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調理室池田 店のテーブル 家のテーブル

あさりがプリッと柔らかい!「調理室池田」のクラムチャウダーのレシピ【砂抜きのコツ・保存方法も】

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「調理室池田 店のテーブル家のテーブル」も今回で8回目を迎えました。春も本番となり、いちごが手に入りやすい季節になりましたが、みなさんヴィクトリアケーキいちごジャムいちごのプディングは作っていただけましたか? 店ではお客さまから作ったよ、と声をかけていただくことが多く、スタッフと喜んでいます。
春といえば、市場では貝の季節がやってきました。

初めて市場に来た人はきっと大きな魚に圧倒されることでしょう。でも春になると目に留まるのが小さいもの。しこいわしやほたるいか、丸かに、それからはまぐりをはじめとした二枚貝がシーズンを迎えています。

毎年楽しみにしているシコイワシ。サンドイッチに使うためアンチョビにしています。
毎年楽しみにしているしこいわし。サンドイッチに使うためアンチョビーにしています。

貝の酒蒸しとむき身

市場に毎日通っていても初めて見るものもたくさんあり、この春見つけたのは帆立ての稚貝(ちがい)、ベビー帆立てです。貝の表面を見ると少しちゅうちょするのですが、これが安くておいしいのです。たわしでよく洗って泥などの汚れを落としてから、そのままおみそ汁やパスタに入れてもいいのですが、殻が大きく器の中でじゃまになりがち。酒蒸しにしてからむき身にするのがおすすめです(うろと呼ばれる黒い部分は取り除きます)。酒蒸しにしてとれるだし汁はまさにうまみの宝庫。この写真の帆立ては、だしを上手に使ってグラタンにしたり、炊き込みご飯にしたりと楽しみました。

むき身にするなんてめんどうだと思うかもしれませんが、料理の幅はかなり広がります。炊き込みご飯、かき揚げ、つくだ煮など、思い浮かべるものはたくさんありますが、貝のむき身といえば店での定番はクラムチャウダー。あさりからとれるだしと身を存分に楽しめる料理だと思います。今回はこのクラムチャウダーのレシピを紹介したいと思います。

あさりの砂出しと保存方法

あさりの砂をはかせるのはなかなかむずかしいものです。買ってきたらすぐに3%の塩水(水400mlに対して塩小さじ2が目安)に浸し、新聞紙などで光を遮断して2~3時間室温に置いておきます。もちろん暖かい場所は避けるべきですが、冷蔵庫に入れると冷えすぎてしまって砂をうまくはかないといいます。

砂をはかせた後は塩水から引き上げ、冷蔵庫へ入れましょう。塩水につけっぱなしで冷蔵庫に入れてもいいのでは? と思ったのですが、お世話になっている水産会社の社長にきけば、「水も生き物だからな」とのこと。酸素がなくなれば水も劣化するので、引き上げておいたほうがいいそうです。あさりをぬらした新聞紙に包み、容器に入れて冷蔵庫にしまえば、日もちもよくなりますよ。

産地はここのところ、身が大きい北海道産を選んでいます。むき身にしやすいですし、食べたときのふっくらとした感じも好きです。

次のページではクラムチャウダーの詳しい作り方を紹介します。

–{クラムチャウダーのレシピ}–

『クラムチャウダー』のレシピ

材料(4人分)

あさり……700g
玉ねぎ……1個
にんじん(小)……1本
じゃがいも……2個
にんにく……1/2かけ
ベーコン……2枚
オリーブオイル……大さじ1
白ワイン……1/4カップ
牛乳……350ml
タイムの葉(フレッシュ)……適宜
塩 オリーブオイル バター 小麦粉 こしょう

下準備

・あさりはバットなどに入れ、3%の塩を加えた水(水400mlに対して塩小さじ2が目安)をひたひたに入れる。新聞紙などをかぶせて暗くした状態で2~3時間室温に置き、砂をはかせる。

作り方

(1)材料の下ごしらえをする
玉ねぎは2㎝四方に切る。じゃがいもは皮をむいて2㎝角に切る。にんじんは皮をむいて1㎝角に切る。にんにくはみじん切りにする。ベーコンは幅5㎜に切る。

(2)鍋で野菜とベーコンを炒める
大きめの鍋にオリーブオイル大さじ1を中火で熱し、(1)と塩少々を加えて炒める。ベーコンから脂が出て玉ねぎが透き通ってきたら、バター大さじ1を加えて混ぜ、火を止める。小麦粉大さじ1をふり入れ、全体になじませる。

(3)別の鍋であさりを酒蒸しにする
あさりはさっと洗って水をきる。別の鍋にあさり、白ワイン、水150mlを入れ、ふたをして弱火にかける。ひと煮立ちしてあさりの口が開いたら、(2)の鍋にざるをのせ、あさりの蒸し汁をこし入れる。 

(4)あさりの身をむく
あさりは粗熱を取り、スプーンなどで身を貝殻からはずしてボールなどに入れておく。 

(5)牛乳とあさりの身を加えて仕上げる
(3)の野菜が入っている鍋を再度中火にかけ、野菜が柔らかくなるまで5分ほど煮て、牛乳を加える。ふつふつとしたらあさりのむき身を加えてさっと混ぜ、塩、こしょう各少々で味をととのえる。器に盛り、タイムの葉を散らす。 

あさりの身は後から加えることで柔らかくプリッとした食感を保てます。貝柱は取りにくいですが、味が濃くおいしいので頑張って取ってくださいね。

次回の更新は5/3(金)。わが家のBBQには欠かせない『スパイシースペアリブ』を紹介します。

撮影よもやま話

撮影をするときに心地よいBGMは欠かせないものです。
どんな曲を流すかによって撮れる写真の出来も異なるような気がします(アマチュアなものですから)。撮影する料理に合わせて選曲には気をつけていて、しっかりとした料理にはしっかりとした曲を、軽やかな料理には軽やかな曲をといったぐあいです。それとその日の天気も大事かな。お日さまに恵まれた撮影日のクラムチャウダーだったらこんな感じ。A&Mポップの金字塔です。(文/池田講平)

調理室池田

調理室池田
2018年12月に川崎市にある中央卸売市場北部市場内に開店。アンティークショップ・アートギャラリーを兼ねた、市場には珍しいスタイルのカフェ。早朝から働く人がコーヒーを片手に手軽に食べられるようにと作った焼き菓子や、ツナサンド、フリットといった市場で仕入れる新鮮な魚介類を使ったランチが人気。
公式HP 公式インスタグラム 

神奈川県川崎市宮前区水沢1-1-1 川崎市中央卸売市場北部市場 関連棟 45 
営業日/月・火・木・金・土曜
営業時間/7:00~13:30
(ラストオーダーは13:00、土曜日のみ14:00)
ランチタイムは 11:45~ 休みは市場に準ずる(原則、水・日曜と祝日) 
※一般のかたの市場への入場は8時から。来店の際は必ず上記HPかインスタグラムを確認してください。

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料理・文/池田宏実 撮影・スタイリング/池田講平 編集/小林