超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。 今回のお悩み/健康 年齢を重ねるたびに、小さなことで落ち込んだり、クヨクヨすることが増えました。 年をとるごとに、どんどんメンタルが弱くなってきている気がします。たとえば、仕事で上司から言われたイヤミとか、夫や子ども、友人から言われた何気ないひと言に傷ついたり、クヨクヨ悩んでしまうことが増えました。若いころは一晩寝たら忘れたり、友達と飲みに行って愚痴を吐いたらすっきりしたり、あまり根に持たないタイプだったのに、最近は「なんであんな言い方をされなければいけないのか」とか、「私の言い方が悪かったのか」など、休みの日までずっと考えてしまい、切り替えがうまくできません。 (49歳・女性) 虻川美穂子さんの回答 クヨクヨはきっと「ホルモンのせい」。ご自身を責めずに、気分転換に努めましょう! お悩み回答者 虻川美穂子さん これは、年齢的にも女性ホルモンの影響※が大きいのではないでしょうか。じつは私、もともとがジメジメ体質で、けっこう根に持つタイプなんですが(笑)、産後はホルモンバランスの乱れからジメジメ度がさらに倍増。自分では制御できないほどの落ち込みようだったので、ほんとホルモンって恐ろしいなと……。そのときほどの落ち込みはないにしろ、私も同じ〈ゆらぎ世代〉として、その波をひしひしと感じています。最近は眠りが浅くて、夜中にすぐ目が覚めてしまうのですが、そんなときにかぎっていやなことを思い出しちゃって朝まで眠れないことも。睡眠不足で体調も悪くなるし、もう最悪ですよ(苦笑)。ジメジメ&ネチネチ思考が止まらなくなったときは、あえて違う場所に身を置いたり、何かに没頭するように努めます。じっとしていると、ずっとそのことばっかり考えちゃいますからね。私のおすすめはサウナ。サウナのいいところは、「熱い」としか考えられないこと(笑)。最後は皮膚感覚だけの世界になってくるんですよね。それに、クヨクヨするのも悪いことばかりじゃないと思っています。私の場合、「こういう言葉が人を傷つけるんだな」と、自分の言動を改めるいいきっかけになりました。ホルモンといえば、先輩たちや婦人科の先生の話によると、この〈ゆらぎのトンネル〉を抜けると、心身ともにさらにパワーアップするそうです! そう聞くと希望が持てますよね! ※ 女性ホルモンとメンタルの関係 更年期に伴う女性ホルモンの減少は、身体のみならず、さまざまな精神的症状を引き起こすことが知られている。気分の落ち込みや不安感、物事に対する意欲の低下などの症状が強くなると、「更年期うつ」になる場合も。 虻川美穂子さん タレント・お笑い芸人。1974年、埼玉県生まれ。95年、伊藤さおりとお笑いコンビ「北陽」を結成。「ノンストップ!」(フジテレビ系列)に隔週水曜レギュラー出演。私生活ではイタリア料理店のオーナーシェフ、桝谷周一郎と結婚し、2015年に長男を出産。 荻上チキさんの回答を見る「老後の4K」のお悩みをすべて見る(『オレンジページ』2024年7月2日号より)