
中学生の娘が全く勉強しません。親ができる「やる気を出させる方法」って?脳神経外科医解説

なかなか勉強に身が入らないうちの子。どうしたら、やる気モードになるのか……。
そこで今回は、脳神経外科医・菅原道仁先生に、「やりたくない脳」から「やりたがる脳」に変わる科学的アプローチを教えていただきました。
【お悩み】机に向かっても、勉強モードにならず、だらだら。

中学生の娘は、勉強を始めるまでに30分うだうだ。ようやく始めたと思っても10分勉強したら、すぐに他のことに気を取られてだらだら。どうしたら集中して勉強に取り組めるようになりますか?
【処方箋➀】大げさにほめる

ほめられた人は、脳内のA10神経が刺激されてドーパミンが放出され、幸福感に包まれることがわかっています。
アメリカの研究によると、「教師にほめられて期待された生徒」と「そうでない生徒」では成績の伸びに明らかな違いが見られるという結果が。「ほめて伸ばす」は脳科学的にも理にかなっているのです。
ほめる内容を具体的に挙げて、「よく頑張ったね!」「すごいね!」と少し大げさにほめるのがポイント。
【処方箋②】勉強中の姿勢をチェックする
猫背でうつむきながら机に向かっていませんか? 正しい姿勢がとれていないと、首や肩、腰に負担がかかり、集中力が維持できません。 同時に肺が圧迫されて脳に充分な酸素が取り込めなくなるため、記憶力が低下したり、すぐに疲れてしまうなどの悪影響も。
ポイントは、骨盤を立てて座ること。椅子に浅く座り、背中にクッションや丸めたバスタオルを当てると姿勢が安定します。バランスボールを椅子代わりに使うのも◎。

ちょっとした声かけや姿勢の工夫が、子どものやる気を引き出すきっかけに。
意思や根性だけに頼らず、脳の仕組みを味方につけて。勉強に前向きになれる環境づくり、今日から始めてみませんか?
教えてくれたのは……
菅原道仁さん
脳神経外科医。菅原脳神経外科クリニック院長、菅原クリニック 東京脳ドック理事長。現在は、頭痛、めまい、もの忘れ、脳の病気予防の診療を中心に行う。『すぐやる脳』(サンマーク出版)など著書多数。
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監修/菅原道仁 イラスト/いいあい 原文/太田順子 文/池田なるみ