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ウェルビーイング100 by オレンジページ
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【ウェルビーイングについて聞いてみた!vol.2 あいおいニッセイ同和インシュアランスサービス】

ウェルビーイング100 by オレンジページ

今年4月に「ウェルビーイング推進部」を立ち上げて、全社的に独自の健康経営・ビジネスモデルづくりに取り組んでいるあいおいニッセイ同和インシュアランスサービス株式会社。
前半では社長の世羅憲章さんの、17年前に掲げられた理念とウェルビーイングへの具体的な活動についてお聞きしました。そして後半で伺ったお話は、社員の変化や、変わっていくニーズに答えられるように着々と進めている準備など。
世羅社長のお話は、思わず聞き入ってしまう、すとんと腹落ちする魅力があって、社員が「自慢の社長」と呼ぶ理由がとてもよくわかるものでした。

前編はこちらから

聞き手:「ウェルビーイング100byオレンジページ」編集部
https://www.wellbeing100.jp/

文/中村 円
撮影/登 万里子

世羅憲章社長プロフィール
あいおいニッセイ同和インシュアランスサービス株式会社代表取締役社長
1989年千代田火災(現あいおいニッセイ同和損保)入社。あいおいニッセイ同和損保執行役員営業統括部長を経て、2023年4月より代表取締役社長。

社員から寄せられる「ありがとうの声」レポートは
誰かが日々心を働かせている物語

WB100:ウェルビーイング推進部の開設から数か月。すでにこうした反応が届いているのは早い! と思うのですが、「ここが変わった」という点と、「これはうまくいかないかな」ということがあれば教えてください。

世羅:今、採用と社員教育に力を入れているのですが、保険代理店の仕事というと、ノルマとか、飛込みとか、あまりいいイメージを持っていない方も多いです。でも、そうではない。つまりね、すでに「お客さまはいる」んです。そのお客さまにとっての安心、安全を提案していくのが私たちの仕事です。
採用では応募された方に「本当のありがとうを頂く仕事です」と言っていて、その思いに共感して、志を持ってくれる方に入社していただきたいと思っています。このウェルビーイングの部署ができる前は、採用は現場任せ、支店長任せにしていましたが、今は本社も関わるようになりました。全社的な施策は、いろいろ準備を進めているところです。

WB100:「ありがとうの声」というレポートも、その施策の一つなのではと思います。こういう、可視化されたものがあるというのは働く立場からするととても嬉しいことです。「ありがとうの声」を読んでみたいです!

世羅:たとえば、私たちはお客さまから保険料をお預かりして、その手数料が収益となっているわけですが、自動車保険でお客さまの年齢によって保険料が安くなるタイプのものがあります。でも、なかなか自分の契約のことは忘れてしまいますよね。だからお客さまのお誕生日を覚えておいて、お電話をして「お誕生日が過ぎたら、今度はこういう契約にするといいですよ」と提案したらめちゃくちゃ喜んでいただいたとかね。
たとえ収益が減ってもお客さまのことを思ってそんなことができる社員がいて、われわれ管理職もそういう報告を聞いて「いいね!」と言ってあげているのがすごく良いと思っています。

WB100:客の立場だったらとてもありがたいです。

世羅:数字の成果面では「何やってんの?」っていうことになりかねないですが(笑)。でも、長い目で見れば信頼を得て成果に繋がっていくと思いますし、逆に保険料は高くなったけれど、しっかりと説明をしてもらった、安心できる保障ができたと感謝されるケースもあります。
2024年1月の能登の地震の時の話です。その地震の前に、あるお客さまが当地で火災保険に加入されたときに、担当社員はハザードマップを持参して、災害リスクのご説明をして、地震保険のご提案もしていたんです。お客さまのお宅は鉄筋コンクリートで、「うちは大丈夫だと思うけど」ということだったのですが、お勧めする理由を丁寧にご説明して納得していただき、地震保険にも加入いただいた。そして、不幸なことにあの地震が起きてしまったんです。保険を勧めた社員はあの1月1日、出かけるはずだったプライベートの旅行をキャンセルしてお客さまのところに飛んで行き、すぐに手続きをして保険金をお支払いし、とても感謝されました。

