前回 なめらかな口当たり……しみじみおいしい基本の「ほうれん草の白あえ」のレシピ【休日課長が挑戦】こんにちはこんばんは、休日課長です。この連載はひと言で説明すると、人のふんどしで相撲を取ります。私がお世話になったレシピ本・小田真規子さんの『The基本200』の料理を作って、食べて、その素晴らしさを暑苦しく語る企画。
今回13回目は、とうとう最終回になります!
最終回はなんと……
小田先生と「餃子」を作るスペシャル回!
うれしいし、緊張するし……でもやっぱうれしい餃子作りパーティです!
小田先生、本日はどうぞよろしくお願いします。
小田先生「こちらこそ、どうぞよろしくお願いします」
基本の「焼き餃子」のレシピ
【材料(24個分)】
〈たね〉
キャベツの葉……4枚(約200g)
にら……1/2束(約50g)
豚ひき肉……100g
にんにくのすりおろし……1/2かけ分
しょうがのすりおろし……1/2かけ分
砂糖……大さじ1/2
しょうゆ……大さじ1/2
酒……大さじ1/2
ごま油……大さじ1/2
餃子の皮……1袋(24枚)
片栗粉
塩
サラダ油
ごま油
しょうゆ
酢
ラー油
具材のおいしさを引き出すためのひと工夫と、簡単なのにうまくいく包み方
たねが水っぽくならずにしっかりと具材の味を引き出すためのポイントが素晴らしいです! さらに、包みやすく形よく仕上がるコツも! 餃子を包んだことのないかたも、ぜひこのレシピから始めてほしいですし、経験のあるかたも、一度小田先生のテクニックを経験すれば、今後の餃子人生が変わると思いますのでぜひ! うおー緊張してきた!!
【作り方】
①下準備をする
キャベツは包丁の刃先で、しんの両側にV字の切り目を入れてしんを取り、粗みじんに切る。にらは根元を切り、幅3~4mmに切る。バットに片栗粉大さじ2を入れ、全体に広げる。
小田先生「課長さんキャベツの粗みじん、いつもどれくらいの大きさに切ってますか?」
休日課長「今日ごいっしょできるのが楽しみでしかなかったんですけど、よくよく考えたらめちゃ緊張しますね!(笑) これくらいでどうでしょうか? 大きいかな」
小田先生「大丈夫ですよ。粗みじんって本に書いてあったら、みなさんどれくらいの大きさに切るのか知りたくて。これくらいでも……食感が残っておいしそう」
②野菜に塩をふってしばらくおく
大きめのボールにキャベツとにらを入れ、塩小さじ1を加える。手で強くつかむようにして全体に塩をからめ、そのまま10分ほどおく。
休日課長「うーん色鮮やか!」
③ 野菜の水けを絞る
②の野菜をひとつかみ持って手のひらにのせ、両手で強く握るようにして、しっかりと水けを絞り、別のボールに移す。残りも同様にする。
休日課長「こうすることで、たねが水っぽくならないんですよね! ぎゅっと、絞っちゃいましょう」
小田先生「絞ったときにこぼれ落ちた野菜も集めて、無駄なく使いましょうね」
休日課長「はい!」
④材料を混ぜ合わせてたねを作る
野菜のボールに、残りのたねの材料を入れ、手で強くつかむようにして混ぜる。
全体がまんべんなく混ざったら、指を閉じ、円を描くようにぐるぐると練り混ぜる。たね全体に、ねっとり粘りが出てきたら混ぜ終わり。
小田先生「この
指を閉じて練り混ぜるというのには、意味があって。手が温かい人が長い時間手のひらを使って混ぜてしまうと、ひき肉の脂が体温で溶けてしまい、たねが少しだれてしまうので、それを防ぐためなんです」
休日課長「なるほど! 自分、きっとこの知識を別のところで自慢げにしゃべっちゃいますね! 友達の前とか(笑)」
小田先生「ちなみに課長さん、いつもこのあとすぐに包んじゃいますか?」
休日課長「そうですね。いつもだったら普通に包んじゃいます」
小田先生「たねって、途中でたりなくなったり、1個当たりこれくらいかな? もうちょっとかな? って調整したりすることありません?」
休日課長「ああ~、めっちゃありますね!」
小田先生「本には書かれていないんですけど、これ試してみてください」
休日課長「え? どんな方法ですか??」
小田先生「でき上がったたねをアルミやホーローの小さなバットに入れて、スプーンの反対側であらかじめ個数分に分割しておけば、1個当たりの量で迷わないんです」
休日課長「あー!! なるほど!!」
小田先生「脂でたねがゆるくなってきたときも、このままちょっと冷蔵庫に入れれば、熱伝導ですぐに冷えるし」
休日課長「これは気持ちいい! なんで今まで気がつかなかったんだろう……さすがです!」
小田先生「こうしておけば、今日みたいにだれかといっしょにつつむときでも、人によってたねの量が違ってきたりしないし、いいんですよ」
休日課長「すごいな~。今日どんだけ勉強になる回なんだろう。餃子ひとつで、こんなに成長できるなんて!」
⑤餃子を包む
餃子の皮1枚の中心に、たね小さじ2をこんもりとのせる。指で皮の縁にぐるりと水をつけて2つ折りにし、皮の真ん中の部分だけを1カ所はりつける。
はり合わせた部分を持ったまま、餃子をまな板に2~3回かるく打ちつけ、底の部分の形を整える。片側の端を閉じてから、ひだを1個作って真ん中のほうに倒す。反対側も同様にし、合計2個のひだを作る。指をずらしながら、皮の縁全体をつまんで押さえ、しっかりと閉じて、片栗粉を広げたバットに入れる。
残りも同様にし、表面が乾かないように、焼く直前までぴったりとラップをかけておく。
休日課長「こうすることでいい形に仕上がる!」
