
うまみ凝縮、お酒がすすむ!プロの寿司屋が教える、自家製「本格しめさば」のレシピ

この連載では、寿司屋ならではのテクニックを交えながら、家庭で作りやすいレシピをご紹介しています。
今回は【寿司屋が教える本格しめさば】です!
ではさっそく作っていきまーす!

【其の一】
新鮮なさばを選ぶべし!
さばはあしが早いので、新鮮なものを選びましょう。目が澄んでいて、皮が張って腹に張りがあるものが新鮮です。胴に厚みがあるものは脂がのっていておいしいです。そのあたりをポイントに選んでみてください。
魚屋で三枚におろしてもらったものを使ってもOKです。
野本流『しめさば』のレシピ
材料(作りやすい分量)


さば(大)……1尾(約600~700g)
塩……適宜
米酢(なければ穀物酢)……適宜
作り方
さばを三枚おろしにする
(1)
包丁の刃元で尾から頭へ向かいうろこをこそげ取る。胸びれのつけ根に包丁を斜めに入れ、裏返して同様に包丁を入れ、頭を切り落とす。

腹を手前に置き、しりびれから切り口まで切り込みを入れる。内臓を刃先でかき出し、腹の中を水で洗いながら血わたを取る。ペーパータオルで水けを取る。

(2)
頭を右、腹を手前に向けて置き、腹側から包丁を入れて少しずつ中骨の上に切り込みを入れていく。

頭を左、背を手前向けて尾のつけ根から中骨と身の間に包丁を入れ、頭側に向かって包丁をすべらせるようにして少しずつ中骨の上に切り込みを入れる。最後につながっている尾の部分も切り離す。

(3)
反対側の身は背のほうから同様におろす(背・腹の順に切り込みを入れておろす)。

最後につながっている尾の部分も切り離す。
三枚おろしの完成!

–{さばをしめる・仕上げ}–
さばを酢でしめる
(4)
バットにさばを皮目を下にして並べ、両面に塩をかぶるくらい、まんべんなくふる。

ラップをして冷蔵庫で90分おく。

(5)
流水で洗い、塩を落とす。水けをペーパータオルでしっかり拭く。

さばを皮目を下にしてバットにおき、かぶるくらい酢を注ぐ。ラップをして冷蔵庫で20分漬ける。

※アニサキス対策として(5)の後に、酢をペーパータオルでふき取ったら、ラップで包む。冷凍用保存袋に入れ、−20℃以下で24時間以上冷凍してください。酢でしめた後に冷凍することで、臭みも防げます。
家庭用の冷蔵庫の場合は48時間冷凍するといいです。解凍の際は冷蔵庫で5〜6時間置きます。

仕上げ
(6)
腹骨を取り、小骨を抜いて、皮をはがす。
腹のくぼんだ部分に包丁を寝かせ入れ、腹骨を薄くそぎ取る。身の中央の小骨は頭に向かって骨抜きで引き抜く。片手で身を押さえ、頭から尾にむかい、皮をゆっくりとはがす。

(7)
5mm間隔で切り目を入れながら、斜めに幅1cmに切る。

(8)
器につま、青じその葉各適宜(分量外)を添えてしめさばを盛りつけ、練りわさび適宜(分量外)を添える。

絶対に失敗しない本格&絶品『しめさば』のでき上がり!
お刺し身はもちろん、さばの押しずし、しめさばサラダ、酢のものなどもおすすめです!
これからさばのおいしい季節。
新鮮なさばを見かけたら作ってみてください!
しめさばを冷凍するのは手間に思うかもしれませんが、冷凍で1ヵ月ほど保存できるので、作って冷凍しておくと便利です。
【野本やすゆきチャンネル】でも松寿司の仕込み動画でさばをやっておりますので、おろし方の参考にご覧ください。
チャンネル登録いただけるとありがたいですw
ぜひこの機会に作ってみてください!
谷中松寿司の旬ネタ
最後に松寿司の旬ネタをご紹介!
今回は『かき』です。【仙鳳趾のかき】です。

身も大きく甘みがありクリーミーでこくのあるかきです。
加熱しても縮みにくいので蒸しがきにしてお出ししています。
さて、本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
次回の更新は11/8(金)「かきの春巻き」をご紹介します。

野本やすゆき
料理家、谷中で80年続く「谷中松寿司」三代目店主。
大学卒業後、調理師学校に通い、調理師免許を取得。家業の寿司店で修業するかたわら、フードコーディネータースクールに入校。卒業後、同校講師を経て独立。
料理家、寿司屋の二刀流で料理雑誌へのレシピ提供、テレビ番組や広告のフードコーディネートなど、食にかかわるジャンルで幅広く活躍中。
YouTube:野本やすゆきチャンネル
Instagram:nomotobase
谷中松寿司:yanakamatsusushi

写真・文/野本やすゆき プロフィール写真/吉澤健太