
2019.06.16
最新号の特集担当が、おのれの舌をしびれさせたレシピをガチで推す! その偏愛っぷりと共にぜひお試しを。
忙しい日や自炊一年生の強い味方、電子レンジで作る「レンチンミートソース」。令和元年のいま、斬新〜! とまでは驚かれない料理ですが、レンチンミートソースがここまで一般的になるまでには長く険しい道のりがありました。今回は涙なくして語れない、料理家・小田真規子先生の『レンチンミートソース物語』をお届けします。ハンカチをご用意してお読みください。
さかのぼること十数年前。オレンジページから小田先生へ電子レンジのレシピを作ってほしいというオーダーが。「できるかわかりません!」とは言えず「やります!」と即答。企画が動きだしてしまったそう(涙)。照り焼き、肉じゃが、チンジャオロウスー、となんとかクリアしていくなかでミートソースに出会います。
まずはすべての材料を混ぜて加熱。火が通っていないところ、反対に焦げてしまっているところと加熱むらができてしまい失敗。ラップをぴっちりかけたり、ふんわりかけたり。ボールではなく平皿で試したり、加熱後放置したり……とあらゆる手を尽くしましたが、なかなかうまくいきません。
あらためて、小田先生は食材へ熱がどう伝わっていくのかに着目。肉だねは火が通りやすいようボールに薄くはりつけ、ソースは中央に、と分けて入れたところ、見事むらのないおいしいミートソースが完成! さらに(1)加熱時間は15分以内、(2)途中で混ぜることなく加熱1回で作る、と自らルールを課し、最終的にそれらもすべてクリアしたのでした。
▼材料(作りやすい分量)
〈肉だね〉
┏ 合いびき肉 200g
┣ 玉ねぎのみじん切り 1/4個分(約50g)
┣ にんじんのみじん切り 1/3本分(約50g)
┣ ベーコン 1枚
┗ 小麦粉 大さじ2
〈トマトソース〉
┏ トマトジュース(食塩不使用) 2/3カップ
┣ トマトケチャップ 大さじ2
┣ 中濃ソース 大さじ1
┗ 塩 小さじ1/4
下準備
・ベーコンは幅5mmに切る。
・トマトソースの材料を混ぜる。
(1)肉だねをはりつけ、レンチンする
口径20cmの耐熱のボールに肉だねの材料を入れてよく混ぜる。スプーンの背で広げながら厚さ1cmほどになるようにボールにはりつける。中央にトマトソースを入れ、ラップをかけずに電子レンジ(600W)で6〜7分加熱する。
(2)温かいうちによく混ぜる
すぐにスプーンでひき肉をくずしながら(やけどに注意)、全体がなじむまで1分ほどよく混ぜる。ゆでたパスタなどにかけていただく。
加熱後あつあつの状態で混ぜないと、肉がほぐれにくくなるのでご注意を。加熱前から加熱後まで計算しつくされた小田先生のミートソース、ぜひ試して感動を味わってください。
料理/小田真規子 撮影/鈴木泰介 文/編集部・小林
(『オレンジページ』7/2号より)
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