

入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者4人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。

vol.04
入社28年目 独身生活満喫中の福島の場合
『ほぼ野菜。ふわとろお好み焼き』
人からはあまりそう見られないんですが、じつは大阪出身です。まったくおもしろいことは言えないし、そもそも言葉が完全に標準語になってしまっているし、「大阪出身です」っていうと、驚かれること百パーセント!(笑) 「地元を捨てた人」なんて言われることもありますが、いやいや。断じてそんなことはありません。大阪、大好きです! 特に大阪の「食」には深~~く愛情と敬意を持っております。
大阪の食って、よく「粉もの文化」だといわれ、その代表選手的な存在ともいえるのが、お好み焼きですよね。でも、個人的にはこれ、ちょっと違和感があるんですよ。確かに粉は入っているけど、じつは大阪のお好み焼きって生地はつなぎ程度で、ほぼキャベツ。主役は粉じゃない! というのが僕の持論です(大阪の人なら共感してもらえるかたも多いはず・・・・・・)。なので、自分で作るときは、粉はほとんど使いません。生地はやまといもをベースに、+キャベツ。小麦粉は大さじ1くらい。 つまり、ほぼ野菜でできているのが大阪のお好み焼き! 「粉もの」というより「野菜料理」って言っても過言ではないんじゃないかと思ってます(いや、ちょっと言いすぎか、笑)。そして、焼くときにも大事な鉄則が。「広げない! 押さえない!」。とにかくこれが大事。ふわっと柔らかく焼くための、大事なポイントです。ちなみにフライパンは二十センチ以上のものであれば、どのサイズでも大丈夫です。
思い返せば大学入学当初、初めて東京で食べたお好み焼きが生地感が強く、子どものころから食べていたものとは別モノだと感じたのを思い出します。以来、お好み焼きは自分で作って楽しむものになりました。今日も、レモンサワーとともに、いただきます!
生地は広げず、厚みを出すほうがふんわり焼き上がります。広げない、押さえない、が大事。
キャベツたっぷり! の切り口。生地はふんわり、キャベツはほどよく歯ざわりが残ってます。
オレぺの中の人のうちごはんレシピ
『ほぼ野菜。ふわとろお好み焼き』

材料(ちょっと大きめ1枚分)
- キャベツの葉 3枚(約150g)
- 豚バラ薄切り肉 50g
- 【生地】
- ・やまといものすりおろし 50g
- ・小麦粉 大さじ1
- ・和風だしの素(顆粒) 小さじ1/2
- ・塩 少々
- 卵 1個
- 揚げだま 大さじ2
- 紅しょうがの粗いみじん切り 小さじ2
- あさつきの小口切り、削り節、青のり、仕上げ用の紅しょうが 各適宜
- お好み焼きソース マヨネーズ サラダ油
作り方
- キャベツは、しんも含めて粗く刻む。豚肉は長さを2~3等分に切る。ボールに生地の材料を混ぜる。
⇒キャベツは細かくしすぎないほうが食感が残って◎! 「短めの細切り」くらいのイメージ。 - 生地のボールにキャベツ、揚げだま、紅しょうが、卵を入れ、空気を含ませるようにふんわりと混ぜる。ぐるぐるかき回さず、底から返すように混ぜるのがポイント。
- フライパンにサラダ油小さじ2くらいを中火で熱し、たねを流し入れる。厚みが出るようにフライ返しなどで縁を立ち上げながら円形に整え、豚肉を全体に広げてのせ、やや火を弱めて5~6分焼く。焼いている間も厚みを出すようにまわりを整える。
⇒生地はフライパンの真ん中に落とし入れると自然に広がるので、それ以上広げなくてOK! - 裏返してふたをし、5~6分焼く。このときも押さえないのが鉄則。ふたを取って再び裏返し、3分ほど焼く。お好み焼きソース、マヨネーズを好みの量かけ、削り節、青のりをふる。あさつきを散らし、仕上げ用の紅しょうがをのせる。

- Editor No.04 福島耕一(通称・フック)
- 大阪府高石市出身。1992年オレンジページ入社。子どもの頃から料理好き。大学時代の一人暮らしで『オレンジページ』に出会い、出版志望ではなかったのに、料理に関わる仕事がしたいとの思いから入社。週末は人が家に集まり、料理をふるまうことも多い。独身。
福島のうちごはんレシピ、
こちらにもあります。
〜電子版限定〜
オレぺの中の人のうちの味・好きな味
検索できないレシピ 和食・おやつ
オレぺのレシピを世に送り出しつづけているベテラン料理編集者4人が、これまで出会ったレシピの中から好きなもの、忘れられないものを自ら作って、撮って、語ります。
各電子書籍ストアにて好評配信中!