2025.04.16
人気料理家・飛田和緒さん。この連載は飛田さんの飾らないお昼ごはんをのぞき見させてもらいます。使うのは20年近く住む神奈川県・三浦半島の旬の食材! さて今日はどんな「さもない」お昼が見られるのでしょうか……?
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切ってみると、巻きの柔らかな春キャベツというよりは冬キャベツに近い感じでしたが、かじるとサクッと柔らか。春らしい青臭さがぱっと口に広がって、あとから甘みがやってきます。外葉がとっても立派でした。ゆでて、油揚げか、ベーコンでも入れてロールキャベツにしようと思います。
たけのこは例年よりも早くにお目見え。今日たけのこに出会えるとは思ってもみなかったから、不意に目の前に現れて驚きました。
大げさかもしれないけど、朝掘りのシールに激しく心揺さぶられたのでした。小ぶりではありますが、たけのこに触れた感触が柔らかいよと手に伝えてくれたので、5本も買ってしまった……。
1本ずつぬかもついていて、すぐにゆでてくださいねとメッセージとともに受け取りました。最近のたけのこのゆで方は皮をむいて、まるごとまたは半分に切って水からゆでます。ぬかがあればぬかを入れて、ないときは米のとぎ汁、または米をひとつかみ入れてゆでています。
包丁が入らないときには無理に切ることなく、皮をむいただけでゆでますが、切ったほうがゆで上がりも早く、アクが抜けやすいようです。今日のたけのこはスッと半分に切れて、ゆでる前から柔らかさが伝わってきました。ゆで上がったら、そのままゆで汁の中でさまして、わたしは一晩そのままにして翌日にきれいに洗って水につけてまた一晩おきます。なので、今回はゆでている鍋の中だけしか写真をお届けできませんが、また次回にでもどう食したか報告しますね。
それにしても山盛りのたけのこの皮。毎回これの使いみちはないものかと、しばし皮を見つめてしまう。食べられればいいのにね。
さてさて、今回のメイン食材はまったく季節に関係ない、旬もないですが、地元の牛肉を焼いて食べました。ときどき無性に食べたくなる牛ステーキ。レアで焼いて、シンプルに塩、こしょう、マスタードつけて食べるのが好きです。
お客さまのときに炭で焼いたりして食べることはありますが、ふだんの献立ではあまりステーキを焼きことはなく、でもときどき血が滴るような肉が食べたいと思う日があるんです。なんでしょうね、血が騒ぐ日なんでしょうか。理由はわかりません。ですが、食べたいものがあるってとてもいいことだと思うので、欲求に素直に従うことにしています。
オーブン焼きにしたいがために、細めのにんじんを探すこともあるくらい。もちろん太い立派なにんじんでもできます。焼き時間がかかるので、細めで焼くようにしているだけなんです。多めにこんがり焼いておいて、すぐに食べない分は切ってスープやサラダに入れたりもします。まるごと焼くことで、にんじんの糖分がキャラメル状になって、甘みと香ばしさを味わえます。
葉つきのにんじんの葉はスープの具にしたり、生のまま刻んでパセリの代わりにサラダのトッピングに。天ぷらにしてもおいしいから、葉は捨てずにぬらしたペーパーに包んでポリ袋に入れて冷蔵庫に入れておきます。
ご飯はもち麦入りの炊きたてご飯を添えました。今日は炊飯器まかせ。買い物の間に炊き上がるようにセットして出かけましたよ。先月新しい炊飯器の使い方に苦戦していると書きました。やっと水加減や浸水の時間など、好みのものが見つかって、鍋炊きと炊飯器炊きを使い分けて便利にしています。今日のように買い物して料理している間に炊き上がるってうれしいかぎり。頼りになる道具が増えました。
冷たい雨降る4月のスタート。3月には暑くてエアコンをつける日もあったのにね。もう一度春がやってきますようにと願います。
飛田和緒(ひだかずを)
料理家。神奈川県・三浦半島に夫・娘と住みはじめてから18年になる。海辺暮らしならではの魚料理や、地元の食材を使ったシンプルな野菜レシピが人気。繰り返し作りたくなる常備菜は、幅広い層から支持されている。お弁当や朝ごはんの記録をつづったインスタグラム(@hida_kazuo)も話題。著書に『いちばんおいしい野菜の食べ方』(小社)など。
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文・写真/飛田和緒 撮影/大森忠明(バナー、プロフィール画像)
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