小田先生「こうやっていっしょに料理できて、本当にうれしいです!」
休日課長「僕もうれしいです!」
小田先生「じつはこの包み方は、私がいつもやっている包み方とは違うんです。『The基本200』を手にとった料理初心者のかたにとって、むずかしくなくて達成感もあるのはどんな包み方かなって考えて。「ひだ」だ! って思ったんです。ひだが2つあれば達成感もあるでしょう」
休日課長「たしかにこれは初めての人でも包みやすいですよね!」
小田先生「ひだって小麦粉を食べる部分だし、ひだがあれば食感も変わるし、ひだのところに肉汁もたまるんですよ」
休日課長「なるほど。ひだについてそこまで考えたことがなかったけどたしかにそうだな」
休日課長「おお、先生とほぼ同じ形だ! 包みやすいんですよね。先生とほぼ同じ形にできるってことは、それだけ『The基本200』がわかりやすく書かれているってことなんだよな」
⑥餃子を焼く
フライパンで12個ずつ、2回に分けて焼く。直径約26cmのフライパンにサラダ油大さじ1を入れ、中火で熱する。餃子を、余分な粉をざっと落としながら並べ入れ、2分ほど焼きつける。餃子を持ち上げてみて、底の部分にかるく焼き色がついていればOK。
休日課長「う~ん、もうちょい焼き色つけたいかな?」
小田先生「では、もうちょっと焼きましょう!」
⑦餃子を蒸し焼きにする
水1/2カップを回し入れて強めの中火にし、ふたをする。皮が透き通って水分が完全になくなるまで、様子をみながら5~6分蒸し焼きにする。
休日課長「う〜ん、いい音!」
⑧仕上げ
ごま油小さじ1~2を鍋肌から回し入れ、さらに1~2分焼く。餃子を持ち上げてみて、底全体にこんがりと焼き色がついていたら焼き上がり。器に取り出し、フライパンをペーパータオルでさっと拭いて、残りも同様に焼く。
しょうゆ、酢、ラー油各適宜を混ぜてたれを作り、餃子をつけていただく。
休日課長「よし、いいかな? うん、うまそうな焼き色ついてる!」
小田先生「いい感じ」
休日課長「あれ、うまくひっくり返せない。こんなところでつまずくとは」
小田先生「ふふふ、緊張してますか? がんばって!」
基本の焼き餃子が完成!
休日課長「できました! うまそ〜!」
いざ、実食!
先生が包んだものを休日課長さんが、休日課長さんが包んだものを先生が食べます。
休日課長・小田先生「乾杯!」
休日課長「この本を初めて手にとったときは、こうやって先生といっしょに餃子を作って乾杯するなんて思ってもみなかったです!」
小田先生「私も、今日は課長さんとごいっしょできて本当にうれしい! 幸せです」
休日課長「ああ~、おいしい! 何個でも食べられちゃいます!」
小田先生「うん、『The基本200』の料理を食べると、初心にかえります。」
休日課長「ご飯と餃子も、最高。幸せ。おいしいです!」
小田先生「しみじみするおいしさ。グッときますね」
今回は素晴らしい料理情報盛りだくさんでしたね! たねの野菜の水けをしっかり絞ることで素材の味がしっかり感じられましたし、いやぁやっぱりこの包みやすさは小田先生の愛ですね。料理を楽しくおいしくできるように、小田先生の愛が詰まった『The基本200』であることをあらためて感じました。
あとがき
緊張もあってキャベツはいつもよりも大きな粗みじんになってしまいましたが、これが意外と好きでした! 先生のおっしゃったと通り食感がしっかり。手料理ってだから飽きないですよね。
そしてもうわざわざ言うことじゃないんですが、小田先生はやっぱりすごかった……たねをバットに広げて個数分に分けちゃうってのは目からうろこでしたし、一つ一つの動作に無駄がなく、大尊敬です!
懐の大きさにも感銘を受けました。
人に自分のレシピ本の説明をされてたわけですから、自分だったらイライラしそうなもんですが、もう終始にこやかで、やさしくアドバイスしてくださり……。
この日の感動は一生忘れません。
ごいっしょした日から、家で『The基本200』を見るたびにこの素晴らしい料理体験のひとときを思い出します。
そして最後に……
小田先生にまさかの企画ご快諾をいただいたことに始まり、スタッフのみなさまが素敵なかたがたで、非常に毎回撮影が楽しく、最高の全13回でした!
ご覧いただいていたみなさま、今回が最終回になりますが、またオレンジページでお会いできることがあったらうれしいです!
小田先生、ごちそうさまでした!
ではまた!
今回使った「ふるさと納税返礼品」
「北海道斜里 ひき肉 -匠の豚- サチク麦王」 五十余年の歳月で培った匠の技術、豚肉サチク麦王を使ったひき肉。
「真っ白で甘みの強い脂肪」と「非常に高い保水力を持った赤身」を両立した、ジューシーでシンプルなおいしい豚肉です。
この返礼品の詳細はこちら!さとふる 北海道知床斜里産豚肉 ひき肉 計1.8㎏ 小分け 200g×9袋 -匠の豚- サチク麦王
休日課長
1987年生まれ、埼玉県出身。「ゲスの極み乙女」「DADARAY」「ichikoro」「礼賛」の4バンドのベーシストとして活躍。音楽活動の合間にX(Twitter)やInstagramに日々の自炊写真をアップしている。妄想の彼女へ向けてのメッセージがおもしろいと評判に。2020年に著書『ホメられるとまた作りたくなる!妄想ごはん』(マガジンハウス)を出版、21年に同書が原案本としてドラマ化された。 Instagram:
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