
「なんとなく不調」は漢方で解消!【カンタン薬膳レシピ付き】

年齢とともに、以前より「疲れやすくなった」「イライラしたり、落ち込んだり、感情が不安定になってきた」「体重が増えてきた」「冷えや肩こりが気になる」など、心身の健康に悩みや不安を抱える人が増えていきます。こうした、病院に行くほどではない「なんとなく不調」におすすめなのが漢方です。
漢方といっても、漢方薬のことだけをさすのではなく、また、決して難しいものでもありません。実は、漢方で最も重視するのが、誰でも手軽に実践できるセルフケア=養生。そして代表的な養生のひとつが「薬膳」です。
漢方では「医食同源」の考え方があり、体を整える食事で内側から健康になる「薬膳」を重視します。
ここでは代表的な2つの不調、「疲れやすい」「冷え」におすすめのカンタン薬膳を紹介します!
「疲れやすい」人におすすめの食べ物

加齢により疲れやすくなるのは、エネルギーの貯蔵庫で、ホルモン分泌にも関係する「腎」の働きが衰えるから。「腎」を元気にする黒い色の食べ物や魚介類、心身のエネルギーを補い、腎の働きをサポートするネバネバした食べ物や雑穀、赤い色の食べ物をとりましょう。
●「腎」を元気にする食べ物
黒豆 黒ごま のり 黒きくらげ うなぎ あさり えび かき 帆立て
●「腎」の働きを整える食べ物
雑穀 山いも 納豆 オクラ きのこ類 トマト 赤パプリカ なつめ
カンタン薬膳『雑穀ご飯のネバネバ丼』のレシピ
材料はすべて疲れを取る食材。10分足らずで完成!

材料(2人分)
オクラ……6本
納豆(たれ付き)……2パック
長いも……4㎝
雑穀ご飯(白米に雑穀を適宜混ぜて炊いたもの)……茶碗1杯分
焼きのり……適宜
しょうゆ(あれば薄口)……小さじ1/4
塩……少々
作り方
(1)オクラはさっとゆでて輪切りにし、しょうゆをからめる。納豆は添付のたれ
を加えて混ぜる。長いもは皮をむいてせん切りにし、塩をふる。
(2)器に雑穀ご飯と1を盛り、焼きのりをちぎってのせる。
「冷え」が気になる人におすすめの食べ物

年齢を重ねると体温をつくりだしたり、体のすみずみに温かさを届ける力が低下します。ホルモンバランスや自律神経の乱れから、下半身は冷えているのに、上半身(とくに顔)は暑くてたまらない「冷えのぼぜ」が起こることも。体をしんから温めるしょうがやにんにく、カレー粉などの香辛料や、血のめぐりをよくするパプリカやなつめなど赤い色の食べ物をとりましょう。
●体を温めるもの
しょうが にんにく カレー粉 シナモン フェンネル 山椒 玉ねぎ 赤ワイン
●「血」を増やし、めぐりをよくするもの
牛赤身肉 レバー なつめ 赤パプリカ トマト かぼちゃ ほうれん草 黒酢
カンタン薬膳『牛肉とパプリカのカレー炒め』のレシピ
冷えに効く牛肉とパプリカに、体を温める香味野菜とスパイスもたっぷり!

材料(2人分)
牛もも肉……100g
赤パプリカ……1/2個
オレンジパプリカ……1/2個
しょうがのみじん切り……1/2かけ分
にんにくのみじん切り……1/2かけ分
〈下味〉
しょうゆ……小さじ1/2
酒……小さじ1/2
片栗粉……小さじ1/2
〈調味料〉
酒……小さじ1/2
しょうゆ……小さじ1/2
カレー粉……小さじ1/2
塩……小さじ1/4
サラダ油……大さじ1/2
作り方
(1)牛肉は細切りにし、下味の材料をまぶす。パプリカは細切りにする。
(2)フライパンにサラダ油を中火で熱し、しょうがとにんにくを入れて炒める。
香りが立ったら牛肉を加え、さっと炒める。牛肉の色が変わったら、パプリカを加え、調
味料を加えて炒め合わせる。
教えてくれたのは……邱 紅梅さん
中医師。心理学修士。北京中医薬大学医学部卒業。東京都目黒区の桑楡堂薬局にて漢方アドバイスを行うほか、執筆、講演活動を行う。著著に『人生後半の不調は漢方で治そう!』『春夏秋冬 自分で不調を治す 漢方的183のアイディア』(小社)など。
『今こそ体をいたわるとき 人生後半の不調は漢方で治そう!』

★さまざまな不調が気になる「人生後半」は漢方で体を整えましょう
薬膳、生活養生、ツボ、運動などの簡単ケアで「体の不調」も「心の不調」も改善。肥満、肌老化、白髪などの「見た目の悩み」や 高血圧や糖尿病など「持病」改善に役立つケア・漢方薬も紹介。
(オレンジページムック『今こそ体をいたわるとき 人生後半の不調は漢方で治そう!』
より)
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監修/邱 紅梅(中医師) 料理/髙山かづえ 撮影/安部まゆみ 原稿/編集部・今田