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井上咲楽のすこやか発酵ごはん

陶器の街・益子町生まれ。幼いころから料理に親しみ、実家の台所や食卓にはつねに「発酵食品」があった……。そんな井上咲楽が、自家製の調味料や、お気に入りの発酵食品などを紹介していく「発酵ごはん」連載です! はつらつとした彼女のすこやかさの秘訣がここにアリ!?

井上咲楽、栃木の母が教えてくれた「しょうゆ麹」をきっかけに、あらためて発酵と向き合う

地方ロケ中、ご当地コンビニで買ったおにぎり。最近お気に入りのグーポーズ(周りからはダサいと評判)。

母の新たな発酵食品コレクション

母がまた新しい発酵食品を作っていた。母は、新たな発酵食品を作ると、キッチンのカウンターに置いていとおしそうに見ているので「また何か作ったんだな」とすぐにわかる。

わが家のしょうゆ麹

「しょうゆ麹」というものらしい。作り方をきくと「麹にヒタヒタのしょうゆを入れるだけだよ。簡単でしょ?」と得意げに言っていた。たしかに、麹と塩と水を量らないといけない塩麹よりはるかに簡単に作れるかも。
さっそく自宅でしょうゆ麹を作ってみると、すごく簡単にできた。お豆腐にのせてみたり、青菜のおひたしにのせてみたり、チョイッと添えて楽しんでみたり、料理の調味料というより、ソースのように使っていた。

ただ、それ以上はレパートリーが広がらず……母からは、しょうゆの代わりにバンバン使えると聞いていたので楽しみにしていたが、しょうゆよりまろみがあって甘さを感じるしょうゆ麹の扱い方は、私にとってはむずかしく感じてしまった。そんな、味はおいしいがなんだか苦手意識を持っていたしょうゆ麹だったが、なんと昨年、克服できたのだ。

きっかけは発酵で超超有名な料理家の榎本美沙さんにしょうゆ麹を使った料理を教えていただくという、なんともぜいたくな企画だった。

基本のしょうゆ麹の作り方から、それを使ったアレンジ料理をいくつか教えていただいたのだが、今思い出しても本当にすごい。榎本さんはしょうゆ麹使いだった。

私がテーブルにはりついていると、次から次へとしょうゆ麹を使った料理が出てくる。ペペロンチーノにグラタン、トマトのナムル……和だけでなく、洋風のおしゃれな料理が並ぶ。そしてそれはどれも食材となじんでいてすごくおいしい! しょうゆ麹の使い方の正解を示されているようでワクワクした。

お土産に榎本さんと作ったしょうゆ麹をいただき、自宅でも使うようになった。しょうゆの代わりというより、個人的にはしょうゆとみりんを混ぜたような調味料だと思っている。なので、しょうゆを使いつつ、甘さも出したい料理を作るときに砂糖やみりんを入れなくとも甘さとこくが出る便利な調味料として、煮ものや炒めもので、今は大活躍している。しょうゆ麹に油や他の調味料を混ぜてドレッシングにしてみたり、炒めもので甘さを出したいときにささっとしょうゆ麹を使ってみたり、焼きうどんに混ぜてみたり、煮ものもとってもおいしくできる。榎本さんも母も何でも……と言っていたが、見方を変えて使ってみると、なんだ、使いやすいじゃないか! とストンと納得した。

しょうゆ麹で親子丼を作ってみると……おいしい!
ふるまった友達にも好評でした。

発酵食品との向き合い方

しょうゆ麹をうまく使えていないことは、発酵好きとしてはある種コンプレックスだったが、こうやって一つ一つ解決していけばいいことだった。

発酵食品を作ったはいいが何に使えばいいのやら……と思っているみなさんも、まずはひたすらおいしそうなレシピを探して、まねして作ってみると要領がつかめるかもしれない。

また、私が榎本さんに助けられたように、私もだれかのために克服レシピを生み出したいと思う。
榎本さん、ありがとうございました! しょうゆ麹ライフ、楽しみます!

「奥信濃100」で、トレラン100キロ完走しました! その翌日、爆睡です。
梅仕事・山椒仕事2025。「道の駅ましこ」で買った山椒も使って仕込んでみました。

 

PROFILE

井上咲楽(いのうえ・さくら)
1999年、栃木県生まれ。2015年「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」を経て芸能界入り。「おはスタ」「新婚さんいらっしゃい!」など、バラエティ番組で見せる明るいキャラクターで人気を博す。NHK大河ドラマ「光る君へ」に出演。2024年5月に『井上咲楽のおまもりごはん』、11月に『じんせい手帖』を出版。「発酵食品ソムリエ」資格、「食品衛生責任者」の資格も持つ。

文・写真/井上咲楽 バナー・プロフィール画像/大森忠明