陶器の街・益子町生まれ。幼いころから料理に親しみ、実家の台所や食卓にはつねに「発酵食品」があった……。そんな井上咲楽が、自家製の調味料や、お気に入りの発酵食品などを紹介していく「発酵ごはん」連載です! はつらつとした彼女のすこやかさの秘訣がここにアリ!?
おいしすぎて勘弁してくれ。井上咲楽、6泊のアイスランド旅で絶品すぎるバターに出会う

年末年始は10日間の北欧旅へ
年末年始は10日間のフィンランド、アイスランド旅行へ行った。美しい景色にゆっくりと心を解きほぐされるような感覚で、かなりリフレッシュできた旅行となった。今回はアイスランドで食べたものの思い出を綴りたい。
アイスランドに6泊した。現地のごはんは、白身魚、ラム肉、スープなど、何を食べてもあつあつでおいしい。いろんなごちそうを食べたが、アイスランドで大ハマりしたのがパンとバターだった。いろいろ食べておいてパンとバターかよ! と思うかもしれないが、これがもう、本当に絶品だった。
口と鼻が幸せになる。アイスランドのパンとバター
パンは、柔らかいふわふわなものもあるが、私が好きだったのは地熱で蒸し焼きにしたアイスランドの「ルグブロイス」という伝統的なライ麦パンだった。低温で長時間調理されるらしい。ココアケーキのように茶色くて、皮がなく、ぎゅっと詰まっているようなそのパンは甘みがあって、かむたびに穀物の味わい深さが出てくる。
そしてホテルやスーパーでも何度も見かけた「SMJÖR」というバター! これはもう、今まで食べたバターのなかでいちばんおいしかったと断言できる。独特な味わいが! とかではなく、いわゆるあのバターの上位互換。「おいしすぎて、勘弁してくれ……!」といった感じ。なんと言ったら伝わるのだろうか。濃厚で、クリーミー。鼻に抜けるバターの風味が、すごくよくて、乳製品のおいしい香りと味がする。これをルグブロイスにたっぷりと、端っこまでしっかりと塗って食べるとそれはもう、口と鼻が幸せだった。バターの濃厚なうまみをルグブロイスのどっしりとしたパンが受け止めてくれる。あー、とか、うー、とか、ぐは! とか、簡単な言葉ですませたくなる。それくらいに、幸せに包まれる味をしていた。
これは日本に必ず持ち帰りたかったので、BÓNUS(ボーナス)という現地のスーパーで買ってお土産にした。アイスランドの物価は本当に高い。何を食べてもすごく高いが、バターは思ったより安価で、400gで420円くらい。日本より安いのでは?

しっかりバターをゲットしたのに、アイスランドに滞在中にふと「そういえばあのバター、1個で足りるかな……」と不安になってきた。
このバターがなくなってしまったら、バター欲しさに、たとえ1泊だとしてもアイスランドまでこのバターを買いに来てしまうかもしれない。バターを買うために1泊でアイスランドに行くなんてとんでもない! と今なら思えるが、アイスランドバターを切らしてしまった私の理性が保てる気がしない……ちょっと欲張りかもしれないけど、不安なので、もう一度スーパーに寄り、自分用のバターをもう1箱買った。400g×2、合計800gのバターを2026年は大切に大切に食べよう。

異国での食事は少々不安もあるが、今回の旅も好きな食べ物が見つかってうれしいし、また訪れたい理由ができた。もしアイスランドに行くことがあったら、パンとバターをぜひ。あ、アイスランドに行く知り合いがいたら、ついでに私のバターもお願いします!
ということで、しっかりお休みしたので今年も連載頑張ります! おいしい発酵にたくさん出会えますように。




PROFILE
井上咲楽(いのうえ・さくら)
1999年、栃木県生まれ。2015年「第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン」を経て芸能界入り。「おはスタ」「新婚さんいらっしゃい!」など、バラエティで見せる明るいキャラで人気を博す。NHK大河ドラマ「光る君へ」に出演。2024年5月『井上咲楽のおまもりごはん』、11月『じんせい手帖』、2025年10月『井上咲楽の発酵、きょう何作る?何食べる?』を出版。「発酵食品ソムリエ」資格、「食品衛生責任者」の資格も持つ。

文・写真/井上咲楽 バナー・プロフィール画像/大森忠明













