屈まなくてすむかが大事! 細かくやりすぎると収納度が下がるので、あくまでざっくり」。
上段にはまず刃物類。仕事柄、本数の多い包丁もあえてがさっと入れているそう。下ごしらえに欠かせない計量カップやバット類もスタッキングして。

中段には泡だて器やすりこ木、すりばちやじょうごを。使用頻度が低めの下段には、おろし器やブレンダー、スパイス用のすり鉢などを入れています。
大物はシンク下へ。中引き出しを追加し収納量を倍に!

深さと広さのあるシンク下の引き出し。「もともとは1段のみでしたが、上の空間が有効活用できなかったのが気になり、スライド式の中引き出しを追加。結果、
収納量が2倍に! 下段には重さのある鍋類、上段にはフライパンや蓋をまとめてます」。
窓際やシンク上も有効活用

シンク上の吊り棚にはせいろやざるなど軽い木の道具類を。海風の湿気対策として、あえて扉はつけなかったそう。日当たりと風遠しのよい窓辺には、アイアンバーを渡して束子やふきんを吊るしています。ちなみに毎日出る野菜くずは、捨てずに干して「べジブロス」に。煮だすといいスープになる上、生ゴミの削減にも役立つそう!
飛田和緒さんの愛用キッチンツール3選
「20年以上ヘビロテ。昔ながらのアルミ鍋」

底がべこっとへこんで蓋にもゆがみある年季物のアルミ鍋。20年以上前に自由が丘デパートの荒物屋さんで購入。「何かをさっとゆでたい時、おでんを煮たいとき、肉じゃがで鍋をあおるとき。軽くて熱伝導がいいから、つい手に取ります。口径22㎝が、家族3人分にベストサイズ!」。
「最近スタメン入り。釜浅商店〈庖丁にやさしい〉まな板」

「ずっと木製がいいと思っていましたが、これに出合って考えが変わりました。包丁のあたりが優しくて、シミが目立たないのがいい!」ゴムのような素材の黒いまな板は、大中小3サイズ揃えるほど、お気に入りに。
「コツコツ集めたアルミ製のやっとこ鍋」

「軽く火通りがいいだけでなく重ねられるのが魅力。コンロに2、3個並べても持ち手がないから邪魔になりません」。ヤットコ(鍋をつかむペンチ)も慣れれば楽なんだとか。購入は京都の有次や鍛金工房WESTSIDE33で。一番上は
一人暮らしを始めた18歳の時に買った行平鍋。焦げた持ち手を取り、なんといまだ現役で愛用中!
用途に合わせて使いやすいようにカスタマイズしつつ、散りばめられた小さな工夫がいっぱいの飛田さんのキッチン収納。ぜひ参考にしてみて!
飛田和緒さん
相模湾を見渡す高台で夫と娘の3人暮らし。シンプルで気のきいたレシピにファンが多い。2023年1月17日に『料理家・飛田和緒/シンプルで作り続けたくなる、傑作レシピ選』(小社)が発売予定!
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