さまざまなジャンルで活躍している「あの人」にフィーチャー。今、向き合っていることや日々の暮らしなどについて語っていただきます。 インタビューの記事はこちらもチェック
2023.08.01
柿澤勇人さん「〈鎌倉殿の13人〉実朝役は大きな転機。これからも芝居で戦っていきたい」
かたおか あいのすけ/1972年、大阪府生まれ。81年、十三代目片岡仁左衛門の部屋子となり、京都南座で上演の「勧進帳」で初舞台を踏む。92年、二代目片岡秀太郎の養子となり、六代目として片岡愛之助を襲名。近年は歌舞伎のみならず、ドラマ「半沢直樹」、大河ドラマ「真田丸」「鎌倉殿の13人」など、数多くの話題作に出演。2023 年はドラマ「大奥」、映画「仕掛人・藤枝梅安 第一作/第二作」に出演。 公式HP
人生は一度きり。
いろいろなことをやりながら、
船のスクリューのように
前へ前へと進みたいですね
歌舞伎で、映画で、テレビドラマで。硬軟のキャラを自在に演じ分け、物語に精彩を与えてきた片岡愛之助さん。いま注目の最新出演作が「キングダム 運命の炎」。記録的な人気を誇るコミックを原作とした大ヒット映画「キングダム」のシリーズ3作目です。
「原作のある作品は、役者として〈怖いな〉と感じる部分がありますね。読んでいるかたがそれぞれにイメージを持たれているので、ゼロから作るよりむずかしい。実写化したとき、原作の登場人物たちが〈ここに生きている!〉と、どれだけ感じていただけるか。それが成功の要になると思います」
じつは自身も以前からの原作ファン。2019年に実写化された1作目「キングダム」を見たとき、大興奮したとか。
「原作ファンを裏切らない完成度の高さにおぉ〜っ! と(笑)。漫画じゃないと無理だよね、と思っていた表現のハードルをやすやすと越えていて。人間が演じて命を吹き込むとはこういうことか! と震えました」
愛之助さんが演じた馮忌(ふうき)は、今回が初登場の頭脳明晰な武将。
「何より〈キングダムの世界観を大切にしたい〉という、強い思いでやりきりました」
乱世の中、登場人物たちは夢を追い、精いっぱいに生きています。
「主人公の信(しん)は、自分が選んでいるようで、宿命を持って生まれ、その道を歩んでいるようにも感じます。だれもが何かの役割を持ってこの世に誕生し、ひたむきに生きていく。それぞれの一生懸命がぶつかり合う姿が際立って描かれているのも、キングダムの魅力なんですよね。出演しておきながら、試写ではすっかり観客の気持ちで泣いてしまいました」
ご自身も「人生一度きり。悔いのないよう、全力でいろいろとやっていきたい」と語ります。一般家庭に生まれながら歌舞伎の名門に入り、活躍してきました。
「僕は船のスクリューをつくる会社の息子として生まれたのですが、スクリューって回転しながら進みますよね。最初は〈歌舞伎を見ていただくきっかけになれば〉という気持ちでスタートした映像の仕事も、やってみるとすごくおもしろい。僕もいろんなジャンルを経験し、前進していきたいですね」
多忙な日々を送る愛之助さんの癒やしは、愛猫・まー之助とのひととき。物おじしない性格で、ドライブや散歩にもいっしょに行くとか。「家に来る妻の友人には、左フックの猫パンチをお見舞いするそうですが、僕にはその片鱗すら見せない(笑)。犬みたいにくっついてきて、カワイイ顔で甘えるだけなんです」。
大ヒット漫画『キングダム』を実写化し、観客を熱狂させたシリーズ第3弾。ときは500年にわたり争いが続く中国春秋戦国時代。天下の大将軍を志す戦災孤児・信(しん・山﨑賢人)と、中華統一を掲げる秦国の若き王・嬴政(えいせい・吉沢亮)。運命の出会いを果たした二人は、夢に向かって突き進む! 秦に侵攻してきた隣国・趙の名将軍・馮忌(片岡愛之助)たちとの戦が幕を開け……。
(『オレンジページ』2023年8月2日号より)
撮影/三好宣弘(RELATION) 取材・文/待本里菜 ヘア/山崎潤子 メイク/青木満寿子 スタイリング/九(yolken) [掲載協力]クラウデッド クローゼット ユニオンステーション バイ メンズビギ
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