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予約のとれない寿司屋三代目 野本やすゆきの今日のごはんはサカナかな

【寿司屋に習う冬の手仕事】とにかく濃厚『自家製イカの塩辛』下ごしらえのコツも

予約のとれない寿司屋三代目 野本やすゆきの今日のごはんは“サカナ”かな
こんにちは! 谷中松寿司三代目・料理家の野本やすゆきです。
この連載では、寿司屋ならではのテクニックを交えながら、家庭で作りやすいレシピをご紹介しています。今回はおいしい【いかの塩辛】
冬のするめいかは身も肉厚でわたも大きくなるので塩辛を作るのにおすすめです!
では、さっそく作っていきまーす!魚のプロ直伝! おいしさの秘訣

【其の一】
わたをたっぷりの塩でしめるべし!

たっぷりの塩でしめることで、濃厚でうまみもある塩辛に仕上がります!

【其の二】
身を冷蔵庫で1日ねかせるべし!

いかを冷蔵庫でねかせることで、うまみを引き出し身も柔らかく仕上がります。

野本流『いかの塩辛』のレシピ

材料(2人分)
するめいか(大)……1ぱい(300〜400g)
※アニサキス対策として冷凍庫で48時間以上冷凍したいかを解凍して作るのをおすすめします。市販の冷凍処理されたするめいかでもOKです。

塩……適宜(わたの重さと同量程度)
酒……適宜(100〜200ml)※塩を洗い流せる分量でOKです

作り方

(1)いかの下処理をする
えんぺら(上部の三角の部分)のついた側を上にし、胴の中に指を入れる。胴と頭(足のつけ根部分)のつながったところをはずす。頭を持って、足とわたをそっと引き出す。このとき、わたやすみ袋が破れないように、ゆっくりと行う。
わたの上の部分を切り落とす(わたの上の部分は胃袋などでおいしくないため、取りましょう)。
わたの中央にあるすみ袋をそっとはがす。頭の上で薄皮を破かないように足とわたを切り離す。流水で胴の内側までしっかりと洗い、中に残った汚れを取り除いて、水けを拭く。胴の内部の中央にある軟骨を引き抜く。三角のえんぺらをつかみ、胴とのつなぎ目をひっぱる。
裏返し、胴を押さえながらひっぱって引き離す。
皮をはがしたあたりに包丁を寝かせて入れて開く。
包丁を入れたところをとっかかりにして、手で皮をひっぱってむいていく。すべらないようにペーパータオルやきれいなふきんでつかみながら、内側の薄皮も取る。剝がれにくい場合は、竹串などで皮を剥がしてからふきんでつかみ、薄皮を取りましょう
胴の下の少し堅いところを切る。
ペーパータオルでしっかりと水けを取る。
ざるにのせ、そのまま冷蔵庫で1日(約24時間)置く

(2)いかのわたに塩をする
わたの重さを測る。保存容器にわたの重さの1/2量の塩をふり入れ、わたを置く。上から残りの塩を全体にかける。ふたやラップをして冷蔵庫に1日(約24時間)置く。

(3)いかの胴を切る
いかの胴を縦に3等分に切る。食べやすい長さに、2㎜程度の斜めに細切りにする(包丁を寝かせて切ると、断面が大きくなりより甘みを感じます)。

(4)いかのわたを取り出す
小さめのボールに酒を入れる。わたについた塩を酒で洗い流す。わたを縦半分に切る。ボールにざるをのせ、指で押し出すようにわたを取り出す。
ざるでこすとよりなめらかに仕上がります。

(5)いかの胴とわたを混ぜ合わせる
わたのボールに銅を加えて、あえる。

保存の目安

一晩以上ねかすと味がなじみ、おいしくなります。清潔な保存容器に入れて清潔な箸で一日1回混ぜ、冷蔵庫で1週間保存可能。

野本流【いかの塩辛】のでき上がり!
げそやえんぺらは炒めものにするのがおすすめ! 作り方をこちらを参考にして下さい。
>>失敗しない! イカのさばき方と簡単レシピ【寿司屋直伝】

寒い日に熱燗と手作り塩辛! 最高ですね。
ぜひ冬のするめいかで作ってみてください!

谷中松寿司の旬ネタ
最後に松寿司の旬ネタをご紹介!
今回は、【甘エビ】です。
名前のとおり、とろけるような甘さが特徴のエビ。
水温が低下する晩秋から春先が旬といわれます。
富山県産の甘エビを昆布じめにしてうまみを加えます。
にぎりはもちろん、おつまみでもお出ししております!

さて、本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
次回の更新は2026年1月16日(金)「もずく雑炊」です。

野本やすゆき
料理家、谷中で80年続く「谷中松寿司」三代目店主。
大学卒業後、調理師学校に通い、調理師免許を取得。家業の寿司店で修業するかたわら、フードコーディネータースクールに入校。卒業後、同校講師を経て独立。
料理家、寿司屋の二刀流で料理雑誌へのレシピ提供、テレビ番組や広告のフードコーディネートなど、食にかかわるジャンルで幅広く活躍中。
YouTube:野本やすゆきチャンネル
Instagram:nomotobase
谷中松寿司:yanakamatsusushi予約のとれない寿司屋三代目 野本やすゆきの今日のごはんはサカナかな 過去の連載はこちら>>

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写真・文/野本やすゆき プロフィール写真/吉澤健太