入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者4人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。
突然ですが「この料理の理想形ってこういうものだよね~という自分の中での当たり前が、実はだれかのそれと全然違っていることにある日突然気づいて唖然」という経験、ありませんか? 私はこれが結構家庭内で勃発すること多々で、夫婦でもめた挙句、その後一切作らなくなったという料理がいくつかあります(笑)。
その筆頭はコロッケ。実家の母直伝のコロッケは、たねに鶏ひき肉と玉ねぎが入っているタイプで、いもの比率が多かった・・・・・・。私はこれにソースではなくマヨしょうゆをつけて食べるのが大大大好きで、結婚してほどなく作ってみたわけです。そうしたらもう一人(旦那のこと)から一言「これ、マッシュポテトじゃん」。鶏肉を使うコロッケが異端であることは当然承知していましたが「パン粉をまとって揚がったいもに対してマッシュポテトとは(怒)」と大人げなく逆ギレ。以来二十年以上、、わが家の食卓に手製のコロッケは一度も登場しておりません(笑)。
今回紹介するスープは、そんな夫婦間の見解の相違を乗り越えて、わが家の食卓にたびたび登場するようになった一品。「キムチ鍋」の理想形について意見が全くかみ合わず、しばらく試行錯誤した結果、もう一人のイメージに近いものは「鍋」として、私がおいしいと思うものは「スープ」として定着したんですが、このスープ、いろいろとアレンジができるのも気に入っているポイントです。
ご飯を投入して雑炊を作ったり、ラーメンのスープとして活用したり・・・・・・。キムチの効果か、食べすすめるうちに、ちょっと汗ばむくらい体があったまって、ほんとーにおいしいんですよ。にらを入れてみたり、ちくわを油揚げにしてみたり。計量が苦手、決め事が苦手な私の本領をいかんなく発揮できる懐の深さがまた、いいんですよね~(笑)。
今回作ったスープの材料はこれだけ。冷蔵庫に常備してるもんだから「ちくわ」を使いましたが、半端に残った豚肉とか「さば缶」「ツナ缶」とか使ってもおいしくできると思います。お好みで~。
雑貨屋でほこりをかぶっていたところを発見し、嬉々として連れ帰った「えび鍋(わが家での呼称)」は大のお気に入り。火にかけられるので、一人用小鍋として大活躍しています。
オレぺのレシピを世に送り出しつづけているベテラン料理編集者4人が、これまで出会ったレシピの中から好きなもの、忘れられないものを自ら作って、撮って、語ります。
各電子書籍ストアにて好評配信中!
記事検索