4月に入り、自分や家族が新生活を迎えたかたも多いのでは?
環境変化に対して、人間の脳は自分が思っている以上に影響を受けるもの。
うつ病は、「連続性が途切れたタイミング」で発症することが多い病気です。「新しいこと・新しい環境」を受け入れるためには多くの情報を脳内で処理する必要があり、それが「脳への負担=ストレス」となってしまうことが理由です。
ネガティブな「変化」だけでなく、ポジティブな「変化」も要注意!
下記のような「環境の変化」があり、体調や睡眠、食事が「いつもと違う」状態が2週間以上続く人は受診を検討しましょう。
●就職や転職、退職、転勤、部署移動など仕事の環境が変わった ●就職や結婚などで子どもが独立した ●友人や近隣の人などとのトラブルや離別があった ●引っ越しや単身赴任で住環境の変化があった ●事故や犯罪に巻き込まれた ●借金を負うなど経済的トラブルがあった ●自分や家族、ペットが病気になった ●自然災害や感染症の流行などで生活様式の変化があった ●家族や大切な人、ペットとの死別を経験した ●別居や離婚を経験した上記以外にも、自身の昇進や子どもの結婚、家の購入による引っ越しなど、
一般的には喜ばしい「変化」でも、人間の脳には負担がかかることが分かっています。
例えば、「昇進うつ」と言われるものがあります。昇進をきっかけに「自分ががんばるだけではダメで、部下の指導が必要になった」「中間管理職になり、上司と部下の板挟みになることが増えた」といった変化でストレスが強くなり、うつ病を発症してしまうことも。
また、単身赴任で生活環境が変わったり、近年では新型コロナウイルス流行下で対面コミュニケーションが減ったことで、これまでは友人や同僚など誰かに相談できていたことも一人で抱えてしまい、孤独感を募らせる人も増えています。
逆に、仕事中もずっと家にいることで、家族との適切な距離が保たれず、軋轢が生まれるケースも。
さらに、
男女ともにホルモンバランスが乱れやすい中年期は、ただでさえうつ病の発症リスクが高くなる傾向があります。だからこそ、
「中高年の変化」は特に気をつけたいところ。
「うつ病になりやすい気質」に当てはまる人も要注意!
うつ病は、誰でもかかる可能性がある病気ですが、下記の傾向が強い人は特に注意しましょう。
●仕事でも家庭生活でも、何事にも真面目で一生懸命 ●正義感や責任感が強い ●「周りとうまくやっていこう」という気持ちがあり、気配りができる ●凝り性で几帳面 ●仕事熱心 ●趣味がない、もしくは「仕事が趣味」と言ってしまうタイプ ●医療従事者や高度な技術者など、責任が重くミスが許されない仕事をしている ●他人に弱みを見せられない ●完璧主義 ●物事を白か黒かで極端に考えがち ●下記の「メランコリー親和型性格」※に当てはまる※「メランコリー親和型性格」とは、真面目、几帳面、良心的、責任感が強い、勤勉、正確などの長所を持つ一方、柔軟性に欠け、挫折に弱く、物事を一人で抱え込んでしまい周囲に助けを求めることができない性格で、うつ病になりやすいと言われている。こういった傾向が強い人は、特にうつ病になりやすく、一度かかってしまうと治るまでに時間がかかったり、再発しやすい傾向も。これらのタイプに当てはまると思う場合は、新生活でのストレスをうまく発散するよう心がけて。
異動や昇進を迎える人も多い春。ホルモンバランスの変動が激しい「中高年」の人は、特に気をつけて。
新生活を迎え、緊張の1ヶ月を乗り切ると、ゴールデンウイーク。
そこで溜まっていたストレスが一気に噴き出し、五月病に、ということを避けるためにも、日々の生活の中で自分の「息抜き」や「プチご褒美」を試してみるのもいいかもしれません。
(オレンジページ刊『
1000人の「そこが知りたい!」を集めました 夫が「うつ」かも?と思ったら妻がすべきこと』より抜粋・一部改変)
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