こんにちは! 谷中松寿司三代目・料理家の野本やすゆきです。この連載では、寿司屋ならではのテクニックを交えながら、家庭で作りやすいレシピをご紹介しています。今回は、今が旬の〈いわし〉を使った「いわしの梅しそチーズ春巻き」のレシピ!(夏だけど春巻きです(笑)。)夏のいわしは、脂がのっていてとってもジューシー。さわやかな薬味&梅干しとの相性も抜群です。ではさっそく作っていきまーす‼ 【其の一】梅干しで味をつけるべし! いわしと梅干しは相性ばっちり! たたいてペースト状にした梅干しを塗って春巻きにして。 【其の二】しょうゆで下味をつけるべし! しょうゆで漬けるようにすることで、臭みも取れてほどよく下味がつきます。「いわしの臭みが苦手で……」というかたには、とくに試してみてほしい! 【其の三】春巻きの皮で味を閉じこめるべし! 私は、魚料理をするときにいちばん大切なのは〈香り〉だと思っています。「春巻きの皮」は、食材の香りとうまみを閉じこめるのにぴったりの食材なんですよね。 『いわしの梅しそチーズ春巻き』のレシピ 材料 いわし(開きになっているもの)……2尾分みょうが……2個青じその葉……4枚梅干し……1個(15g・正味10gくらい) 溶けるスライスチーズ……2枚 春巻きの皮……4枚しょうゆ……大さじ1揚げ油……適宜〈A〉小麦粉……小さじ1水……小さじ1 下準備 Aを混ぜ合わせておく。 作り方 (1)みょうがは縦に4等分に、チーズは半分に切る。青じそは軸を切る。梅干しは種を取り、包丁でたたいてペーストにする。(2)いわしは尾を切り、縦半分に切る。(3)バットにいわしを並べ、しょうゆをふって1分ほどおく。(4)春巻きの皮1枚を角が手前にくるように置き、手前に青じその葉1枚を置き、いわし1切れをのせて、梅干しの1/4量を塗る。みょうが2切れ、チーズ1切れの順にのせ、くずれないよう押さえながら、皮を手前、左右の順に折り込んで巻く。巻き終わりの角にAを塗って留める。残りも同様に巻く。(5)180℃※に熱した油で3〜4分、こんがりとした焼き色がつくまで揚げ焼きにする。バットに上げて油をきる。※乾いた菜箸の先を底に当てると、細かい泡がシュワシュワッとまっすぐ出る程度。斜め半分にカットしたら……『いわしの梅しそチーズ春巻き』のでき上がりです!梅干しと薬味のさわやかさがアクセントになって夏らしい味わいに。チーズの塩けがいい仕事してます!たっぷり脂がのった、食感のいい〈いわし〉も最高です~。今回はいわしで作りましたが、野菜やその季節の旬の魚を巻いても◎。今の時期は〈あじ〉が、秋になったら〈さんま〉なんかもおすすめです。ぜひ作ってみてください! 谷中松寿司の旬ネタ 最後に松寿司の旬ネタをご紹介!今回は「シロホシフエダイ」です。正式名は「フエダイ」ですが、魚体に白い点状の模様があることから「シロホシフエダイ」と呼ばれます(別名「シブダイ」とも)。夏の高級白身魚で、2kg以上のものはとくに高級。脂がたっぷりで、うまみもあり、とろけるような食感の魚です。松寿司ではしっかりと熟成させ、うまみを凝縮させてからにぎります。すしめしとの相性は最高ですよ!最後までお読みいただきありがとうございました!次回の更新は9/8(金)。「鮭のおいしい焼き方」を紹介します。野本やすゆき料理家、谷中で80年続く「谷中松寿司」三代目店主。大学卒業後、調理師学校に通い、調理師免許を取得。家業の寿司店で修業するかたわら、フードコーディネータースクールに入校。卒業後、同校講師を経て独立。料理家、寿司屋の二刀流で料理雑誌へのレシピ提供、テレビ番組や広告のフードコーディネートなど、食にかかわるジャンルで幅広く活躍中。YouTube:野本やすゆきチャンネルInstagram:nomotobase谷中松寿司:yanakamatsusushi