close

レシピ検索 レシピ検索
オレンジページ☆デイリー

オレンジページ☆デイリー 気になるTopicsを毎日お届け!!

【イチからわかる腸活】納豆菌は生きて腸まで届く!

2022.02.06

 

withコロナ時代の今、「健康のために腸活しよう」と発酵食品が見直されています。なかでも日本人にとってなじみが深い納豆は、スーパーでも売れ行きが好調。そこで今回は、納豆菌のパワーの秘密や健康効果に迫ります!

納豆の老舗メーカーとして知られるタカノフーズ納豆研究開発・所長の赤田圭司さんに、お話を聞きました。



◆納豆菌って、どんな菌?

納豆は、栄養豊富な大豆を原料とした日本伝統の発酵食品。蒸し煮にした大豆に納豆菌を加えて発酵させることによって、納豆ならでは栄養成分を産生させます。

 

一般的に知られているのは「血液をサラサラにする」などの作用ですが、そもそも納豆菌とはどのような菌なのでしょうか?

 

赤田さんによれば、納豆菌は乾燥や熱に耐え抜く強さを持ち、100℃で加熱しても、マイナス100℃に冷凍しても、死滅することがないのだとか。さらには宇宙空間の真空の世界でも生き延びることができるくらいに強い菌なのだそうです!

 

「納豆菌は環境に応じて2つのタイプの体を使い分けるという、非常におもしろい菌なんです。通常は一般的な微生物と同じく細長い形状をしていますが、自分にとって好ましくない環境になると硬い殻に包まれた胞子に変身します。実はこれは納豆菌が休眠状態となった姿。酸素がある30~50℃くらいの環境になると発芽してもとの形状に戻り、再び増殖活動をスタートすることができるのです」

 

ちなみに、市販の納豆1パック(50g)には、約500億個もの納豆菌が胞子の状態で入っています。そして、納豆1粒あたりに、なんと約2億個もの納豆菌が生きているのだとか!

 

納豆菌は、金属も溶かしてしまう胃酸に溶かされることもなく、生きたままの状態で腸に届きます。これは胞子に変身することができる納豆菌の特性があればこそ。現時点では詳しいことがわかっていませんが、消化吸収が行われる小腸には酸素があるので、納豆菌は小腸の中で 胞子の状態から発芽し、作用している可能性があると考えられています」

納豆菌が、腸内細菌を元気にしている可能性もあると考えられているそうです。

ただし、消化菅の下のほうに行くにつれて酸素がなくなり、大腸の中は無酸素状態。そのため、再び胞子状態になって生きたまま大腸を通過し、便に混じって排出されます。納豆を食べた人の便を調べると、生きた納豆菌を発見することができます。

 



◆大豆と納豆では栄養成分が違うの?

 

大豆はもともと栄養豊富な食品ですが、そもそも大豆と納豆はどこが違うのでしょうか。

 

「蒸し煮にした大豆に納豆菌をかけてから一定の温度に保つと、納豆菌が大豆に含まれる糖質やたんぱく質を分解して、人間にとって体によい健康成分を作り出してくれます 。このプロセスが『発酵』。納豆になることで、大豆にはなかった成分がプラスされるというわけです」

 

まずは大豆そのものに含まれる健康成分に、どんなものがあるかを見ていきましょう。

 

◎もともと大豆に含まれている栄養

大豆は良質な植物性たんぱく質が豊富で、「畑の肉」ともいわれます。大豆に含まれるたんぱく質は、私たちが体内で合成することが難しいとされる必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。

 

必須アミノ酸は内臓や筋肉、骨、血液などの組織を作る材料となるため、私たちが生きていくうえで欠かせない栄養素です。また、水溶性食物繊維不溶性食物繊維の両方が含まれている食品でもあります。

 

<大豆に含まれる主な栄養成分>

たんぱく質…必須アミノ酸を豊富に含み、内臓、筋肉、骨、血液などの構成成分となる
大豆レシチン…総コレステロールを下げる
大豆サポニン…抗酸化作用、コレステロールなど血中脂質の低下が期待できる
大豆イソフラボン…月経に伴う不快症状、更年期の不調を改善。骨粗しょう症を予防する
食物繊維…水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、不溶性食物繊維は便のかさを増やしたり、腸のぜん動運動を促す

 




◆納豆になることでプラスされる栄養成分は?

 

では、発酵によって納豆にどんな健康成分がプラスされるのか、見ていきましょう。

 

赤田さんによれば、「納豆菌が作り出す<健康成分>として代表的なのは、ナットウキナーゼビタミンK2ポリグルタミン酸の3つ」とのこと。

 

ナットウキナーゼといえば、「血液をサラサラにする効果がある」とされる成分。

 

また、ビタミンK2は骨を強化して骨折予防を期待できる栄養素として注目され、骨粗しょう症の予防に欠かせない 健康成分です。


ちなみに、納豆消費量の少ない関西では、納豆をよく食べる関東以北と比べて、骨折率が高いことがわかっています。骨粗しょう症で骨折する人は、そうでない人に比べ、血中ビタミンK2の量が少ないという報告もあるそうです。

 

そして、ポリグルタミン酸は納豆を混ぜたときに糸を引く、あのネバネバ成分のもと。近年、ポリグルタミン酸には「食後の血糖値上昇」を抑制する作用があることがわかってきました。

 

美食家として名高い北大路魯山人は「納豆はかき混ぜるほどにうまくなる」という名言を残しており、よく混ぜることで空気を含み、口当たりがまろやかになると感じる人も多いよう。

 

ただし、混ぜる回数によって納豆菌が元気になったり、健康成分が増えたりすることはないのだとか。「健康のために!」と、無理をしてたくさんかき混ぜる必要はなさそうです。

 
自分好みの混ぜかげんで、おいしく食べてくださいね!

<納豆ならではの主な成分と期待される作用>

ナットウキナーゼ…血液をサラサラにする

ビタミンK2…骨を丈夫にして、骨折を予防する
ポリグルタミン酸…食後血糖の上昇やインスリンの過剰分泌を抑える

関連タグでほかの記事を見る

SHARE

ARCHIVESこのカテゴリの他の記事

TOPICSあなたにオススメの記事

記事検索

SPECIAL TOPICS


RECIPE RANKING 人気のレシピ

Check!