WB100:その社員の方の行動は義務というよりはとても自発的な動機に動かされていると感じます。いつ何が起こるかわからない、という意識で用意している……大変な業界ですね。「ありがとう」が生まれやすい土壌とも言えるかもしれませんが。

世羅:「ありがとう」もありますが、お叱りを受けることもありますよ。

「クローバーNews」。社員の報告が寄せられる。

モノを売るのではなく、人をつなぐ仕事。
AIを超え「人として」目の前の人に何ができるかを考えていきたいです(世羅社長)

WB100:3Kの目標を立てられてから、体調を壊されて健康第一という気づきがあり、4Kに※…というあたりに、ウェルビーイングを体現されたストーリーを感じるのですが、69拠点、1000人以上の社員の皆さんには、世羅社長のこのストーリーは伝わっているんですか?

※世羅社長が17年前に初めて考えたのが「個性・感性/協力・感謝/結果・価値」の3K、それに現在は「健康」が加わって4Kとなった。

世羅:そういう話はしてこなかったですね(笑)。

WB100:このストーリーを社員の皆さんに伝えることが、経営の軸にあるのではと思ってしまいます。保険というと旧来は「誰々さんに入ってと頼まれたから」といったように、個人的つながりだけで入っちゃいがちなんですけど、「人のため、社会のためにいいことをしよう」、「皆さんが健康に、不安なく過ごせるようにサポートしよう」というウェルビーイング視点で薦めてくれるほうが、心に刺さる時代になっていると思います。

世羅:われわれの経営ビジョンとして、「お客さまからの信頼を得て成果につなげよう」というものがあります。なぜ成果につなげなければいけないのか。それは、会社の利益だけのためではなくて、その利益を未来への投資へつなげるというスタンスだからです。そして、社員の活躍や成長そのものが、われわれの企業価値向上につながると考えています。成果を上げたときに、だれかひとりの手柄にするんじゃなくて、イベントなどにつなげて共有する。小さなことかもしれないですが、そんなふうにやっています。

WB100:いろいろなエリアに拠点をお持ちですが、地域や地方自治体と連携はされていますか?

世羅:地方公共団体との連携、協定を結んでというのは、まさに親会社が目指しているところで、われわれはその直営の代理店ですから、しっかりやっていかないといけないという位置づけです。一番象徴的なのは「SAFE TOWN DRIVE」というアクションで、自動車についているドライブレコーダーのデータを集めて、どこで急ブレーキを踏むのか、どこで事故が起こりやすいのかといったマップを作って、地方公共団体と共有し、道路標識をつけたりしています。親会社のこうした取り組みに、われわれも懸命についていっているところですね。地域の皆さんへの安全運転講習などは、SDGsがスタートするより前からやっています。

WB100:保険は以前と変わってきていますね。

世羅:さらに変わると思います。

WB100:どのように変わっていくのでしょう?

世羅:今までは自動車保険と火災保険が多くを占めていましたが、高齢化社会の進展もありますし、自動運転も進んでいますしね。こうした保険の割合は下がってくると思います。もしかして、保険以外のことを扱うようになるかもしれません。たとえば、介護など、いろいろな相談にお応えする方法などを考えています。やはり、お客さまのお困りごとに応える、安心安全につながる保険と、保険につながることと、保険じゃないことをうまくミックスしていく方法を考えないといけませんね。

WB100:読者も、自分の将来にフィットする保険とは何かを、誰かに相談したいと思っているのでは。

世羅:今は、相談ごともAIで解決できるようになってきましたが、AIを超えて、人として、われわれができることは何か……を、保険をベースにしながら、もう少し守備範囲を広げて考えていきたいと思います。

WB100:すごく難しいけれど、モノを売るのとは違う、今後すごく必要度が高まる業界ですね。しかも隣にいる、身近な存在として。本日はお話を伺い、とても学ぶことが多かったです。ありがとうございます。

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文/中村 円 撮影/登 万里子

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