超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。 今回のお悩み/健康 更年期になって、性格が変わった?いつもイライラしていて、感情をコントロールできません。 50歳からホットフラッシュなどの症状があったため、婦人科で血液検査をしたら、「ホルモン数値が下がっているので更年期ですね」と言われました。今は漢方で治療中ですが、いちばん困っているのは、感情の起伏が激しくなったこと。以前は気にならなかったことやちょっとしたことにイライラ。とくに夫にはひどい当たりようで、ときには暴言を吐いてしまうことも。自分でも「こんなことを言ってはいけない」と頭ではわかっていながら、感情のコントロールがうまくできません。このままだと、夫との関係が悪化するだけでなく、子どもや職場の人にも迷惑をかけてしまうのではと心配です。(52歳・女性) 虻川美穂子さんの回答 性格が変わったからではなく、すべてはホルモンのせい。ご自身を責めないでくださいね。 お悩み回答者 虻川美穂子さん 私は今48歳で、年齢的には更年期ではあるのですが、まだこれといった症状は出ていないので、お役に立てるかどうか……。以前お仕事で産婦人科医のかたと対談をしたとき、ホルモンバランスが大きく揺らぐ時期ということで、「産後」と「更年期」※1は似ているという話を聞いたんですね。じつは私、産後にメンタルが超不安定になってしまいまして。夫に当たり散らす のは当たり前、つねにイライラしていて、まさに自分が自分でない状態が何年も続いたんです。相談者のかたのように、まわりを気づかう余裕は1ミリもなく……。私と違って、ご自身を客観的に見られていて、すごいなあと。そんなふうに少しでも冷静になれたとき、そのタイミングで旦那さんに、「じつは更年期でイライラしてしまって……」と、正直に話してみるといいかもしれませんね。……って、自分は全然できなかったくせに、偉そうに言ってすみません!あと、産婦人科の先生がおっしゃっていたのが、「更年期は無理をしない」こと、そして、「不調のトンネルから必ず抜ける日が来る」ということ。今のイライラは、ホルモンの仕業であって、ご自身のせいではありません。自分を責めてしまうと、さらに負のスパイラルに陥ってしまいます。この年代の女性は、公私ともに忙しくてつい頑張りすぎてしまいますから、自分も含めて、「無理をしないように頑張る」ぐらいの気持ちで、更年期と向き合えたらいいなと思います! ※1 「産後」と「更年期」 女性の人生で女性ホルモン・エストロゲンの量が大きく減少するのが、「産後」と「更年期」。エストロゲンにはメンタルや自律神経を安定させる作用があるため、その量が減るとメンタルが不安定になりやすくなる。 虻川美穂子さん タレント・お笑い芸人。1974 年生まれ。埼玉県立久喜北陽高校ソフトボール部時代の同級生、伊藤さおりさんと95年にお笑いコンビ「北陽」を結成。芸人としての活動以外にも、ドラマやCMなど幅広く活躍。現在、「ノンストップ!」(フジテレビ系列)に隔週水曜レギュラー出演。1児の母。 稲垣えみ子さんの回答を見る「老後の4K」のお悩みをすべて見る(『オレンジページ』2023年8月2日号より)