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「今食べたいものも、10年後に食べたいものもこの本の中にある」休日課長×料理家・小田真規子『The 基本200』【夢の師弟対談 】

2024.04.12

休日課長さんの『The基本200』(2代目) 右:小田真規子先生の『The基本200』

連載「休日課長の『The基本200』を極める。」最終回スペシャル企画として、休日課長さんが師と仰ぐ料理家・小田真規子さんと夢の対談を実施!

インタビュー前編では、休日課長さんの『The基本200』愛を知ったときの小田先生の気持ちや、休日課長さんの特に思い入れのあるレシピなどの話で大盛り上がり!
課長さんの『The基本200』への愛の大きさに、小田先生がうるっとするシーンもありました。

前編>>
休日課長、感無量!バイブル『The 基本200』の著者・小田真規子先生と夢の対談【特別企画前編】

後編の今回は、小田先生のおすすめレシピや、休日課長さんが今後作りたいレシピ、ふたりから『The基本200』を手にとった人に伝えたいメッセージなどをお送りしちゃいます!

少ない調理道具でも、1口コンロでもできるレシピを

――課長さんはこの本からいろいろな料理を作りましたが、小田先生おすすめのメニューは何でしょうか?

小田:うーん……何だろう……豚汁肉じゃがですかね。

課長:それは意外ですね。どうしてですか?

小田:2品とも初めてのチャレンジをしたメニューなんです。どちらも野菜のおいしさを引き出すために「肉から炒めない」という作り方にしています。肉じゃがはじゃがいもから、豚汁はごぼうから炒めてそれぞれのうまみを引き出すようにしました。

課長:なるほど! 僕、じゃがいもがめっちゃ好きなんですけど、この本の肉じゃがが絶品だと思っていたのはそういうことだったんですね。あとは、肉じゃががフライパンでできるのもすごいなって。

小田:そうなんです。肉じゃがって煮汁が多いと煮くずれしたりうまみが逃げやすくなってしまうので、汁を少なくして素材が動かないようにフライパンで作っています。この本を作りはじめたころ、行平鍋を持っている人が減ってきていたんです。フライパンとパスタをゆでるような大きな鍋しか持ってない、と。限られた調理道具でできるレシピというのも、この本のミッションだったんです。
 
課長:わー! たしかに、調理道具のハードルが低いんですよ、この本。見たときに「全部うちで作れるじゃん!」って思いましたもん。あのころ、他の料理本ではこんな鍋持ってないよとか、こんな調味料買えないよとか、そういうレシピが多かったんですよね。だからうれしかったんです。当時は、玄関にキッチンがあるような狭い部屋に住んでてコンロも一つしかなかったから、本当に助かりました。それでもちゃんと作れたんですよ。

小田:それはねらいどおりです。ミニマムな環境でもできるように試行錯誤したので。今日作った餃子も、キャベツをゆでずに塩もみしましたよね。それはコンロが1つでもできるようにと考えてのことだったんです。
キャベツの塩もみをする休日課長さんと、それを見守る小田真規子先生
キャベツの塩もみをする休日課長さんと、それを見守る小田真規子先生
課長:全部の工程に意味があって、めちゃくちゃ説得力がある。先生がそこまで考えていたからこそだったんですね。この本のレシピには、「あの工程って必要だったのかな?」とか、「これっていっしょに炒めてもよかったんじゃない?」ってことがないんですよ。ああやって作ったからこの味になるんだって理解しながら食べられる。納得感があるんです。今回、連載をとおしてあらためてそれを実感しました。忘れていたコツもあったから(笑)、またここに戻ってきて、復習しないといけないなって思ってます。

――戻ってくるといえば、しょうが焼きの回では「迷子になったらまたこのレシピに戻ってくればいい。『しょうが焼き』の実家みたいなレシピ」と表現されていましたもんね

課長:作り方もそうだし、味つけもそうなんです。ここに戻ってくれば安心する、みたいな。
連載第9回で、“実家”と称したしょうが焼き
連載第9回で、休日課長さんがその味を“実家”と称したしょうが焼き
小田:うれしいです。みなさんに「最後に食べたいものは何ですか?」ってきくと炊きたてのご飯とみそ汁とか、から揚げって言う人が多くて。あれこれ手間をかけた料理もいいけれど、やっぱり王道のものに戻ってくるから、その場所を提案することが大事なんだなと思っています。

