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今、話したい& 作りたい コウケンテツのKカルチャー通信

韓国にルーツを持つコウさんが昨今のブームの中であらためて見つめなおしている「韓国」。食はもちろん、郷土、旅、映像、音楽、文学、美容など、あらゆるジャンルのカルチャーからまさに今コウさんが見ている、感じている韓国についてつづり、料理を作る連載です。

ハン・ガン「菜食主義者」野菜と麦ご飯のビビンパ/コウケンテツのKカルチャーご飯。ノーベル文学賞

書籍編

『菜食主義者』ハン・ガン著

『菜食主義者』(クオン) 
ハン・ガン著 きむ ふな訳
ビーガン食は、今の韓国では自分らしく生きるポジティブな選択肢として劇的に変わっているのも印象的 by コウ

波線ブロック

『菜食主義者』ハン・ガン著

「歴史的なトラウマに立ち向かい、人間の命のもろさをあらわにする鮮烈な詩的散文」と評され、2024年にアジア人女性として史上初、また韓国人として初めてノーベル文学賞を受賞したハン・ガン。『菜食主義者』はそのハン・ガンが世界に注目されるきっかけとなった連作小説です。ある日肉食を拒否してベジタリアンになり、ついには食べる行為そのものを拒否するようになってしまう主人公のヨンへ。彼女の行動と心の変化がヨンへの夫、義兄、姉のインへの3人の視点で描かれています。

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圧倒的な新世代の底力

僕が料理家として駆け出しのころ、読書家の3歳上の兄から「韓国の新世代の文学は要チェック」と熱くすすめられました。まさか兄はハン・ガンのノーベル賞受賞の快挙を予言していたのだろうか? 

かつての韓国文学がチョ・セヒの不朽の名作『こびとが打ち上げた小さなボール』に代表されるように、社会の外壁を壊す「圧倒的な物理的暴力」を描いたとすれば、本作は今の社会の「内側に潜む息苦しい精神的暴力」を描いています。周囲から押しつけられる「普通」や社会の同調圧力。主人公ヨンヘの「沈黙」は、それらに対する命がけの抵抗のようにも思え、その異常な言動が、逆説的に人間の本質を鋭く照らす。そんな新世代の文学の底力にただただ圧倒されるのです。

今回はビーガンのヨンヘもそっと食べてくれそうな(?)植物の生命力を宿したレシピを考えてみました。「癒やしのごぼうの〈ポリパプ〉」こと「野菜と麦ご飯のビビンバ風」をご紹介します。滋味深く、やさしい一品をどうぞ。

こんな料理思いついた!

野菜と麦ご飯のビビンバ風

〈ポリパプ〉は麦ご飯のこと。韓国では素材ごとに味つけしたナムルの皿と並べ、食べるときにビビンバのように混ぜていただきます。

作り方

1. 米は洗ってざるに上げ、炊飯器の内がまに入れる。1合の目盛りまで水を加え、もち麦と水1/2カップを加えて普通に炊く。ごぼうは包丁の背で皮をこそげて洗い、斜め薄切りにしてから細切りにし、水に5分ほどさらして水けを拭く。にんじんは皮をむいて斜め薄切りにしてから細切りにする。

2. フライパンに湯を沸かして大豆もやしを加え、中火で5分ほどゆでる。水にとって冷やし、水けを絞る。ボールに入れ、豆もやしナムル用の材料を加えて混ぜる。

3. フライパンにごま油大さじ1を中火で熱し、にんじんを加えて炒める。しんなりしたらにんじんナムル用の塩を加えて混ぜる。取り出して白いりごまを加え、混ぜる。同じフライパンにごま油大さじ1を中火で熱し、ごぼうを加えて炒める。しんなりしたら、粉唐辛子以外のごぼうナムル用の材料を加えて炒める。好みで粉唐辛子をふる。

4. サムジャンの材料は混ぜる。麦ご飯、各種ナムル、レタス、青じそ、サムジャンを器に盛る。好みの具材とサムジャンを麦ご飯にのせ、全体を混ぜて食べる。
(1/3量で470kcal、塩分2.2g )

コウケンテツ
Profile

コウ ケンテツ さん

食材のよさを生かした手軽な家庭料理の数々が人気の料理家。YouTube公式チャンネル「Koh Kentetsu Kitchen」で秘伝のレシピを公開中。高2、中2、小3の1男2女の父。

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料理・日記/コウ ケンテツ 撮影/田村昌裕〈FREAKS〉 スタイリング/駒井京子 取材・文/田中祐子 熱量・塩分計算/五戸美香(スタジオナッツ)

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