
このたび、家庭料理と向き合ってきた4つの雑誌の編集長が一堂に集結! そこで語り合ったテーマは、
「持続可能なごはんづくり」。果たして4誌はそれぞれ、どんなアプローチでそれを形にしようとしたのでしょうか?ここでは対談の模様をちょっぴりご紹介。詳しくはそれぞれの雑誌・WEBサイトをチェックしてみてください!
SDGsも料理でとらえれば、ぐっと身近なものに
郡司: 今回、料理家の上田淳子さんの発案で、4誌合同企画なるものが生まれましたが……。統一のテーマを何にするか話し合い、ニュースでも話題の
〈SDGs〉になりました。
大橋: われわれらしい〈持続可能〉というと、
料理は切り離せませんよね。
松田: 自分も、家族もうれしくて、
暮らしに密着した持続可能な料理……。まさに今の気分にぴったりです。
米村: 『NHKきょうの料理ビギナーズ』が考えたのが、料理をするたびに少しずつ残って、廃棄してしまうこともある
ハンパ野菜の活用法でした。
松田: ゴミを減らして上手に食べきる、SDGsな暮らし方の一つですね。『オレンジページ』が注目したのは、
フードロス削減と、精神的な面での持続可能です。料理は家族の健康と幸せを支える大切なものだけど、作る側の心身がいつも100%なわけではありません。ラクができて、私も家族もみんなうれしい、という点がポイントのレシピ提案。決して手抜きとは言わせません(笑)。
郡司: 『クロワッサン』では、日々考えることがおっくうになる
「献立」から一回離れてみようと考えました。料理はこうあらねば、という固定観念をはずして、作る人の負担をできるだけ減らせるアイディアを紹介しています。
大橋: 作る人がつねに妻である、ということも変えていきたいですね。『ESSE』の読者アンケートでは、「夫や子どもに家事を手伝ってほしい」という人が8割いました。でも、「夫も子どももまったくしない」家庭が3割、やってはくれるけど気が向いたとき、という答えも多く、ここをなんとかせねば、と企画を考えました。料理をむずかしく考えず楽しんでできる、おいしくできる、そんなレシピが必要です。
読者のニーズを深掘りし、雑誌らしい切り口で発信
大橋: 料理を作る男性は増えましたし、コロナ禍の影響で家での過ごし方や家事分担の考えも変わってきましたが、
レシピにも時代の影響が強く出ますよね。
米村: そうですね。個食が増えている影響からか、『ビギナーズ』で最近いちばんヒットしたのが
1人分レシピの企画でした。
松田: 一方で、年末発売号のおせち料理の企画は根強い人気があるんですよ。一年じゅうていねいな暮らしはできなくても、要所を押さえ、ほどよくきちんと暮らしたい、という気持ちが読者の根底にありますね。
米村: 欲しい情報やレシピは、ネットですぐ見つかる世の中。でも「こういうことが知りたかったんだ」という
潜在的な欲求にこたえられる企画をつくれるのは、雑誌ならでは……。今後もお互い競い合い、そんな企画をつくっていきたいですね。
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