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【老後資金と教育費】老後ローンはないからセットで準備!FP前野彩さんが教える備え方

要約

・教育費と老後資金を両立するための考え方や、制度の上手な活用法をFP・前野彩さんが解説。
・教育費が足りない場合は、奨学金や教育ローンも選択肢に。給付型や無利子の奨学金から検討を。
・iDeCoで老後資金を積み立てながら節税。住民税が下がることで、大学の支援対象になる可能性も。


わが子に充分な教育を受けさせたい。でも、教育費をかけすぎると、親自身の老後資金が不足することも……。

じつは、教育費と老後資金は別々ではなく、セットで考えるのがポイント。1級FP技能士・前野彩さんに、教育費と老後資金を無理なく準備するための考え方や制度の活用法を教えてもらいました。

※入学金、授業料等を含む。文部科学省「私立大学 入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人 あたり)の調査(2025 年)」「国公私立大学の授業料 等の推移(2023年)」をもとに計算

※2026年9月24日時点の情報です。

教育資金がたりない場合は、「借りる」という選択肢も

家計にゆとりがないときは、奨学金を利用するのもひとつの方法です。実際、大学学部(昼間部)の51%が奨学金を利用しています※。利用する際は、利息負担を抑えるため、①返済不要の給付型奨学金、②無利子の第一種奨学金、③有利子の第二種奨学金、④国の教育ローン、⑤民間の教育ローンの順で検討を。子どもが社会人になり家計に余裕ができれば、親が繰り上げ返済を支援する方法もあります。

※日本学生支援機構「令和6年度学生生活調査」

奨学金・教育ローンの種類

●給付型奨学金(返済不要)
原則、返済不要の奨学金。一定の家計・学力基準あり。

●第一種奨学金(無利子)
無利子の貸与型。学力・家計の基準があり、第二種より厳しめ。

●第二種奨学金(有利子)
年3%を上限として利子がかかるタイプ。在学中は無利息。

●国の教育ローン(日本政策金融公庫)
固定金利で、子1人につき原則350万円( 一定条件で最大450万円)まで融資可能。

●民間の教育ローン
融資限度額や金利などは金融機関ごとに異なる。

iDeCo活用で老後資金づくり+教育費の負担軽減にも

iDeCoは老後資金を積み立てながら、掛金が全額所得控除となり、所得税・住民税を軽減できる制度。大学の授業料等減免や給付型奨学金は、年収そのものではなく住民税で支援区分を判定するため、iDeCoで住民税が下がれば、支援対象になることも。夫婦で年60万円ずつ拠出した例では(下の表)、住民税が21万6300円から14万4300円に減り、無利子の第一種奨学金も対象に。2027年1月にはiDeCoの掛金上限が引き上げられます。

【例】iDeCo活用で大学支援策が広がる!

年収/夫550万円・妻400万円
子ども2 人(大学生 1人・高校生 1人)

         iDeCo活用なしiDeCoで年60万円
×2人で積み立て
住民税(夫婦合計)21万6300円14万4300円
対象となる支援・第二種(有利子)奨学金のみ・第一種(無利子)
 +第二種(有利子)
 奨学金
・給付型奨学金1/4
・授業料等減免1/4

※住民税は「課税標準×6%-調整控除(おおむね1500 円)」で算定(高等教育の修学支援新制度における市町村民税分の算定式)。社会保険料控除は年収の15%として試算。掛金は2027年1月の拠出限度額引き上げ後の上限内を想定(会社員は現在の月額2万3000円から6万2000円に引き上げ)。

教育費には奨学金や教育ローンという選択肢がありますが、「老後ローン」はありません。親としてどこまで負担するかを考え、教育費と老後資金を無理なく両立できる計画を立てましょう。

教えてくれたのは……前野 彩さん

CFP®認定者、1級FP技能士。株式会社Cras代表取締役。養護教諭からFPに転身。リアル&オンラインの個人相談は延べ7000件を超える。著書に『教育費の不安にこたえる本』(日経BP)、『本気で家計を変えたいあなたへ』(日本経済新聞出版)など。

(『オレンジページ』2026年11月2日号より)

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監修/前野 彩 イラスト/沼田光太郎 取材・原文/太田順子 文/池田なるみ