超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。 今回のお悩み/健康 体重は変わらないのに、体型がどんどんくずれていく……。鏡を見るたびに落ち込みます。 久しぶりに30代のころに買ったパンツスーツを着てみたところ、腕も脚もパツパツ。ウエストのホックも留まらないという事態に。これまで体重はなんとかキープしてきただけに、かなりショックでした。それ以来、ヨガやウォーキングを始めましたが、1年たっても何の変化もなし。お風呂上がりに鏡で自分の姿を見るたびに、「締まりのない体だなあ」とため息。年齢が年齢だけにしかたがないとは思いつつ……。芸能人など、50歳以降も見た目をキープしている人は、やはり相当な努力をしているのでしょうか?(51歳・女性) 立川志らくさんの回答 ずっと若々しくいたいなら、体型よりも健康。〈内臓美人〉をめざしましょう。 お悩み回答者 立川志らくさん 女性の体型のお悩みに、私がアドバイスできることがあるかわかりませんが(笑)、ひとつだけ言えることは、人間というのは必ず老いるものですから、自然にまかせるのがいちばんいいんじゃないかなと。無理に若さに固執するよりも、自然に年を重ねている人のほうがきれいだし、品があるように思います。それに、芸能人がきれいっていうけれど、あれはプロのヘアメイクだったり、スタイリストがついたりして、その人のベストな状態をつくり上げているわけで。それと比較するのはナンセンス。ましてや、このかたは体重は変わってないっていうんだから、ちゃんと努力していると思いますよ。鏡を見て落ち込む必要なんてないです。それより、いくらスタイルがよくたって、不健康であれば何の意味もありません。50歳を過ぎたら、「いかに健康をキープするか」を気にしたほうがいい。毎年健診をちゃんと受けるとか、食生活に気をつけるとかね。これは医者に聞いた話なのですが、人間というのは、年齢で老いていくのではなく、内臓で老いていくそうです。つまり、60歳ですでに80代の内臓の人もいれば、反対に80歳でも60代の内臓を持っている人もいるということ。どちらが若くて、長く生きられるかといえば、もちろん内臓が若い人のほう。だからスタイル美人じゃなくて、〈内臓美人〉をめざしましょうよ。体と心がすこやかであれば、どんな人でも、いくつになっても美しいと思いますよ。 立川志らくさん 1963年、東京都生まれ。85年に立川談志に入門、95年真打昇進。映画監督(日本映画監督協会所属)、映画評論家、エッセイ執筆と幅広く活動中。「ひるおび」(TBS系)をはじめ、テレビ・ラジオ番組にも多数出演している。近著は『進化す る全身落語家』(竹書房)。 堀井美香さんの回答を見る「老後の4K」のお悩みをすべて見る(『オレンジページ』2023年4月17日号より)