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オレぺ日本酒部 酔い子の今夜の推し酒

【八仙 prototype】 とトマトのマリネで週末は昼酒を

2023.08.13

残暑お見舞い申し上げます。
「オレンジページ日本酒部」部員の、ニックネーム・酔い子です。

夏は暑い、とっても暑い! けれど、まぶしいほどの空の青さはこの時期ならではの美しさです。8月は、<今夜の推し酒>といいつつ、夏場は青空の下でグラスを傾けたら、さぞ気持ちいいに違いないと、週末の晩酌ならぬ「昼酌」を勝手に提唱。

今月は、この1本をご紹介します。

さわやかな飲み口は夏の乾杯酒にぴったり!
「八仙 prototype 2023」(青森県・八戸酒造)

7月に、JR東日本が主催する「あおもり地酒AQE号」に乗車しました。
青森駅⇔蟹田駅間を往復する行程で、青森屈指の酒、田酒、豊盃、八仙、鳩正宗を醸す杜氏さんも列車に乗り込み、酒造りについてのお話しを聞きながら、乗車時に配られた夏にぴったりのお酒とおつまみを、ゆっくり流れる景色とともに味わいました。

その楽しすぎる地酒列車ツアーで出会ったのが、
青森県・八戸酒造の「八仙 prototype 2023」

プロトタイプ=試作品という名のスパークリングは、アルコール度数7度。通常の半分くらいの度数なので日本酒ならではの重さがなく、シュワシュワと軽快に発泡するさわやかな飲み口は、暑さで乾いたのどにはなんともいえない心地よさ。キリッと冷やして乾杯酒にすると、飲む人の心を鷲づかみしてしまいそうなお酒です。

これまでアルコール度数が10度を切るお酒には、まったく興味を持てなかった私。
でも、細身・長身の透明ボトルがワインを思わせる形状ですぐに目を引き、レッテルもさりげなくシンプルとあって、その大人っぽさに、まず魅かれました。

さっそくお酒を自宅に取り寄せ、よーく冷やして、青空の下「昼酌」をスタート!
あ、場所は家のベランダです……(汗)。
乳白色をしたお酒はガスが残っているので、噴きこぼれないように静かに開栓し、グラスへ。
繊細な泡が立ち上り、甘酸っぱい香りとともに口に含むと、グレープフルーツのようなかんきつ系の酸味が広がり、軽やかにキレていきます。この味わいは白麹由来のクエン酸によるものなのだとか。



八戸酒造は、いまから7年前に酒母の仕込みに使う麹を全量白麹に切り替えました。一般的に日本酒は黄麹、焼酎は白麹、泡盛は黒麹といった<麹菌>を使って米麹を造りますが、白麹で酒母を仕込むと、白麹が生成する大量のクエン酸により雑菌が繁殖せず、乳酸を添加しなくても健全な酒母ができ上がるのだそう。
八仙 prototypeは、このクエン酸を味わいに生かし、単に低アルコールなだけではない、独特のうまみを造り出しています。

青森県八戸市に蔵を構える八戸酒造は、1774年(安永4年)から酒造業を開始し、代表銘柄「陸奥男山」「陸奥八仙」は、いまや全国で愛されています。
国内外を問わず、日本酒のコンテストではトップクラスの受賞歴があり、現在は八代目蔵元・駒井庄三郎さんを筆頭に、九代目の長男・秀介さん、次男で蔵元杜氏の伸介さんが蔵を盛り立てています。

こちらでは酒造りの現場や工程を紹介する酒蔵見学を行っているので、八戸に行くことがあれば、……いや、ぜひ酒蔵を目指して、蔵見学の予約をすることをおすすめします! 歴史ある建造物は見ごたえ充分。「文化庁登録有形文化財」「八戸市景観重要建造物」にも指定されていて、建物を維持することを考えるととってもご苦労が多いと思いますが、試飲スペースなど、どこを切り取っても趣きがあって本当に素敵なんですよ♪


「八仙 prototype 2023」データと取り扱い店について

〇原材料名:米、米麹
〇原料米:青森県産華吹雪100%
〇精米歩合:55%
〇アルコール分:7度
〇価格:500ml 1870円
〇取り扱い特約店:https://mutsu8000.com/shoppinglist/
■八戸酒造 https://mutsu8000.com/

「八仙 prototype 2023」と合わせたい一品
トマトのジェノバ風マリネ

シュワシュワのお酒「八仙 prototype」といっしょに味わいたいのは、「トマトのジェノバ風マリネ」。トマトの酸味はかんきつ系のお酒と相性抜群! バジルの香り、アンチョビーのうまみが味に深みを与えます。大好きな料理研究家・大庭英子さんのレシピです。こちらも冷やしてどうぞ。



仕上げにかける粉チーズで、さらにお酒がエンドレス。多めに作って翌日も!

トマトのジェノバ風マリネ

材料(5~6人分)

トマト(小) 6個(約720g)
玉ねぎのみじん切り 小1/2個分
アンチョビー(フィレ) 50g
バジルの葉 適宜
マリネ液
 オリーブオイル 大さじ4
 塩 小さじ1/2
 こしょう 少々
粉チーズ 大さじ4~6

作り方

(1)トマトは縦半分に切ってへたを切り、縦4等分のくし形切りにする。玉ねぎは厚手のペーパータオルに包み、水にさらして水けを絞る。アンチョビーは幅5mmに切る。
(2)マリネ液に漬ける。ボールにマリネ液の材料を混ぜ、トマト、玉ねぎ、アンチョビー、バジルを加えてあえる。清潔な保存容器に移し、ふたをして冷蔵庫で1~2時間漬ける。器に盛り、粉チーズをふっていただく。
◎冷蔵庫で3~4日おいしくいただけます。


ぜひ、「八仙 prototype 2023」とお試しください。上記、取り扱い販売店または八戸酒造公式オンラインショップで購入できます。

次回は9月10日更新予定です。最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。


profile
オレぺ日本酒部*酔い子/比留間深雪
オレンジページ コトラボ推進部スーパーバイザー。オレぺ日本酒部員、晩酌愛好家。
編集部に約28年在籍し、雑誌、ムックを制作するかたわら、日本酒の魅力にひたすらはまり続け、酒蔵との交流が人生の財産となる。現部署では、体験型スタジオ「コトラボ」で料理レッスンを中心とした講座やイベントの企画・運営、企業の研修業務等に携わり、日本酒との接点を模索する日々。全国津々浦々、地域のおつまみ、特産品が大好物。

料理/大庭英子 撮影/福尾美雪

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