レジェンド料理家・城戸崎愛さんの『欧風チキンカレー』編集者が30年作り続けるレシピ
『オレンジページ』は今年創刊40周年。誌面で紹介された数万点以上(!)のレシピのなかから、歴代の編集者40名が「リアルに作り続けるレシピ」を、リレーブログで紹介します。
>>前回/豆腐×ひき肉なのにごちそう見え。絶対褒められる『はさみ煮』レシピ/大庭英子さん
今回紹介するのは、『オレンジページ』歴33年のふっく。駆け出し時代から30年、思い出とともに作り続けているカレーとは?
家でもここまでできる! 衝撃を受けた本格カレー
30年近く前、まだ駆け出しの編集者だった頃、担当していた城戸崎愛先生の連載で紹介したレシピです。
僕にとって“手作りカレー”といえば、子どもの頃に母が作ってくれた、カレー粉と小麦粉で作る昔ながらの「ザ・日本のカレー」。そして、小学生のころから自分で作るようになった市販ルウのカレー。
そんななかで出会ったのが、城戸崎先生が若いころ東京會舘クッキングスクールで学ばれたという、王道の欧風カレーでした。このカレーを初めて口にしたとき、家庭でもこんなに本格的な味が作れるのかと、衝撃を受けたのを今でも覚えています。
それ以来、いろんなタイプのカレーを作ってきましたが、やっぱりふと食べたくなるのはこの味。気づけば、今でも何度も繰り返し作り続けている、僕の原点のようなレシピです。
あめ色になるまでじっくり炒めた玉ねぎと風味満点のカレー粉で作る味は、こくがたっぷりの格別なおいしさ。
『チキンカレー』のレシピ

材料(4人分)
鶏胸肉……2枚
鶏もも肉……2枚
玉ねぎ……2個
にんにく……1かけ
しょうが……1かけ
固形スープの素……1個
カレー粉……大さじ2と1/2
小麦粉……大さじ3
あればローリエ……2枚
りんご……1/2個
ご飯……適宜
サラダ油……大さじ4
トマトケチャップ……大さじ1
塩……少々
こしょう……少々
バター……大さじ2
作り方
(1)玉ねぎは皮をむいて半分に切り、縦に薄切りにする。しょうがは皮をむき、にんにくとともにみじん切りにする。
(2)鍋にサラダ油大さじ3を強火で熱し、玉ねぎを入れて炒める。しんなりとしてきたら中火にし、にんにくとしょうがを加える。火を弱め、木べらでときどき混ぜながら、30~40分じっくりと炒める。混ぜすぎず、フライパンの底やまわりについた焦げをこそげて、からめるように炒めるのがコツ。
(3)別の鍋に水4カップを沸かし、固形スープの素を溶かして弱火にかけておく。
(4)玉ねぎが濃いあめ色になったら、カレー粉大さじ1と1/2をふり入れる。木べらで混ぜながら玉ねぎにからめ、香りが立つまで1分ほど炒める。長く炒めすぎると、苦くなるので気をつけて。
(5)小麦粉大さじ3をふり入れ、木べらで混ぜてなじませる。焦げ茶色のカレールウの素のでき上がり。
(6)温かいスープを、少しずつ加えてのばす。一度に加えると、だまになったり、とろみがつかなくなるので、おたま1杯分くらいずつ加えて。スープを入れたら、そのつど木べらでよく混ぜながら、ルウの素となじませる。スープをすべて加え、あればローリエを加えて強火で煮る。煮立ったら弱火にし、アクをていねいにすくい取る。
(7)10分ほど煮て、少し煮つまった感じになったら、トマトケチャップ大さじ1を加える。
(8)さらに5分ほど煮たら、皮をむいたりんごをすりおろしながら、鍋に加えていく。さらに15~20分弱火で煮込む。
(9)鶏肉は、一枚を3つ~4つのぶつ切りにし、バットに並べて、塩、こしょう各少々と、カレー粉大さじ1をふって、手でよくもみ込む。
(10)フライパンにサラダ油大さじ1を入れて中火で熱し、鶏肉を入れる。菜箸で返しながら、両面をこんがりときつね色になるまで焼く。あとで煮込むので、表面に焼き色がつけばOK。
(11)鶏肉をカレーの鍋に加える。フライパンの油を捨てて水大さじ2~3を加え、中火で半量になるまで煮つめて、カレーの鍋に加える。中火で、焦げないようにときどきかき混ぜながら20~30分煮込む。味をみて塩、こしょう各少々を加え、バター大さじ2を加えてすぐに火を止める。器にカレーを盛り、好みでバター少々をのせる。別の皿にご飯を盛って添える。
オレンジページ経営戦略室マーケティングチーム・ふっく
料理は食べるのも作るのも大好き。好きなメニューをいろんなお店をめぐって食べ比べ、マイベストを探し続けるのが楽しみ。うさぎ占いはレッキス。


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料理/城戸崎 愛 撮影・文/オレンジページ・ふっく




















『チキンカレー』を作り続けるワケ
【その1】 シンプルな材料で、味わいは本格派。
味わいは本格的なのに、材料がシンプルなところ。また、時間はかかるけれど手間はそれほど多くないところも推しポイントです。最初に玉ねぎをじっくり炒めるところだけは手を抜けませんが、そこを越えれば、あとはほぼ、時間がおいしくしてくれます。
【その2】 鶏ももでも、手羽元でも◎
元のレシピでは鶏もも肉と鶏胸肉ですが、僕は鶏もも肉だけで作ったり、手羽元で作ったりします。肉が変わることで、またそれぞれ違ったおいしさになるところもうれしい!