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2023.02.08
人気カレー店エリックサウス総料理長・稲田俊輔さんインタビュー「小説はウソ書き放題ですよ、に惹かれて。初小説を書きました」
みやざわひお/1994年、アメリカ生まれ。2015年にモデルデビューし、17年にTBS系ドラマ「コウノドリ」第2シリーズで俳優デビュー。NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」、映画「騙し絵の牙」、舞台「ピサロ」など数々の作品に出演。初主演映画「his」では第45回報知映画賞新人賞、第42回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞など、数々の賞を受賞。 Instagram 公式HP
エゴの中にある美しさ、
人間らしさを知ることができる作品。
これからも考えつづけ、
考えることを大事にしていきたい
ファッション誌の編集者として働き、洋服やアクセサリーが自分を守る鎧だと信じる浩輔。病を患う母親の面倒をみながら、パーソナルトレーナーとして働く龍太。二人がひかれ合い、思いやって生きていくさまを描いた映画「エゴイスト」は、どこかドキュメンタリーを見ているような作品です。
「リハーサルで、台本にはないお話を即興で演じていたからかもしれません」と、龍太を演じた宮沢氷魚さんは振り返ります。
リハーサルからカメラを回し、さまざまなやりとりを重ねていったのだそう。
「たとえば『何かを受け取る』と紙にお題が書かれていて、僕はそれを龍太として演じるんです。浩輔を演じる鈴木亮平さんは、また別のミッションを演じる。そうすると、お互いに自然と素のリアクションが出てくるんです。カメラが予想外の動きをするのにも慣れましたし、クランクインしてからもすんなり龍太として生きることができたと思います」。
それでも、やはりむずかしくてつらいシーンもあったそう。龍太が浩輔にある告白をし、受け入れ合う素地ができていく場面でのこと。
「充分いいシーンは撮れているのですが、何度やってもOKが出ない。僕自身も納得できなくて。時間をおいてまた何度もやりなおして、OKが出たころにはぐったりでした。ここまでやらせてもらえるのは、本当にぜいたくでありがたいこと。監督はじめ、だれ一人として妥協を許さない現場でした。だからこそ、生々しさが伝わる作品になったんだと思います」
そんな生々しいリアリティがあるからこそ、見終わった後にはタイトルの「エゴイスト」の意味がより深く心に残る人も多いかもしれません。宮沢さん自身も言葉に対する認識が変わったそう。
「『エゴイスト』って自分本位という意味しか持っていなかったんですが、エゴにある美しさや人間らしさを知ることができたな、と。さらに、何事に対しても向き合う気持ちが変わって、相手のためを思っていても、結局は自分のためなんじゃないか、と考えるようになったんです。常に考えちゃうから疲れるけれど、でもすごく大事なことだし、人として豊かになれる。そう感じさせてくれる作品だと思います」
日々の生活ではルーティンがあるほうが気持ちよく過ごせると話す宮沢さん。「朝起きてコーヒーを飲むとか、ジャズを聴くとか、あとは、時間があるなら朝ごはんを作るとか。最近は、朝ドラで弾いて以来、三線にハマっています。指がなまらないように、毎日1曲でもワンフレーズでもいいから、必ず弾くようにしているんです。こういうルーティンがあると、忙しくてもいい気分転換になるな、と思います」。
エッセイスト高山真の自伝的小説を実写化。14歳で母を失い、田舎町では自身のセクシュアリティを隠しながら思春期を過ごした編集者の浩輔。シングルマザーの母親を支えながらパーソナルトレーナーとして働く龍太。二人はお互いを支え合うようになるが、ある出来事がきっかけで、愛情が葛藤となり、自問自答へと変わっていく。
2月10日(金)より全国ロードショー 出演:鈴木亮平、宮沢氷魚ほか 配給/東京テアトル
(『オレンジページ』2023年2月17日号より)
撮影/鈴木康史 取材・文/晴山香織 スタイリング/庄 将司 ヘア&メイク/ Taro Yoshida(W) デザイン/広瀬 匡(FEZ)
・2023年1月現在の情報です。・価格は、特に記載のない限り消費税込みの価格です。改定される場合もありますので、ご了承ください。
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