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休日課長、感無量!バイブル『The 基本200』の著者・小田真規子先生と夢の対談【特別企画】

2024.04.11

休日課長がバイブルと称する愛書『The基本200』のレシピを1品ずつ作り、レコメンドしていく人気連載「休日課長の『The基本200』を極める。」も、先日とうとう最終回を迎えました。

最後にふさわしい回にしようと、『The基本200』の著者・小田真規子先生をスペシャルゲストにお迎え
ふたりでいっしょに餃子を作りました。

今回は、最終回のスピンオフ企画として、餃子を囲みながら特別対談を実施!
連載を通してあらためて気づいた『The基本200』の魅力や、小田先生といっしょに料理した喜びをお伝えします。

休日課長さんの『The基本200』愛を知ったときの小田先生の気持ちはいかに?
【番外編】休日課長、料理家・小田真規子さんの仕事場に潜入の巻! もお見逃しなく!

「長く売れる本」ということを、この連載が証明してくれた

――いよいよ最終回ということで、『The基本200』の著者である小田先生といっしょに餃子を作るというスペシャルな時間でした
 
休日課長さん(以下 課長):いやー、もう感無量です。先生とお話ししながら餃子を包めるなんて! 先生が想像以上にチャーミングで、温かく包み込むように接してくださってうれしかったです。ありがとうございます!

小田真規子さん(以下 小田):こちらこそ、ありがとうございます。ずっとお会いしたいと思っていたので、とてもいい時間でした。課長さんはお料理がお上手で、とてもていねい。さすがだなぁと思いました! 

 ――小田先生は、今回の連載をずっとご覧になってくださっていたそうです。初めてこのお話を聞いたときはどんなお気持ちでしたか?

課長:いやー、それ聞くのって正直怖いですが、教えてください!



小田:
本当に本当にうれしくて。雑誌の『Hanako』で『The基本200』を紹介してくださっていたのを拝見して、それだけでもうれしかったのに、連載もしてくださるなんてびっくりしました。お話をいただいたのがたしか年末だったんですよね。仕事が立て込んでくたびれていたところにお聞きして「えー! 楽しみ―!!」って思って。いい年越しになったなぁと思ったのを覚えています。

課長:そう言っていただけて、ありがたいです。本当に。

小田:
この本は、私が独立して初めて持った『オレンジページ』の連載をまとめたものなんです。この一冊がきっかけで、その後基本に基づいたお仕事もたくさんいただけたので、思い入れが強いんですよ。でき上ったときに、当時の『オレンジページ』の編集長さんが「僕はこの本を10年売りつづけます」って言ってくださったんです。正直、そんなに長く売れるかなぁって不安だったんですが、課長さんが証明してくれました。



課長:
この本が出たのが2008年? 僕は大学生だったんですよね。その後の大学院生になってからもずっと使いつづけていて、今でもバイブルなので、長く愛されている本だということは胸を張って言えます!

小田:あー、本当にうれしくて……涙が出てきちゃいます。

シンプルな味つけだからこそ、食べ疲れないし、作り疲れない

 ――小田先生、まだ対談の序盤なので、泣くのは我慢してください(涙)。課長さん、連載で料理を作ってみて、あらためて感じたことやこの本の魅力について教えてください

課長:この本から自炊を始めたものの、自分なりに応用して作っている部分もあったんですよね。だから、あらためてこのレシピで作ってみて、調味料がシンプルだなと思ったり、このコツがあるからこの仕上がりなるんだなって実感したりしました。

小田:調味料をシンプルにというのは、すごく気をつけていたことなんですよ。いろいろな調味料を使えばそれなりの味になるけれど、インパクトも味も濃くなってしまいがちですよね。毎日のごはんがそれでは飽きてしまう。かといって、焼いてただ塩をふればいいというわけでもない。適切な調味料を使いつつ、あえて70点くらいの味をめざしました。

課長:なるほど! たしかに100点が続くと食べ疲れちゃうっていうのはありますよね。作る側も疲れちゃうかもしれない……。外食なら100点以上をめざさないといけないかもしれないですけど。

小田:そうなんです。たとえばチャーハンなら、横にスープもあるかもしれないし、ザーサイを添えるかもしれませんよね。70点くらいにしておいて、3品並んで100点になればいいというくらいで。

課長:ちょっとたりないかも、くらいがいいんですよね。自分でたしたっていいんだし。先生のレシピ通りに作ると素材の味をきちんと感じられるんですよね。調味料が素材の味を引き立たせてるんだなってわかる。最近の料理って調味料の味しかしないことが多いけど、この本で作ると違うんです。本当に飽きないんです。

小田:まさにそれが伝えたいことだったので、うれしいです。手のこんだ料理を作ったり、調味料をたくさん使ったりしないと料理上手になった気がしないって人が多いんですけど、それが作り疲れや食べ疲れにつながるんじゃないかと思います。そうじゃないことが伝えられて、本当によかった!

休日課長絶賛! バイブル『The 基本200』の中でも特に思い入れのあるレシピ


 ――課長さんがこの本や連載を通して印象に残っているメニューは何ですか?

