

入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。

vol.24
入社28年目 独身生活満喫中の福島の場合
『ふきのとうドレッシング』
今の時代、たいていの野菜は通年手に入り、あんまり旬を強く感じることもなくなってきてますが、春野菜だけは別。生のたけのこや菜の花、わらび、たらの芽、うど、ふきのとう……、今の時期にしか味わえないと思うと、つい手にとってしまいます。ということで、ゆり根に続いて季節限定もので恐縮ですが、今回は「ふきのとうドレッシング」です。
ふきのとうは、春野菜ならではの苦みがしっかり感じられるところが好きで、この季節になるとよく買うんですが、やっぱり、そのつどアク抜きして……というのがめんどうなところもあり、まとめて作っておける保存食的なものにすることが多いです。「ふきみそ」は定番ですが、それに加えて、数年前からよく作るようになったのが、このドレッシング。作り始めたきっかけはよく覚えてないんですが、たぶん、思いつきでやってみたら意外においしくて、それ以来って感じな気がします。
ふきみそって味がしっかりしていて主張が強いんだけど、このドレッシングはあっさりしていて、そのぶん、いろんな料理に使えるところがお気に入り。刺身にかければカルパッチョになるし、揚げ物にかけても◎。パスタにからめてもおいしいし、バゲットにのせれば、ワインのおつまみにもなります。ドレッシングといいつつ、ほとんどふきのとうなので、そのまま酒のつまみとして食べることも。保存食的に、といいながら、なんだかんだであっという間に食べきっちゃって、またすぐ作ることになるんですよね(笑)。
今回は、焼いたさわらにかけ、菜の花のマスタードあえを添えて、春の素材オンパレードにしてみました。
ふきのとうは刻んでから水にさらしてアク抜きします。具感を残したいので、わりと粗めに刻みます。もっと粗く刻むことも。
こちらがドレッシングの完成形。びんにつめて冷蔵庫で保存してます。見ての通り、ドレッシングというよりは、もはやオイル漬け(笑)。でも、この「ふきのとうを食べてる感」が、いいんです。1回にけっこうたっぷり使っちゃうので、3回くらいでなくなってしまいます。
オレぺの中の人のうちごはんレシピ
『ふきのとうドレッシング』

材料(作りやすい分量)
- ふきのとう 100g
- にんにくのみじん切り 1かけ分
- 白ワインビネガー 大さじ3
- サラダ油 塩 砂糖 オリーブオイル
- 今回は、さわらのソテーに大さじ2ほどをかけました。
作り方
- ふきのとうは外側の皮を1枚はずし、根元を切って粗く刻む。切ったそばから水にさらし、一度水を替えて、30分ほどアク抜きをする。ざるに上げ、しっかりと水けをきる⇒僕はだいたい5mm角くらいを目安に刻んでますが、好みでもっと大きくても、細かくてもよいと思います。
- フライパンにサラダ油大さじ3とにんにくを入れ、弱火にかける。香りが立つまでじっくり炒め、ふきのとうを加えて中火にする。しんなりとするまで3分ほど炒め、塩小さじ1/2、砂糖ひとつまみを加えて混ぜ、火を止める。白ワンビネガーと、オリーブオイル大さじ3を加えて混ぜ、粗熱がとれたらびんに移す。完全にさめたら、ふたをして冷蔵庫へ。⇒油は全量オリーブオイルにすると冷やしたときに固まってしまうので、1/2量だけにしています。これをごま油にすると、また違った味わいのドレッシングになりますよ。その場合は塩をしょうゆ小さじ1~2にするのもアリです。

- Editor No.04 福島耕一(通称・フック)
- 大阪府高石市出身。1992年オレンジページ入社。子どもの頃から料理好き。大学時代の一人暮らしで『オレンジページ』に出会い、出版志望ではなかったのに、料理に関わる仕事がしたいとの思いから入社。週末は人が家に集まり、料理をふるまうことも多い。独身。
福島のうちごはんレシピ、
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