『オレンジページ』でおなじみの料理家さんにご登場いただき、これまでに発表した中でも「我ながらこれは傑作!」、「これはプライベートでもよく作る」というご自慢のレシピについて語っていただくこの企画。ワタナベマキさんにお話をうかがう2回目は『揚げなすのじゃこ炒め』です。揚げなすをめぐって、おいしい話が飛び出しました。
前回のお話:祖母・母・3代作るうちの定番。梅の保存食 『梅びしお』【ワタナベマキさんの傑作】
今回の傑作レシピ
『揚げなすのじゃこがらめ』
じゃこが揚げなすのアクセントに
「なすはやっぱり、
揚げるのが大好き!」というマキさん。
なすが旬を迎える時期になると、ひんぱんに食卓に上るそう。定番に+αの工夫をこらした『揚げなすのじゃこがらめ』は、2017年夏の『オレンジページcooking』でご紹介いただいたレシピです。
「これはもう、普段から家でよく作っている常備菜。
冷めてもおいしいので、家族のお弁当にもよく入れています。カリカリに炒めた甘辛いじゃこを揚げなすにからめることで、ちょっとしたアクセントになるんですよ」
揚げなすそのままよりさらにボリューム感が出るので、食べ盛りの男子も大満足。
揚げ油に少しごま油を加えることで、香りもぐんとアップして、お弁当箱のふたを開けたときに気分が上がることうけあいです。
揚げなすにも、やっぱり梅!
揚げなす+αの常備菜で、もう1つよく作るというのが
『揚げなすの梅びたし』。
梅を愛する彼女らしい(前回の
『梅びしお』参照)、さわやかな一品です。
「梅干しをほぐして加えただし汁に、揚げなすを5分から10分ほど漬けおいて、汁をたっぷりと含ませます。味つけに使うのは、もちろん自分で漬けた梅干しです」
『揚げなすの梅びたし』
「揚げなすを作ったら、こんなふうに何かをからめたり、ひたしたりして常備菜にすることが多いですね。じゃこがらめと梅びたしは、本当によく作っているツートップです」
どちらも、冷蔵庫で1週間ほど保存がきくのもうれしいところ。
なすを5個使っているので、揚げなすの魅力を心ゆくまで堪能できます。夏のランチにも大活躍!
「初めの2日ぐらいは普通にご飯に合わせて食べて、その後は麺にのせるなどして楽しんでいます」
揚げなすの他にも、おいしさいろいろ
揚げなすの他にも、なすのおいしい話が止まらないマキさん。誌面では、なすが主役のカレーを披露していただいたこともありました。
『なすたっぷりカレー』
「いつもは乱切りが多いんですが、この時は切り方をちょっと変えていますね」
厚めの輪切りが、なすの存在感を際立たせます。
最近、個人的に気に入っている、なすの食べ方があるというマキさん。
「縦半分に切って、そのままオーブンで焼くんです。120℃で12~13分かなあ。そうすると中がトロトロになるので、スプーンですくっていただきます。味つけはオイルと塩だけ。このシンプルさがいいんですよ」
今年もめぐって来た、なすのシーズン。マキさんレシピでどんどん作ってどんどん食べて、なすの魅力にハマってみませんか?
ワタナベ マキさん
グラフィックデザイナーを経て料理家に。旬の素材を大切にした季節感のある料理や、アイディアあふれる保存食が人気。高校3年生の息子の母でもある。著書に『日本の一年、節目の一皿:二十四節気七十二候+行事いろいろ-食で季節を愛でる-』(小学館)ほか。