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「家を出た長男から3年ぶりの弁当リクエスト。張り切りすぎて前日は寝られませんでした(笑)」【亜希さんインタビュー】

2024.04.02

亜希さん

4月からお弁当生活がスタートする多いはず! そんな人にぜひ手に取って欲しいのが、今メディアで大活躍の亜希さんの書籍『亜希の「ふたが閉まるのか?」弁当~母ちゃんと息子2人、笑いと涙の18年の弁当記録~』。
豪快でおいしそうな弁当の簡単レシピだけでなく家族の話や、野球のこと、亜希さん自身のあれこれをつづったエッセイもたっぷり掲載されています。

でき上がったばかりの一冊を手に、18年にわたるお弁当生活についてお話を聞きました。後編に分けてお届けします。

3年ぶりの長男へのお弁当と、次男の弁当ラストイヤーへの気持ち

――一冊を振り返ってみて、特に印象深いお弁当はどれですか?

どれも思い入れがありますが、ソースカツは地元・福井の味ということもあって大好きなメニューです。食べている最中のお弁当の写真があるんですけど、すごく迫力があって大好き! 息子たちにもよく作りました。小学生時代かな。
ソースカツは亜希さんの愛する地元・福井のソウルフード。甘辛ソースをからめた一口サイズのカツがポイント。


――エッセイには、験担ぎとしてよく作られていた、と書かれていました。

カツ=勝つ! でね。勝ってくれ、打ってくれ。ついでにテストも頑張ってくれ、って(笑)。
私は、母を亡くしたのが思っていたよりも早かったんです。だから母の料理についてあれこれ話す時間があまりなくて、もっといろいろ聞きたかったなぁって思う。だからこそ、息子たちにも母の味、ふるさとの味を知ってほしいっていう気持ちが強いのかもしれません。それがお弁当になると、きっと記憶としてより強く残ると思うんですよね。そう信じたいっていう恩着せがましい気持ちもあるんだけど(笑)。だから、こんなふうに一冊として残せたことは息子たちにとってもよかったと思っています。
東京・釜浅商店で行われた新刊発売記念イベントでは、ソースカツのデモンストレーションも。山盛り具合に参加者から拍手喝采!

――エッセイのページには、「母ちゃんLOG」として、過去に作ってきたお弁当や息子さんたちの写真もいろいろと掲載されていますね。

インスタグラムに載せた写真が多いんですが、未公開のカットも入れました。息子たちの話を書いていたら、幼いころの写真も入れたくなって。これはもう私が生きてきたあかしだし、子どもたちがいてこそのお弁当の記録だなって、あらためて思ったので。

――小さいころのお2人が本当にかわいくて。でももうすっかり成長されて、長男の省吾さんは自宅を離れて寮で生活だそうですが、ときどき亜希さんのごはんを食べたりするんですか?

それがね! この前久しぶりにお弁当を頼まれたんです。大学の野球部で遠征に行くから車で送っていってほしい、お弁当もいっしょに作ってくれって。いつもはコンビニのものやチームからのお弁当を食べているんだけどね。よく考えたら3年ぶりのお弁当。もう張り切りすぎて寝られなくなって、結局午前2時に起きて作りはじめちゃって(笑)。

――2時! どんなものを作ったんですか?

白ご飯にしようと思ってたんだけど、たけのこがあったら2時からたけのこご飯を炊きはじめて。あとは何品もおかずを作りましたよ。お弁当を作るドキドキな感じ、おなかいっぱいって言わせたい! って思いを久しぶりに思い出して、お弁当を作るってこういう気持ちだったなーって。次男には毎日作っているけど、そういう気持ちってやっぱり薄れていくもの。久しぶりに作るお弁当もいいものだなーって思ったんです。
――久しぶりにだれかに作るお弁当って、だれしもに訪れる機会かもしれませんね。

そうなの! 成長した子どもだったり、孫だったり、家族じゃなくても友達に作ったり。何年後かに作るお弁当ってまた気分が違って、新鮮でいいもの。その気分を味わえるのは、ずっと作りつづけてきたからこそでもあります。新鮮さをあらためて味わったから、毎日のお弁当を平常心で繰り返すことの大切さも実感しました。

――毎日作る、次男の勝児さんへのお弁当は、4月からの1年でとうとう終わりになりますが、どんな気持ちですか?


