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お店顔負けの味! 料理編集者・宮川の「生たらこスパゲティ」レシピ

2021.03.15

オレンジページのベテラン編集者たち

入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。

生たらこスパゲティ

vol.23

入社28年目〈人が喜ぶため〉に料理をしている宮川の場合
『和風パスタ専門店直伝! 生たらこスパゲティ』

 

おうちごはんは常々パスタの私。なかでも、登場回数ナンバーワンといえるのが「たらこスパゲティ」。少ない材料で、ものの十分で完成、調理道具は鍋だけという手軽さなのに、味はお店顔負けという、自慢の一品でもあります。

「たらこスパゲティ」を初めて食べたのは、以前ご紹介したナポリタンと同じく、下校途中に寄り道していた喫茶店で、でした。当時、スパゲティのメニューはナポリタンかたらこかの二択で、具は共通して玉ねぎ、マッシュルーム、ピーマンを使用。調理工程もいっしょで、最後に加えるのがケチャップかたらこか、の違いだったように思います。そのため、たらこは火が入ってボソボソとするのですが、なんだかあとを引くおいしさで、今でも時折食べたくなる「懐かし味」となっています。

今主流の「生タイプ」のたらこスパゲティに出会ったのは、大学時代。友人が「すごくおいしいスパゲティ屋さんがあるの」と連れて行ってくれた、東京・西新宿にある老舗のパスタ屋さんで、でした。一番人気という「タラコスパゲッティ」を注文し、昔ながらの姿を想像しながら待っていたところ、サラダボールのような器に入った、具が見当たらない、混ぜている途中のような姿で登場。なにこれ、全然イメージが違うなぁ、と思いながら食べてみると、生の状態に近い、しっとりとしたたらこと、こっくりとしたバターの組み合わせのおいしさにびっくり。「なるほど、スパゲティにたらことバターを混ぜればいいんだ、簡単そう」と、うちで再現を試みたものの、何度作っても食感が悪く、味も決まらずで、「生タイプのたらこスパゲティはお店で食べるもの」とあきらめていました。

ところが、オレンジページに入社して三年目のとき。たらこスパゲティ発祥のお店として有名な、和風パスタ店を取材するという幸運に恵まれました。レシピは門外不出であろうと、「おいしく作るコツだけ、教えていただけますか」とお願いしたところ、「ぜひやってみてよ」と、紙ナプキンに材料と分量をささっと書いてくださり、作り方やかくし味に至るまで、惜しげもなく公開してくださいました。たらこスパゲティのおいしさもさることながら、「太っ腹」なシェフのやさしさに大感激。

教えていただいたポイントは三つ。
〇スパゲティに味がまんべんなくいきわたるように、バターは室温にもどすこと。
〇なめらかな食感に仕上げるために、スパゲティは器の中で混ぜること。
〇かくし味に、粉末昆布を加えること。

ただし粉末昆布は、お店で特別に取り寄せているものとのことで、「家庭では、昆布茶を使うといいよ」とのうれしいアドバイス。試してみると、味に深みが出て、お店の味に一歩近づいたようなおいしさに。今でも欠かせない材料となっています。

いつもは目分量で作っていますが、今回はレシピにしてご紹介。まだしばらくステイホーム期間が続きそうですが、この「たらこスパゲティ」で、おうちにいながら、お店風の味わいを楽しんでいただけたらうれしいです。

 
  • たらこ、バター、粉末昆布

    スパゲティ以外の材料はたらこ、バター、そして粉末昆布。たったこれだけで、お店風のたらこスパゲティが完成! 粉末昆布は、以前「ミートソース」の回でご紹介した糀屋本店さんの、粉末糀入りのもの。さらに味にぐぐぐっと深みが増します。たらこは明太子に替えたり、塩辛にするのもおすすめです

  • たらこスパゲティの味つけは昆布茶やお茶漬けの素でもおいしい

    粉末昆布がない場合は、シェフに教わった昆布茶でもおいしくできます。また最近、お茶漬けの素でも代用できることを発見。昆布粉が入っているので、同じようにうま味が出る上、のりの風味とあられの食感がトッピング代わりにもなります。

オレぺの中の人のうちごはんレシピ

『和風パスタ専門店直伝! 生たらこスパゲティ』

生たらこスパゲティ

材料(1人分)

  • スパゲティ 80g
  • たらこ 1/2はら(約40g)
  • A
  • ・バター(室温に戻したもの) 大さじ1と1/2
  • ・粉末昆布(または昆布茶) 小さじ1/2
  • 塩 こしょう

作り方

  1. スパゲティは袋の表示時間通りにゆではじめる。
  2. 器(深さのあるもの)にたらことAの材料を入れ、フォークでたらこの身をほぐしながらよく混ぜ合わせる(たらこの薄皮が好きなのであえて残しますが、気になる方は取り除いてください)。●20年以上使用している、お店を真似て買った器。木製なのでさめにくい、深さがあるので混ぜやすいなど、サラダボールを使うアイディアを思いついたお店はすごい、と改めて感じました。
  3. スパゲティがゆで上がったらゆで汁をきる(ゆで汁はきりすぎないことがポイント。少し水けが残っていたほうが混ぜやすく、しっとりと仕上がります)。2の器に加え、手早く混ぜる(たらことバターの塩分だけで十分ですが、味をみて、塩、こしょう各少々で整えても)。

黒豆納豆を入れた生たらこスパゲティ最初はシンプルに、途中で納豆(写真は黒豆納豆。ちょっと堅めの歯ごたえが好みです)、卵、粉チーズなどをかけて「味変」するのも楽しいもの。ほかにものり、いかそうめん、アボカドなどもおすすめです。

宮川京子
Editor No.03 宮川京子(通称・ミヤカワさん)
神奈川県横浜市出身。大学卒業後、1992年に「ただただ料理が好き」という志望動機でオレンジページに入社。出版社の業務形態などをまったく知らず「オレンジページに入れば、自分で料理を作って写真を撮ってレシピが書ける」と思い込み、後にそうではない事実を知る。戸惑いのスタートから早28年。料理本担当一筋の日々で、常に頭のなかは食べることと作ることで埋め尽くされている。

宮川のうちごはんレシピ、
こちらにもあります。

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