
なすのうまみ悶絶級!ジューシーで新しい『ベトナム風焼きなす』【栗原友さんのレシピ】

さっぱりとした焼きなすは、麺類にも合わせやすく、ビールにも合う! 夏にぴったりのメニューです。今回紹介するクリトモ式の焼きなすは、私史上最高の「ベトナム風焼きなす」! 20年ほど前にベトナムで食べて衝撃を受けた、超絶おいしい焼きなすを再現したものです。
甘くてジューシーな〈なす汁〉がナンプラーのうまみとともに、口の中でじゅわ~! 何度食べても悶絶するほどおいしいんです。
焼きなすは「なすを焼いて薬味としょうゆをかけるだけ」と思われる人もいるかもしれませんが、じつはとても奥が深い料理。なすの甘みをたっぷり引き出すことができるのは、「焼きなすの知恵」がいっぱい詰まっているからです。
ポイントだらけのクリトモ式焼きなす、ぜひYouTubeチャンネル『クリトモ式』とあわせて見てください。
ここがクリトモ式!
おいしい「なす汁」を逃がさぬよう
水にさらさず、焼きたてあつあつで皮をむく!
焼いたなすは、甘くておいしい汁がたっぷり! この汁を逃がさずいただくために、なすは水にさらさず、あつあつのまま皮をむきます。なすのへたを持ち、やけどしないよう、ときおり指を氷水に浸して。へたの下に入れた切り目からゆっくり皮を引けば、意外と簡単にむけます。
ナンプラー&揚げエシャレットで
一気にエスニック気分!
スライスしたエシャレットをこんがり揚げてのせる。このひと手間でなすのやさしい甘みが引き立つ、エスニックなメニューに仕上がります。にんにくだと味と香りが強すぎるので、ぜひエシャレットで作ってみてください。サクサク食感、香りのうつった油もいいアクセントになります。
クリトモ式『ベトナム風焼きなす』のレシピ

材料(作りやすい分量)
なす……5個
万能ねぎ……2本
しょうがのすりおろし(好みで)……適宜
パクチー(好みで)……5本
エシャレット……5本
ナンプラー……適宜
ごま油、米油……各適宜
作り方
(1)
なすはへたの下に一周切り込みを入れる。なすの先端から、竹串や細めの箸を深く刺し、中心に穴をあける(指を刺さないよう注意)。魚焼きグリルになすを並べ入れ、強火で約10分焼く。裏返してさらに5分焼く。魚焼きグリルがない人はオーブントースターでOK!
(2)
なすを焼いている間に薬味を用意する。万能ねぎを小口切りにする。パクチーは根を除いて、食べやすい長さに切る。エシャレットは水けをよく拭き取り、薄切りにする。
(3)
なすが焼けたらへたの下の切り込みから皮をむく(やけどしないよう、手を氷水で冷やしながらむく)。包丁で縦中央に切り込みを入れて開く。ナンプラーをかけて粗熱を取る(冷蔵室で冷やしてもOK)。
(4)
小さめのフライパンに底全体が隠れるくらいの米油を入れ、(2)のエシャレットを入れ、弱火~中火にかける。油がジュワジュワとしてきたら弱火にして、カリッとすきつね色になるまで揚げて、油をきる。
(5)
(3)のなすを汁とナンプラーごと器に盛り、しょうが、万能ねぎ、パクチーをのせる。エシャレットを揚げた油、ごま油を少量かけ、揚げエシャロットをのせる。
なすの詳しい焼きぐあいや、万能ねぎをふんわりと小口切りにするコツは、動画でもチェック!
なすに竹串を刺して穴をあけておくと、蒸気がなすの中まで回ってふっくら蒸し焼きに。焼いている間になすが呼吸する感じがします。このひと手間でおいしくなる!
なすに切り込みを入れて開いた状態で、ナンプラーをたっぷりかけます。なすから出てくる甘い〈なす汁〉とナンプラーがなじんで絶品です。
思わず自分で「天才!」と言っちゃうほど、自画自賛したくなるおいしさです。
今回の友さんこぼれ話。
「発酵食品にハマっています」
今年の春から、新しい炊飯器、初めての電子レンジを購入し、ついに文明の利器を手にした私ですが、今、大いにハマっているのは発酵食品作り。
おかずや総菜の作りおきはほとんどしませんが、漬けたり発酵させたりは大好き。漬けものや発酵食品を使う中国の貴州料理をいただいて以来、がぜん興味がふくらんで、自分でもいろいろ仕込んでいます。
最近仕込んだのは、水キムチ、青唐辛子の塩麹漬け、赤唐辛子の漬けもの・泡椒(パオジャオ)、豚肉の干し肉、発酵はちみつ梅シロップなど。
時間がたって発酵が進み、酸味や香りが増しておいしくなってくるのは、本当に不思議で楽しい世界。赤唐辛子を発酵させた泡椒をラーメンに少し加えたら、もう最高! 作って味わって、体感するとますます興味がふくらみますね。
>>「向いてると思う。トモは料理上手だよ」。母・栗原はるみの言葉で料理の道へ。栗原友さんインタビュー
栗原友
愛称は「クリトモ」。母は料理家の栗原はるみさん、父は元キャスターの故・栗原玲児さん。弟の心平さんも料理家。築地の鮮魚店「クリトモ商店」を営む傍ら、スーパーオオゼキの顧問としても活躍。著書に『ひとりぶん、ふたりぶん 刺身パックでさかなつまみ』(プレジデント社)など。
Youtubeチャンネル「クリトモ式」
▶https://www.youtube.com/@user-fv7kn8mv7h

料理・スタイリング/栗原 友 撮影/富森 浩幸 編集・文/藤岡 操