

入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者4人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。

vol.12
入社28年目 独身生活満喫中の福島の場合
『超即席! さば缶スープカレー』
早いもので、もう十二月も後半。なんだか今年はいつも以上に一年があっという間に過ぎ去ったような気がしますね。在宅勤務で家にいる時間が圧倒的に増え、生活に変化が少なくなったせいかな、なんて思ったりしますが、こと食生活に関しては、ずいぶん変わったな~と感じることも多いです。以前は仕事で遅くなった日は外で食べて(いや「飲んで」ですね。笑)帰ることも多かったのが、基本的に毎日自分で作るようになったし、たま~にウー〇ー的なデリバリーを利用するようになったりと、自分の食のスタイルがだいぶ変化したと実感してます。今回のメニューは、そんな在宅勤務中のひょんなことから生まれ、わりとヘビロテで作るようになった一品です。
ある日、家で仕事をしていて、ふと気がついたら夜の九時過ぎ。「さて、晩ごはん、どうしよう……。今から買い物に行くのもめんどうだな~」と思いつつキッチンを物色したら、出てきたのが『さば缶』。これで何かテキトーに作るかってことで、冷蔵庫の残り野菜といっしょにこれまたテキトーに鍋にぶち込み、またまたテキトーにカレー粉などの調味料を入れてでき上がったのが、これ。煮ものをイメージして作り始めたんだけど、でき上がったら意外に汁だく。あれ? これってスープカレーじゃん! と思い、あわてて冷凍してたご飯をチンしていっしょに食べてみたという次第です。トマトの酸味としょうがの風味で、けっこうちゃんと作ったカレーっぽい味になるし、何より材料を鍋に入れて火にかけるだけという手軽さが自分的に受け、あれこれ野菜を変えながら作り続けています。ちなみにこれ、ご飯なしで、具材をつまみに酒を飲み、締めにスープを飲む……なんて食べ方もできますよ(笑)。
こんな感じで材料を鍋に重ねて火にかけるだけ! 作り始めてから、ものの15分くらいで完成です。野菜は、スープのベースになる水けが出るキャベツとトマト以外は何でもOK。ブロッコリーやきのこ、ピーマンなんかもおいしいです。この一品でけっこう野菜がとれるのも、いいんです。
じつは無類の卵好き。時間と気持ちに余裕がある日は、とろとろの半熟卵を作って添えたりします。黄身をご飯にからめ、それをカレーに浸して食べるとぐっとまろやかになって、これまたウマいんです。
オレぺの中の人のうちごはんレシピ
『超即席! さば缶スープカレー』

材料(1人分)
- さばの水煮缶詰(180g入り) 1缶
- キャベツの葉 3枚(約150g)
- トマト 1個(約120g)
- 赤パプリカ 1/4個
- さやいんげん 4本
- しょうがのせん切り 1かけ分
- 【煮汁】
- ・酒、水 各大さじ2
- ・カレー粉 小さじ2
- ・塩、洋風スープの素 各小さじ1/4
- ・しょうゆ 小さじ1
- あればローリエ 1枚
- ご飯 食べたいだけ
- 半熟ゆで卵(なくてもOK) 1個
- 塩 粗びき黒こしょう
作り方
- キャベツはざく切りにし、鍋に広げ入れる。トマトはへたを取って1.5cm角くらいに切り、鍋に加える。パプリカは横に幅5mmくらいに切り、鍋に加える。いんげんはへたを切って長さを半分に切り、鍋に加える。さばを缶汁ごと加え、しょうがを散らして、あればローリエをのせる。煮汁の材料を混ぜ合わせて回し入れる。
⇒このメニューに関しては、野菜は切っては鍋に入れ、切っては鍋に入れ……って感じで作ってます。いちおう大きさの目安を入れましたが、正直、そんなに厳密でなくても大丈夫。キャベツは手でちぎって入れるでもいいくらいかと思います。汁けが少なくて不安になるかもですが、火にかけるとキャベツとトマトから水けが出るので大丈夫! - ふたをして強めの中火にかけ、7~8分蒸し煮にする。味をみて塩適宜で整え、器に盛って、粗びき黒こしょう適宜をふる。別の器にご飯を盛り、横半分に切ったゆで卵をのせる。
⇒食べるときは、ご飯をスプーンですくってカレーに浸しながらいただきます。けっこう具だくさんなので、最初に具だけを少し食べて、あいたところにご飯を浸すのがおすすめです。

- Editor No.04 福島耕一(通称・フック)
- 大阪府高石市出身。1992年オレンジページ入社。子どもの頃から料理好き。大学時代の一人暮らしで『オレンジページ』に出会い、出版志望ではなかったのに、料理に関わる仕事がしたいとの思いから入社。週末は人が家に集まり、料理をふるまうことも多い。独身。
福島のうちごはんレシピ、
こちらにもあります。
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