
2022.08.08
※この記事は、京都府立医科大学 消化器内科学教室 准教授 内藤裕二先生の監修を受けて作成したものです。
「お気に入りのドラマや動画を見て、夜更かしが続いたら、便秘しやすくなった」という経験はありませんか?
一見、関連性がないように思えますが、腸と体内時計のあいだには密接な関わりがあることが徐々にわかってきました。京都府立医科大学 消化器内科学教室 准教授・内藤裕二先生に、腸活トピックスを教えていただきました。
週末の夜は、録画しておいたDVDを見たり、スマホを長時間見たりして寝不足ぎみ。そんな人は、知らないうちに腸内環境が悪化しているかもしれません。
「研究では、『体内時計の乱れが腸内細菌の働きにも影響を与えている』ことが注目されています」と内藤先生。
人間には、昼夜の変化に合わせて体の働きを調節する「体内時計」が備わっています。1日は24時間ですが、体内時計は約25時間周期とされ、1時間ほどズレがあることがわかっています。
これを解消するのが、朝の日光。朝に日の光を見ることで体内時計のズレがリセットされ、周期が整う仕組みです。
ところが、夜にスマートフォンなどが発している「ブルーライト」などの強い光を浴びると、脳が昼と誤解して、体内時計の乱れを招いてしまうのだとか。
「現代社会では、夜遅くまでパソコンやスマホのブルーライトを浴びる生活をしている人が多く、<ソーシャル・ジェット・ラグ>(社会的時差ボケ)といって、海外旅行などで時差ボケしたときのように体内時計が普段でも乱れている人が少なくありません。こうした状態だと、腸内細菌のバランスが乱れたり、腸内細菌の活動にまで影響が及ぶと考えられています」
腸活によいと言われる食べ物を取り入れていても、体内時計が乱れたままでは、効果が充分に得られていない可能性も。
「食事はばっちりのはずなのに、便秘ぎみなんだよね……」というかたは、下記の3か条を実践し、体内時計を整えてみては?
体内時計を整える3か条
1)朝起きたら太陽の光を浴びる
2)夜のスマホやインターネットを控える
3)できるだけ決まった時間に起床・就寝する
監修/内藤裕二 構成・文/大石久恵 写真提供/PIXTA
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