55歳、体型は崩れる一方。若いキレイな女子を見ると落ち込む/おおたわ史絵氏が回答
だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。
各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。
今回のお悩み/健康
若い女性を見ると、
つい容姿を比べて落ち込んでしまいます。

年齢を重ねた素敵さがあると頭ではわかっているのですが、年下のきれいな女性を見ると、つい自分と比べてしまい、落ち込んでしまうことがあります。シミやシワ、白髪は増える一方、体型もどんどんくずれていく……。そんな自分をポジティブにとらえるにはどうしたらいいのでしょうか。年齢に逆らわず、自分らしく前向きに暮らしていきたいです。
(55歳・女性)
おおたわ史絵さんの回答
〈若見え〉からは卒業。美の価値観をアップデートさせましょう。


おおたわ史絵さん
動物として人間を見た場合、活動性のいちばん高い時期=ピークというものがあります。ピークを超えると下降線をたどるのは当たり前のこと。「若く見せよう」とするのは無理がありますし、過度な若作りは痛々しく映ることも。大切なのは、「若く見える」ことではなく、「若々しく」あること。
お手本にしたいのは、ヨーロッパのマダムです。40代だから、50代だから……と年齢にとらわれて生きる女性が多い日本に対して、ヨーロッパの女性は、もっと自由でナュラル。シミやシワ、白髪はありのままの自分として受け入れるし、年を重ねることを恐れていません。一度、「フランス マダム おしゃれ」などのワードを入れてネット検索してみてください。高齢になっても自分なりのファッションを楽しんでいる姿がたくさんヒットしますよ。そこには「若さ」だけにとらわれない美の価値観があるはず。
しかも、マダムたちは姿勢がしゃんとしててかっこいいんですよね。年齢や体型に関係なく、人を美しく見せるのは「姿勢」だと思います。姿勢がいいだけで、元気で機嫌がよく、いきいきとして見えます。
美しい姿勢を保つのにおすすめしたいのが、「マダムバレエ」※1 です。私も長年バレエ教室に通っていますが、60歳以上のかたもたくさんいらっしゃいますし、みなさん姿勢がきれい。踊ることで幸せホルモン「セロトニン」も分泌※2 されますから、美容と健康に絶大な効果がありますよ!
「大人バレエ」とも呼ばれている。最近は大人向けのバレエ教室が増えており、趣味としても人気が高い。姿勢がよくなる、インナーマッスルが鍛えられる、美しい所作が身につくなどのメリットが。初心者でもできるバーレッスンやストレッチなどを行う「バレエエクササイズ」も人気。
バレエなどの踊りや、リズムや音楽に合わせた身体運動は、幸せホルモン「セロトニン」や「ドーパミン」の分泌を促し、多幸感をもたらすことが科学的にも証明されている。振りを考えながら体を動かすと、前頭葉が刺激されるため、脳の活性化にも有効。
総合内科専門医
法務省矯正局医師。大学病院、救命救急センター、地域開業医を経て現職。少年院、刑務所受刑者の診療に携わる、日本でも数少ない〈プリズン・ドクター〉。情報番組のコメンテーターとしても活躍中。近著は『プリズン・ドクター』(新潮新書)。
取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子