入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者4人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。
本連載のタイトル「オレぺの中の人ってなに食べてるの?」と問われれば、私の答えは「四六時中『パスタ』」です。
私が小学校のとき、母が作ってくれるスパゲティといえば「貝スパゲティ」(あさりの水煮をにんにく、サラダ油で炒めて缶汁を加え、スパゲティをからめて塩、こしょうしたシンプルなもの。今では私の「母の味」のひとつ)で、当時は世の中のスパゲティは貝スパゲティ一択だと思っていました。
中学に入り、下校途中にこっそり寄り道して入った喫茶店で初めて食べた『ナポリタン』に衝撃を受け、「こんなスパゲティもあるの!? なんておいしいのだろう」と感動(と同時に、初めて飲んだ『クリームソーダ』の味にも感激)。料理好きが高じ、それからは見ようみまねで作り方を研究する日々でした。トマトケチャップが足りなくてパサパサしたり、逆に多すぎてべとべとしたり。お小遣いを握りしめて喫茶店に行き、味を確かめてまた試作、となかなかの気合いの入りようでした。
時代が進み、スパゲティの種類も増え、いつしか「パスタ」と呼ばれて、ありとあらゆるメニューが味わえる今。うちでは週に数回、スパゲティ&パスタを作っていますが、定期的に食べたくなるのはやっぱり『ナポリタン』。三十数年作り続けて今に至る、私の『ナポリタン』のレシピをご紹介します。
スパゲティ好きを公言していたころ、「毎日きまぐれスパゲティ」という本を出版する機会に恵まれました(現在は販売終了)。自分でレシピ考案、料理製作をした渾身の一冊は、一生の宝物です。
うちのパスタコレクションの一部。スパゲティ好きを知っている友人たちからの贈り物もたくさん。珍しい種類もあって、「今日はどれを使おうかな~」とわくわくします。
……そして最後は背徳の「ナポリタン オン・ザ・ライス」。ご飯がケチャップライスのようになって、麺も不思議とおかず化して、じつに美味なのである。
オレぺのレシピを世に送り出しつづけているベテラン料理編集者4人が、これまで出会ったレシピの中から好きなもの、忘れられないものを自ら作って、撮って、語ります。
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