素麺における、家族内温度差問題
真夏の夕方、きりりと冷たい素麺が食べたい私。でもきっと、子どもの反応は鈍い。
「今日なに?」
「素麺」
「……」
というやりとりは、もはやわが家の夏の風物詩。どうしてそんなに素麺に冷たいの。
大人の階段と素麺好きの階段は、同じような勾配で上がっていくのだろうか。ただし、例外もある。娘が喜ぶ素麺、それは納豆素麺炒め。
炒めれば問題解決だ。香ばしい納豆がフレークのようになって、爽やかな大葉がアクセント。素麺は毎回ゆでず、まとめてゆでて小分け冷凍しておくと便利。いっそ冷たい素麺と炒め素麺、いっしょに出そうかな。
カリカリ納豆素麺炒め

材料(1人分)
豚バラ薄切り肉 …… 30g
素麺(ゆでて小分け冷凍したもの) …… 1 束分(約130g)
ひき割り納豆 …… 2 パック(約80g)
青じその葉のせん切り …… 5 枚分
ねぎ …… 10㎝
にんにく …… 1 かけ分
しょうがのみじん切り …… 1 かけ分
好みで黒七味 …… 適宜
ごま油…… 適宜
塩 …… 適宜
〈ゆずこしょう酒〉
ゆずこしょう …… 小さじ1/2
酒 …… 大さじ1
POINTそうめんはまとめてゆでて冷水でしめ、しっかり水きりしたら、1 束分を目安にラップに包み、冷凍する。わが家では炒める前提なので、ごま油少々をからめておく。ほぐれやすくて便利。
作り方
(1)ねぎはみじん切りにする。豚バラ肉は一口大に切る。ゆずこしょう酒の材料を混ぜる。納豆に付属のたれを加え、かるく混ぜる。素麺を電子レンジ(600W)に30秒ほどかけ、半解凍する。
(2)フライパンにごま油を中火で熱し、ねぎ、にんにく、しょうが、豚バラ肉を入れて炒める。肉が焼けたら納豆を加える。あまりさわらず香ばしく焼きつける。
(3)香りが立ったら素麺を加えてゆずこしょう酒をふり、ほぐしながらさらに炒める。味をみて塩でととのえる。
(4)青じそを加えて器に盛る。好みで黒七味をふる。
ゆずこしょうを酒に溶かしたゆずこしょう酒(小びんに用意しておくと炒めもの全般に便利)

(
『塾前じゃないごはん』より)
馬田草織さん
文筆家・編集者・ポルトガル料理研究家。出版社で雑誌編集を経て独立。ポルトガルの食や文化に魅了され、家庭料理からレストラン、ワイナリーなど幅広く取材している。ポルトガル料理とワインを楽しむ教室「ポルトガル食堂」を主宰。著書に『ムイト・ボン!ポルトガルを食べる旅』(産業編集センター)、『ホルモン大航海時代』(TAC出版)などがある。一児の母。
インスタグラム
@badasaori