そう、ラストイヤーなんですよ。18年も作ってきて、ラスト。そう思うと今までとは違う感覚が芽生えそうだなって予感はあります。気持ちは変わってくるだろうなって。勝児のために作るお弁当ではあるんだけど、自分のこれからを考える1年になるかなと思ってる。自分の生き方を見直せるような、考えながら作ることになるだろうなって。一人暮らしになるだろうから、お弁当作りが終わった後のこと、自分がどういう生活をしていきたいかを考えながら作りたいなと思ってます。矢印を自分に向けていくような気持ちに変わっていくんだろうなって。

人と比べず、それぞれの記録や物語を大切に


――その変化もまた楽しみです。これからお弁当生活が始まるかたや、まだまだ続いていくかたへのメッセージをお願いします。

 
私自身、これまで18年間作りつづけてきたから、今の気持ちに到達したんだなと思うことがたくさんあります。だから、今取り組んでいるかたも、これからのかたも、続けていくとわかることや味わえる気持ちがたくさんあるはずだと思います。

――経験するからこそ、続けていくからこそわかることがある、と。

そうなんですよ。ちょっと話がそれるけれど、この年になって初めてバイオリンを始めたんです(「高嶋ちさ子のザワつく!音楽会 2023」でバイオリンに初挑戦!)。
まさか自分が悔し泣きするなんて思ってもみなかったくらい夢中になって。とことん練習して頑張ってもうまくいかないことがある。そういう経験をした今の私だったら、息子たちにかける言葉も違うと思うんです。「もっと練習しなさい、頑張りなさい」って言ってた当時は、本当に彼らの気持ちを理解できていたかわからない。悔しい思いを味わった今だったら、もっと違う言葉を伝えられたんじゃないかなって。

――経験するからこそ、続けていくからこそわかることがある、と。

大切なのは、人と比べないことだと思います。マラソンみたいなもので、スタートしたばっかりの人もいれば、給水所にいる人もいて、ゴール間近の私のような人もいる。それぞれなんですよね。あとがきにも書いたんですが、みんな大切にするものが違うから、家庭ごとの物語ができるし、おもしろいんだと思う。みんなが同じように走って同じ地点にいるんじゃつまんないし。それにね、ゴール間近の私自身もまだわかっていない答えがあるだろうなとも思うんです。答えがわかるのってもっと先かも。お弁当が記憶になって、作る人や食べる人の思い出になって、何年後かにギフトになって返ってきたらいいかな、と。

――人と比べないというのは、とても大切だし、比べなければすごく楽になると思います。それに、亜希さんがお弁当以外は適当ということも、安心感につながるかな、と(笑)。

全部が完璧なんて無理! 朝ごはんが適当になる日もあるし、夜ごはんが外食になることもあるし、お弁当のおかずが買ってきた焼きとりになることだってある。私の場合は、自分のためにお弁当を作ることが一日を始めるスイッチになって、ストレッチのようになるいい時間だなと思っているけれど、それは人それぞれでいいと思うんです。無理しないことが大事。

――そう言ってもらえると救われます。お弁当を続けるモチベーションについて聞かれることも多いと思いますが?

私はね、キッチンをきれいにしておくこと。朝起きてきれいだとがぜんやる気になる! ガス台も水まわりも全部きれいにしておきます。その代わりお風呂の水まわりは、ぬるぬるってこともある(笑)。ほかにも、インスタに載せるとか、写真を撮って記録しておくのもモチベーションにつながると思います。料理のコツとしては、毎日のことだからしんどくならないように、すきま要員になるおかずはなるべく作りおきしておくようにもしたり。お弁当箱を替えるだけでも、いいですよね。

――ちょっと小さめのお弁当箱にして、「ふたが閉まるか?」弁当にしたり!

いつもと同じおかずでも違って見えるはずです。どんな朝でも、まずはこの表紙の私とあいさつすることから始めてみてください(笑)。きっといいスイッチが入るはずです! 
〈PROFILE〉

亜希

(料理家・コメンテーター・ファッションブランドディレクター)
1969年、福井県生まれ。2019年にモデル業を引退。現在はアパレルブランド「AK+1」のディレクターを務めながら、テレビのコメンテーターや料理家として活躍。大学生と高校生の男児を育てている。食べざかりの息子たちに作る豪快な料理や、明るく飾らない人柄が、幅広い世代に人気。日テレ系の情報番組「DayDay.」にて木曜レギュラー(隔週)として活躍中。YouTube「亜希の母ちゃん食堂」配信中。オンラインサロン「まどい家の人々」も好評。著書に『家 ごはんと野球』(CCCメディアハウス)ほか。

亜希の「ふたが閉まるのか?」弁当~母ちゃんと息子2人、笑いと涙の18年の弁当記録~

18年にわたり、野球に打ち込む2人の息子に豪快弁当を作り続けてきた亜希さん。待望の初弁当レシピ本が発売! おいしさもボリュームも規格外のレシピは、見るだけでおなかが空いて元気になれるはず。家族、子育て、野球……。充実のエッセイ&コラムも必読です。お弁当を作る、すべての人へエールとなる一冊!/1760円 オレンジページ

取材・文/晴山香織 撮影/阿部健 弁当写真/伊藤徹也

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