
ひな祭りに! プロにきいた『海鮮ちらし寿司』のレシピ【おいしい錦糸卵の作り方も】
この連載では、寿司屋ならではのテクニックを交えながら、家庭で作りやすいレシピをご紹介しています。
今回は、ひな祭りに食べたい『海鮮ばらちらし』を作ります!
コシのある錦糸卵の作り方やおいしい具材の組み合わせも教えちゃいます。
それでは、さっそく作っていきまーす‼

【其の一】
錦糸卵は片栗粉を入れるべし!

片栗粉を入れることで、しっとりとしつつ、コシのある錦糸卵になります。破れにくくなるので、作るのもラクに!
【其の二】
具材は「甘い×しょっぱい」の組み合わせで!
刺し身やイクラのしょっぱいものに、甘い食材を合わせると、奥行きのある味わいに。食べていて飽きない、おいしいちらしになります。
野本流『海鮮ばらちらし』のレシピ
材料(3〜4人分)

基本のすしめし……2合分
刺し身の盛り合わせ※……3〜4人分(300g)
ゆでたえび……4尾
しょうがの甘酢漬け……35g
イクラのしょうゆ漬け……適宜
桜でんぶ……適宜
卵……2個
砂糖……小さじ2
塩……少々
サラダ油……適宜
〈水溶き片栗粉〉
片栗粉……小さじ1と1/2
水……小さじ1と1/2
木の芽……適宜(クレソンやしその葉、ゆでた菜の花でも)
※お好みの刺し身でOKですが、まぐろははずさないのが野本流!
作り方
(1)
『基本のすしめし』の作り方(1)~(4)の手順を参照し、同様にする。
>>レシピはこちら
(2)
ボールに卵を割りほぐし、砂糖、塩を加えて混ぜる。水溶き片栗粉の材料を混ぜ合わせて加える。

(3)
フライパンにサラダ油を中火で熱してペーパータオルで拭く。(2)の1/2を流し入れる。

縁が乾いてきたら火を止めてひっくり返す。これをもう1枚焼く。



(4)
しょうがの甘酢漬けを粗いみじん切りにして、(1)のすしめしに混ぜる。

(5)
(3)を半分に切って重ね、横長に置く。手前から巻いて、端から細切りにする。


刺し身は一口大に切る。

(6)
大皿に(4)のすしめしを盛る。錦糸卵を散らし、刺し身、えび、桜でんぶ、イクラ、木の芽を順に盛りつける。






木の芽で彩りを添えたら……、
プロ直伝『海鮮ばらちらし』のでき上がり!

コシのある錦糸卵がたっぷりのおいしい〈ばらちらし〉! お好みの刺し身で作ってみてくださいね。
野本式としては、できるだけ大きな皿に、すしめしを薄く広げるのがおすすめ! すしめしとネタのバランスがよくなり、さらにおいしく食べられますよ。
華やかでかわいらしい、海鮮ばらちらし。ひな祭りにぜひ作ってみてくださいね。
谷中松寿司の旬ネタ
最後に松寿司の旬ネタをご紹介! 今回は『金目鯛』です。

冬から春に旬を迎えます。深海でとれることもあって昔からあるすしネタではないですが、今ではポピュラーに。
皮目をあぶったり、湯引きするのも人気ですが、松寿司では皮を引いてにぎることが多いです。すしめしとのなじみがいいんですよ。
脂ののったきんめを塩じめし、うまみを凝縮させてにぎるのが松寿司流!
さて、本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
次回の更新は3/8(金)。にんにく香る『ツナのオイル煮』のレシピを紹介します。

野本やすゆき
料理家、谷中で80年続く「谷中松寿司」三代目店主。
大学卒業後、調理師学校に通い、調理師免許を取得。家業の寿司店で修業するかたわら、フードコーディネータースクールに入校。卒業後、同校講師を経て独立。
料理家、寿司屋の二刀流で料理雑誌へのレシピ提供、テレビ番組や広告のフードコーディネートなど、食にかかわるジャンルで幅広く活躍中。
YouTube:野本やすゆきチャンネル
Instagram:nomotobase
谷中松寿司:yanakamatsusushi

写真・文/野本やすゆき