課長:
今の調味料の話からのつながりだと、この本で五目チャーハンを作ってから、しいたけをよく使うようになったんです。しいたけのうまみってすごいな! って思って。筑前煮のしいたけもやばかったです。



小田:
しいたけならではのおいしさってありますよね。「きのこなら何でもOK」とは書けないんです。しいたけには香りとこくがあるし、えのきにはトロッとした甘さがある。しめじは意外と苦味があるし、エリンギにはちょっと酸味があって。

課長:うわー、深いですね。チャーハンについては、しいたけのうまみがポイントというのも覚えているし、あとは、ご飯は少しさましてから卵と混ぜるというのも衝撃でした。パラパラになる答えが見つかった! って。ほかにも応用がきくんですよ。

連載2回目で休日課長さんが作ったチャーハン
連載2回目で休日課長さんが作ったチャーハン
小田:応用がきくというのが基本の料理のよさだと思うんです。例えばとんカツができるようになれば、他の揚げものもできるようになりますよね。

課長:そうなんですよ。あとはやっぱり焼きそばですかね。焼きそばの作り方ってきちんと習ったことがなかったんですよ。ずっとフラストレーションを感じていたんです。なんかグッとこなくて、もっとおいしく作れるはずだろうって。で、この本を見て作って食べた瞬間「これだ!」と思いました。麺にしょうゆで下味をつける、とかすごく勉強になった記憶があります。

小田:これはバラ肉を使うのがポイントなんですよね。焼きそばだと適当にと、豚こま肉を使うレシピが多いかもしれませんが、こま肉はいろいろな部位があるし、サイズもばらばら。もも肉が多い場合は硬くなってしまうし、大きいと麺とのなじみも悪くなってしまうから、ここではあえてバラ肉、と指定しているんです。

課長:なるほど、そういうポイントもあったんですね。かき混ぜテクもすごく勉強になったんで、印象的なメニューなんです。

小田:この本を作っているとき、ラインナップに焼きそばを入れるか迷ったんですよ。みんな作り方を知っているんじゃないかなって考えて。でも、課長さんにそう言っていただけたから、入れてよかったなと思います!

連載初回で休日課長さんが作ったチャーハン
連載初回で休日課長さんが作った焼きそば

少し緊張ぎみながら、その『The基本200』への愛を伝える休日課長さんと、始終ほほみながら「本当にうれしい!」と繰り返す小田真規子先生。

なんともほほえましいふたりの対談は、大盛り上がりのまま後半戦へ。

後編では、小田先生のおすすめレシピや、休日課長さんが今後作りたいレシピ、ふたりから『The基本200』を手にとった人に伝えたいメッセージなどをお送りします。

乞うご期待!
後編>>
「今食べたいものも、10年後に食べたいものもこの本の中にある」休日課長×料理家・小田真規子『The 基本200』【夢の師弟対談 】

小田真規子(写真左)
料理研究家、栄養士。女子栄養大学 短期大学部卒業。「料理・フードコーディネートのプロ集団」として活動する、株式会社スタジオナッツ代表取締役。栄養バランスがよくヘルシーでありながら、おいしく工夫に富んだレシピが人気。書籍、雑誌、広告、企業のメニュー開発など、幅広く活躍中。

休日課長(写真右)
1987年生まれ、埼玉県出身。「ゲスの極み乙女」「DADARAY」「ichikoro」「礼賛」の4バンドのベーシストとして活躍。音楽活動の合間にX(Twitter)やInstagramに日々の自炊写真をアップしている。妄想の彼女へ向けてのメッセージがおもしろいと評判に。2020年に著書『ホメられるとまた作りたくなる!妄想ごはん』(マガジンハウス)を出版、21年に同書が原案本としてドラマ化された。

【番外編】休日課長、料理家・小田真規子先生の仕事場に潜入の巻!

連載最終回&対談で小田真規子さんの仕事場「スタジオナッツ」を訪れた休日課長さん。
せっかくなので、いっしょに料理をしたキッチン以外のお部屋も見学させてもらいました。
地下への階段を下りてみると……、

課長:うわ~!! すげ~!! 素敵な器がたくさん!

小田:広告のお仕事も多くて、クライアントのご要望があったりするので、そのつど購入したりするとどんどん増えて。だからいろいろなお皿があるんです。

課長:これはびっくりだな……、しかもきれいに整理されて……! 先生、器って何枚くらいあるんですか?

小田:もう、わかりません(笑)!

課長:(笑)。想像をはるかに超える量だった……!

課長:この器かわいいな~。

小田:こっちはクロスですね。

課長:すごいきれい。色別にグラデーションになって並んでる! すげ~。

小田:私だけじゃなくスタッフも使うので、整理しておかないと使うときに困っちゃうのでね。とはいえまだ整理しきれていないんですけど……。

課長:いやいや、きれいに整理されていて気持ちいいです!

課長:これ、1000じゃきかないだろうな……。

小田:いつか棚卸とかもできたらいいなって思ってるんですけどね。整理してフリマしたり。

課長:そのフリマ行きたいっす(笑)! やるときは呼んでください! いやはや、すごかった~。


番外編おしまい。

撮影/伊藤徹也 撮影・文/晴山香織

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