親子の向き合い方、家族のあり方に新たな気づきをくれた【読書の秋】
はじめまして、このたびオレぺエディターとして活動させていただくことになりました、おかゆと申します。
普段は医療機関のライターとして執筆や広報業務を担当しております。
オレぺエディターブログでは、大学時代に取得した栄養士の知識を活かしながら健康やライフスタイルに関するブログを執筆していけたらいいなと思っております!
どうぞこれからよろしくお願いいたします◎
私生活では、読書が趣味の私なのですが、今回は「家族」に関する自分の考え方に大きな影響を与えてくれた一冊をご紹介します。
その一冊は、坂口恭平さんの「その日暮らし」というエッセイです。
作家や画家、建築家、あるいは音楽家としてさまざまな創作に携わる坂口恭平さんは、私の好きな作家さんのうちの1人。
多種多彩な才能を兼ね備える彼ですが、長年躁うつ病の症状を抱えており、自分自身の心と深く対峙・分析しながら日々の創作活動を続けておられます。
そんな坂口さんが、躁うつの症状とともに自分自身や家族、創作活動と向き合う日々をエッセイとして丁寧に優しく綴っておられるのが「その日暮らし」になります。
家族はチーム。親子がフラットに支えあえる関係
そんな坂口さんの日々の中でも、特に奥さまと2人のお子さんとのやりとりが綴られているシーンが私は印象的でした。
家族を一つのチームとして捉えて接する坂口家は、良い意味で上下関係がありません。困っている人がいるなら助けるのがチームの一員の役目だという雰囲気が自然と家庭内に醸成されています。
必要以上の干渉はしないけれど、いつもお互いがそっと見守りあっている。そんな関係に理想の家族像を感じました。
2人のお子さんは、相手を思いやる気持ちやそのための行動・言動ってどういったものなのかを、自発的に考えて実践できる人間として成長されているように思いましたし、そんなお子さんたちの様子に頼もしさすら感じるほど。
でもそれはきっと、坂口さんご夫婦の普段からの他者への接し方や思いやりが、しなやかなものであるからで、お子さんたちが自然と見て感じて学べる環境が築かれているからなんだろうなとも思いました。
そんなふうに、肩肘張らず穏やかな「チーム」を築かれている坂口家の様子が、私の子育てに対するプレッシャーをもじんわり和らげてくれたのです。

生まれてくる息子との関係を想って。
私ごとですが、現在第一子を妊娠しています。
はじめての子ども。育児。親子関係ーー。夫と子と3人家族として生きていく未来に、もちろん喜びや楽しみはありますが、それと同時にちゃんと親としてやっていけるのか、最近は漠然とした不安にかられることも。
親という存在はしっかりしないといけない。弱みを見せてはいけない。子どもに心配をかけてはいけないーー。
これから親になる私自身、そういった圧力を無意識のうちに自分にかけてしまっていたのですが、このエッセイを読んで、案外そうでもないのかもと気づかされ、肩の力がスッと抜けていきました。
今は夫と2人のチーム。もうすぐ新メンバーが増えるからしっかりしなきゃ!とガチガチになるのではなく、チームメンバーが増えることに心強さすら感じられるような、フラットで思いやりと愛に溢れた家族関係を私たちもめざしていきたいと強く感じました。
そのためにも、まずは私自身が弱い自分も苦手な自分も受け入れて、自分を愛してあげられる人間になるところからはじめてみようと思います。
■ その日暮らし
著者 坂口恭平
編集・発行者 加藤木礼
発行所 palmbooks
装幀 仁木順平
印刷・製本 モリモト印刷株式会社
定価 本体1,600円+税










