
2023.07.01
Twitterのフォロワー数約40万人と絶大な人気を誇る、料理研究家のジョーさん。身近な食材&調味料で簡単に作れておいしいレシピが支持されています。
オレンジページnetではジョーさん。の新連載「ジョーさん。の漬けめし」が7月1日にスタート ! これを記念して、料理家研究家になったきっかけや、思い入れの深いレシピ、こだわりの調味料などについて語っていただきました。
――ジョーさん。が料理研究家になったきっかけについて教えてください。もともと料理を作るのが大好きだったんですか?
2つの側面あるんですけど、1つ目は、尋常じゃないくらい食べるのが好きだったこと。外食がすごく多い家庭だったので、外食でいろいろおいしいものを食べて、食いしんぼうになったっていうのがひとつ。
2つ目がお母さんの助けになりたい、と料理を始めたことですね。両親が共働きで、仕事から帰ってきた母が料理を作ってくれるんですけど、僕や父が作りたての食事を食べているのに、母はみんなのお皿を片づけ終わってから、冷めた料理を立ったまま食べているのを見ていて、子どもながらに違和感があったんです。それで、初めは炊飯器のスイッチを入れるところからスタートして、トマトなどの野菜を切ったりするお手伝いをしていました。
自分ではあまり覚えていないんですけど、小学校3、4年生のときに、母の見様見まねで自分一人でとんカツを作ったんです。なんでとんカツだったのか……、たぶんびっくりさせてやろうっていう気持ちがあったんだと思うんです、サプライズで喜ばせようみたいな。とんカツ、刻んだキャベツにトマト、おみそ汁、ご飯。母が帰宅する前にすべてを作って待っていたら、とても喜んでくれて。それが、今で思えば、料理研究家になる原体験だったんだと思います。
――小学校中学年でとんカツを手作り!? そのあとも、料理の腕に磨きをかけていったんですか?
中学生や高校生のころは、外食で食べた料理をどうやって自宅で再現できるんだろうって考えて作っていましたね。基本の調味料「さしすせそ」で作っていたんですけど、高校生のときに、麻婆豆腐にめちゃくちゃはまって。そのときに、酒という調味料に出会って、「酒、すげー」と思ったのを覚えています。
――かなりの研究肌とお見受けしました。そのころから、料理研究家をめざしていたんですね?
いやいや、全然(笑)。大学生のころは、学業と並行して小説家として本を出したり、卒業してからは某メーカーの営業職に就いたり、その会社を辞めてタイ古式マッサージに弟子入りしてみたり……。そのとき、そのときで心が動いたものに挑戦していました。
いろいろな仕事を経験してみて、結果的に自分が子育てをちゃんとできる仕事がいいなと感じたんです。在宅とかで子どもをみながら仕事ができるのがベストだと思って、料理研究家っていうのはぴったりだな、と。自分が作ったごはんがそのまま食卓に出せるし、仕事でもプライベートでも役に立ちますよね。
その後、食関係の会社に入って、アルバイトから下積みさせてもらって、30歳になる前に独立を決意して退職。退職して3カ月くらいたって、このままだと次の就職先見つけなきゃやばいかなって思っていたころに、Twitterに投稿した『アスパラバターまぜごはん』が当時20万近い“いいね!”をもらってバズったんです。これを機にメディアに登場する機会をいただいて……『アスパラバターまぜごはん』が、僕の人生を大きく変えてくれました 。
「なぜ人類はいままでやらなかったんだ…!?」
— ジョーさん。(料理研究家) (@syokojiro) June 6, 2019
ってくらいアスパラガスは混ぜご飯にするとおいしい
アスパラが豆みたいにホクホクでお箸が止まらないから本当試してみて
アスパラガスを細かく切って
バター2かけとめんつゆ大さじ1.5を入れ
ラップし600Wのレンジで2分
温かいごはんと混ぜたら完成! pic.twitter.com/QD1HIcoWbi
――ジョーさん。の人生を変えた『アスパラバターまぜごはん』以外に、思い入れの深いレシピはありますか?
『サーモンの塩昆布漬け』は今でも自分で作っているし、気に入っているレシピです。昆布じめがおいしいことはみんな知っているけど、そんなハードルの高いことはしないですよね。サーモンはほかの白身魚に比べて年じゅう手に入りやすい食材。昆布を塩昆布のような簡便な食材に置き換えることで、みなさんに支持されたというのが、われながら気に入っています。
これ…すごい…
— ジョーさん。(料理研究家) (@syokojiro) February 25, 2020
マジでいくらみたいな濃いうま味がする…
「サーモンの塩昆布漬け」
刺身用サーモン150gに
塩昆布20g(大さじ1強)を全体にまぶして、
ぴっちりラップするかジップロックに入れて
20分くらい漬けるだけ。
1日漬け込んでもOKです。 pic.twitter.com/caMcdJ6n5f
また、全然頑張っていないのに(笑)、いまだにTwitterで伸びているのが『カリっとホクホクにんじんステーキ』。このレシピの特徴は、焼き方の工夫によって、にんじん独特のえぐみが抑えられて甘くておいしくなるというもの。見た目で伝わらないものはバズらないだろうと思っていたんですけど、おいしくできたので投稿したら、それがなぜか伸びたという不思議です。
こんなの…
— ジョーさん。(料理研究家) (@syokojiro) August 30, 2019
俺たちの知ってるにんじんじゃねえ…!
「カリっとホクホクにんじんステーキ」
にんじん1本をラップで包み600Wで3分30秒
半分に切り、オリーブオイル大さじ1.5チューブにんにく2cmを引いたフライパンで弱めの中火で表面がカリッとするまで加熱
ブラックペッパー 粉チーズ パセリを振り完成 pic.twitter.com/YZcTrFFAxP
――「これはウケるぞ」と思うレシピのポイントとは?
手軽さ、季節の食材、の要素は欠かせないかなと思っています。ただ、先ほどの『カリっとホクホクにんじんステーキ』みたいなこともあるので、正直、どれが実際にウケるのかは、僕にもわからないですね。
ただ常々レシピを考えるうえで、こだわっているのは、手に入りにくい食材や調味料をなるべく使わないということ。コンビニで手に入る範囲にしぼると狭くなりすぎるので、ミニスーパーくらいに広げて、そこで手に入る食材や調味料を使うことを心がけています。とくにTwitterの場合は、何を使うというよりは何を使わないか、ということが大事な感じがしています。
あとは……、卵黄をのせることですかね、卵黄は引きが強いですから(笑)。
撮影/三好宣弘〈RELATION〉 取材・文/佐々木紀子
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