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どうする?どうなる?老後の4K

55歳、老後資金が減るのが怖く倹約がち。本当はもっと楽しく生きたい/上田淳子さんの答え

超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。
だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。
各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。

今回のお悩み/お金

老後のことを考えると、貯金が減るのがこわくて、お金が使えません。

契約社員として働いている50代です。社会人と大学生の子どもがいます。夫が数年後に60歳になることもあり、老後資金に漠然とした不安を抱いています。昔から倹約家で、貯蓄はそれなりにできているのですが、「貯金が減ってしまうと、老後に困るのではないか」と思うと、こわくてお金を使うことができません。食材も洋服も安いものしか買えず、友達との交際費すらもったいないと思うことも。職場と自宅を往復するだけのつまらない毎日を送っていますが、本当はもっと娯楽や趣味にお金を使って楽しく生きていきたい。どうすればいいでしょうか。
(55歳・女性)

上田淳子さんの回答

お金だけでなく、「体力」「時間」も有限。 バランスよく人生を楽しみましょう!

ふきだし
お悩み回答者

上田淳子さん

わが家はすごくお金があるわけではありませんが(笑)、60歳になった今は、お金よりも、体力がなくなることのほうがこわいです。たとえば、素敵な洋服を着ておいしいレストランで食事をする。旅行をする。友達どうしで集まって心ゆくまでおしゃべりをする。コンサートやライブを見に行く。お金はかかりますが、すべて体力があるからできること。お金があったとしても、20年後、30年後に、同じことができるでしょうか。「アリではなくキリギリスになれ」と言っているのではありません。ご自身が許せる範囲で使用金額を決めて、そのお金を、ぜひ「体力がなければ楽しめないこと」に使っていただきたいのです。万が一、お金が足りなくなっても、体力があるうちは、「スキマバイト」※1をしたり、シルバー人材※2として働くことだってできます。

しかも、下のお子さんが大学を卒業すれば、ようやく自分のためだけに時間が使えるようになりますよね。体力はもちろん、時間も有限です。どちらもお金と同じくらい大切なものと考えると、前向きにお金を使えるようになるのではないでしょうか。

50代なら、まだまだ体力はあるし、時間もたっぷりあります。今まで頑張ってこられたのだから、これから先は〈ごほうび期間〉だと思って会いたい人に会い、行きたい場所に行き、やりたいことをして、人生を150%楽しみましょう!その経験は、大切な〈心の栄養〉になるはずです。

※1 スキマバイト
スポットワークとも呼ばれる、最短で1 ~3時間単位と、自分のあいている時間だけ働けるアルバイトのこと。おもに「Timee(タイミー)」などのスキマバイトアプリを通じて募集されており、若年層から中高年まで幅広い年齢層が利用している。

※2 シルバー人材

定年退職した高齢者のなかで就労可能な人材のことで、60歳以上のシニア世代をさす。市区町村単位に置かれている公益社団法人「シルバー人材センター」に登録し、仕事を紹介してもらうのが一般的。

上田淳子さん
料理研究家
辻学園調理技術専門学校を卒業後、スイスやフランスで修業を積む。現在は料理教室を主宰するほか、雑誌やTV、広告などで活躍。最新刊『レシピ以前の料理の心得』(青幻舎)をはじめ著書多数。Podcast番組「料理たのしくなる相談室」を配信中。

取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子

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