課長:調味料の話のときにも出ましたが、食べ疲れずにぱくぱくいけるのがすごくいいなって思います。ちょうどいいあんばいのレシピばっかりで。

 小田:この本では小さなお子さんでも、10代の食べざかりでも、40代や60代と年齢を重ねた人でも、みんなが「おいしい」と感じる共通点の味をめざしました。その結果が、70点とか80点の味。もう少し濃いほうがいい、パンチが欲しいという人は自分でたしたり引いたりして解決策を見つけてもらえたら。
 
課長:そうですよね。この本をベースにして、応用していけばいいんですから。

いつか親といっしょに『The基本200』のおせちを作ってみたい

――課長さんがまだ作っていなくてこれから挑戦したい料理はどれですか?

課長:おせちかな。連載で筑前煮は作りましたが、その他のメニューはまだなので、やってみたい。ここ数年、実家のおせちは取り寄せが多いんですよ。だから、親といっしょに作ってみようかな、と。みんなで作ったほうが楽しいと思うし、思い出になるだろうし。
連載10回目で作った筑前煮
連載10回目で作った筑前煮
小田:わー、いいですね! おせちなら、まずはなますがおすすめです。大根もにんじんも斜め切りしていくんですが、この切り方を覚えてほしくて。根菜類はこうすると味がしっかり出ますし、食べ心地のいい食感になります。長さも出るので、盛りつけたときにもきれいですよ。

課長:ごぼうはこの切り方ですが、大根を斜めに切ったことって意外とないかもしれません。挑戦してみます!

小田:ふだんの作り置きにもいいですよね。お酒にも合うし。ゆでだこを混ぜてもいいし、ごま油を加えたら中華っぽくもなるし。

課長:おー! たしかにいいですね。帰ったら作ってみます。

まずはレシピどおりに作ってみるべし! 休日課長さん&小田先生からのメッセージ

――最後に、この本を手にしたかたへのメッセージをお願いします

課長:僕から話していいですか。どうしてもこれだけは伝えたいんです。まずは、この本に書いてある通りに作ってください! しっかりこのとおりに作ると絶対に感動するので。その後にアレンジしていけばいいですから、まずはレシピどおりに! そして、作り方や味つけがブレたら、また戻ってきたらいいですよ。僕はそのことを本当に実感しています。

小田:すごくうれしい言葉です。私もそう思っています。この本には、みなさんが食べたいものが詰まっているって自負しています。今食べたいものも、10年後に食べたいものもあるから。損はありませんってお伝えしたい。それが、今回の課長さんの連載で実証されましたから(笑)

左:休日課長さんの『The基本200』(2代目) 右:小田真規子先生の『The基本200』
左:休日課長さんの『The基本200』(2代目) 右:小田真規子先生の『The基本200』
課長:何年も残りつづけるものを作るってすごいことですね。

小田:料理や本に限らず、どんなものでも人の気持ちに残ると、世の中にありつづけられるのかな、と思います。残る何か、魅力みたいなものが大事なのかな、と。

課長:いろんなことに通じますね。どんな仕事にもいえることだなぁ。思い出すようにします! (パラパラと本をめくりながら)うわー、フレンチトーストも作りたい。グラタンもいいんですよね……。いまだにどこ開いても「うわ!」ってなります、最高の本だな。

小田:もう泣いちゃいますよ……。終わりだから泣いてもいいかな。この本を作って心からよかったなと思っています。本当にありがとうございます。

課長:いやいやいやいや、こちらこそ、ありがとうございます。そして、これからもお世話になります!


小田真規子(写真左)

料理研究家、栄養士。女子栄養大学 短期大学部卒業。「料理・フードコーディネートのプロ集団」として活動する、株式会社スタジオナッツ代表取締役。栄養バランスがよくヘルシーでありながら、おいしく工夫に富んだレシピが人気。書籍、雑誌、広告、企業のメニュー開発など、幅広く活躍中。

休日課長(写真右)
1987年生まれ、埼玉県出身。「ゲスの極み乙女」「DADARAY」「ichikoro」「礼賛」の4バンドのベーシストとして活躍。音楽活動の合間にX(Twitter)やInstagramに日々の自炊写真をアップしている。妄想の彼女へ向けてのメッセージがおもしろいと評判に。2020年に著書『ホメられるとまた作りたくなる!妄想ごはん』(マガジンハウス)を出版、21年に同書が原案本としてドラマ化された。

撮影/伊藤徹也 撮影・文/晴山香織

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